5月7日(土) 2011 J1リーグ戦 第10節
C大阪 1 - 1 仙台 (19:03/金鳥スタ/11,576人)
得点者:30' 太田吉彰(仙台)、90'+4 小松塁(C大阪)
スカパー!再放送 Ch308 5/9(月)前10:00〜
☆totoリーグ
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5分と示されたアディショナルタイムも、その半分以上が経過。1点リードされていたC大阪が、このまま仙台に押し切られるのかと思われたその時、キンチョウスタジアムには、まだドラマが待っていた。
高さのある小松塁とフィジカルに自信を持つ永井龍という2人のFWを、乾貴士とホドリゴ ピンパォンに代えて、71分に投入していたC大阪のレヴィークルピ監督。本来のショートパスを巧みに使う3シャドー中心の攻撃を捨てて、最後、C大阪はしゃにむにパワープレーを仕掛けて1点を取りに行く。桜色のサポーターの迫力ある声援を背に受けて。
そして、なりふり構わず1点を取りに行った執念が実を結んだのは、90+4分のこと。左サイドバック丸橋祐介からのクロスフィードを、小松が相手DFにヘッドで競り勝ち、こぼれ球を永井が胸で落とすと、再びそこに素早く反応したのが、小松。長い右足を伸ばして放ったシュートは、仙台DF菅井直樹の胸に当たってコースが変わり、ゴールネットに突き刺さった。
その瞬間、キンチョウスタジアムに集まったC大阪サポーターは雄叫びにも似た大歓声で喜びを爆発させた。C大阪の選手も、ベンチも、ようやく奪った1点に歓喜する。そして、倉田秋がすぐさまボールをセンターサークルまで持って帰ったように、あくまで最後まで狙ったのは勝利。ただし、残された時間は短く、1−1でタイムアップ。キンチョウスタジアム不敗神話は継続したものの、J1リーグ戦でC大阪は、開幕戦の1敗のあと、再開後は3連続引き分け。またしても、勝利が遠かった。
「フィジカル的に本当にタフで激しい試合だった」とレヴィークルピ監督は振り返ったが、その要因となったのは、仙台の手倉森誠監督が「J2時代からのライバルチームでもあり、このキンチョウスタジアムで土を付けるのは我々だという思いで臨んだ」と言うように、近年、好敵手となっているC大阪と仙台の意地と意地がぶつかり合ったからだろう。ポゼッションのC大阪、堅守速攻の仙台という図式は今回も変わらなかったが、持ち味を活かしたのは、仙台のほうだった。
策士、手倉森監督が目を付けたのは、「C大阪のキーマンはマルチネスと乾だということ」。その2人をはじめ、C大阪攻撃陣へのプレスは厳しく、そのためにC大阪は「ボールロストの率が、非常に高くなってしまった」(マルチネス)。そこから、仙台のカウンターが面白いようにうまくいく。今節では赤嶺真吾をケガで、朴柱成を出場停止で欠いたが、その穴を補う前線の中島裕希をはじめ、太田吉彰、関口訓充、梁勇基のスピードはC大阪を散々苦しめた。田村直也も攻守に安定感を示し、角田誠らボランチは、相手の3シャドーに仕事をさせなかった。
そして、30分には梁が競り合ったこぼれ球を素早く拾った菅井が右クロス。C大阪守備陣の動きが一瞬止まった隙に、太田がニアへ飛び込んで、泥臭くゴール。まさにこれまで仙台が見せてきた気迫あふれる戦いの象徴のような得点で先制。その後もカウンターを中心に何度も好機を作り、シュート数でもC大阪を上回る12本を記録。C大阪GKキム ジンヒョンの好守の前に、追加点は奪えなかったが、終盤は巧みに交代選手を送り込み、盤石の体制を整えた、はずだった。
だからこそ、手倉森監督は試合後、「本当にもったいない勝点2を落とした」と最後の失点で引き分けたことを悔やんだ。しかし、「今のまとまりを忘れなければ、負ける気がしないというのは、選手たちも実感できていると思う。より、その団結心を高めて、もっと躍進できるように頑張りたい」と、快進撃を持続するチームに手応えを感じているようだった。
一方でC大阪はACLアレマ・インドネシア戦勝利の流れを活かせず。「内容的には本当に全然ダメ」と反省の弁を語った乾だが、「うまくいかない時には、距離感が遠いというのは、ある程度分かった。1タッチ、2タッチプレーがなかなかないのかなというところも、そういうのも気づけた」と、課題を整理できたのは、ある意味において収穫といえるだろう。「明々後日にはACLの大事な試合が待っている。今できることをしっかりして、早くリカバーをして、万全の状態で用意したい」と倉田も言うように、10日にはACLベスト16入りをかけた大一番、山東魯能戦が控えている。仙台戦で得た教訓を胸に、3日後に迎えるホームゲームに、C大阪は全力を傾ける。
なお、この試合後には元C大阪、仙台で活躍した岡山一成氏のビデオメッセージが流され、その後にはC大阪サポーターと仙台サポーターがベガルタ仙台の応援歌を歌い合う一幕も。試合では互いに力を出し尽くし、試合後は健闘をたたえ合って、スタジアムが1つになって交流する。「チカラをひとつに」という両チームの、両サポーターの思いが見えた、素晴らしい光景だった。
以上
2011.05.08 Reported by 前田敏勝
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