「だいたい20人位が参加していたんですけど、知り合いがいなくて、チョット寂しかったデス」
5月9日から11日まで、U−22韓国代表強化合宿に参加していたチョ ソンジンに感想を聞くと、そう答えた。
韓国の高校を卒業し、Jリーガーとなって3年目。通訳もいない状態での彼にとっての海外でのプロ生活は、周囲が思う以上に大変だったと思うが、今ではずいぶん日本語も上達し、チームメイトとのコミュニケーションもほぼ問題なくこなしている。最近では同じDFの矢野大輔と会話しながら練習場を後にすることが多く、12日の練習後も2人で姿を見せた。「合宿のことを聞いてやってくださいよ」との矢野の勧めもあって話を振ったところ、冒頭のコメントが返ってきたというわけだ。
今回の合宿は2012年のロンドンオリンピック・アジア予選に向けてのものだと思われるが、韓国の大学生が多く、日本でプレーしている選手は彼1人だけ。世代別代表への招集も初めてのことで「緊張はありました」と話す。
監督は日本でもプレーした洪明甫氏。「カリスマ性があって、怖い感じ」だったらしく、練習も相当ハードだったと振り返る。ただ、日本での生活やJリーグでのプレーにも慣れたこの時期に母国での強化合宿に参加したことは、少なくない刺激になったよう。オリンピック代表や韓国代表への思いが強くなったことはもちろんだが、それ以上に「韓国人のメンタルの強さとか、戦う雰囲気を思い出した」ということが大きい。
というのも、最近のソンジンに関しては、高木琢也監督も物足りなさを感じていたようで、「『お前は韓国人じゃない』って言うんですよ。『俺が知っている韓国人は、もっともっと頑張るし、もっと戦っていたぞ』って言われている」と話していたことがある。
「ロアッソでもその部分を出して、試合にも続けて出られるように頑張りたい」と話す、言わば原点に帰ったソンジンのこれからのプレーが見もの。ちなみに韓国オリンピック代表メンバーの発表は、今月中に行われる2次合宿を経て、アジア予選を控えた6月頃になる予定だそうだ。
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2011.05.12 Reported by 井芹貴志













