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【J2:第14節 京都 vs F東京】レポート:梶山陽平を中心に京都を圧倒したF東京。欲しかった追加点を挙げ大勝を飾る。(11.05.29)

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5月28日(土) 2011 J2リーグ戦 第14節
京都 1 - 4 F東京 (16:04/西京極/5,330人)
得点者:14' 梶山陽平(F東京)、20' 内藤洋平(京都)、30' 田邉草民(F東京)、37' 大竹洋平(F東京)、58' 田邉草民(F東京)
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雨中の一戦は、F東京の大勝で幕を閉じた。
京都は、染谷悠太がディフェンス右、秋本倫孝がボランチに入り、中山博貴が左サイドハーフに入る。F東京は、大竹洋平、田邉草民が両サイドハーフに入り、梶山陽平がチームの中心で、高橋秀人がアンカーという様な形で、右サイドバックに徳永悠平が入った。

14分にF東京がスコアを動かす。田邉が左でボールを奪うと前の梶山に送る。梶山が、ボールをクリアしようとしたDFの股を抜くと一気に前へ。その外側へ回った田邉へ梶山がパスを送ると、一気に京都DFは田邉につられる。そこを田邉がマイナスの梶山に送ると梶山はゴールへパスを送る様に優しく決める。実に素晴らしいゴールでF東京が先制する。しかし、京都も20分に反撃。左サイドのエリア付近でボールをキープした中村充孝が後ろにボールを落とすと、久保裕也がこれを思い切り振り抜く。GKが弾いたところを内藤洋平が押込み、京都が同点とする。
その後、互いに決定機を作る。27分、梶山からノーマークだったロベルト セザーへ送られ、シュートを打たれた場面。その直後、中村充孝がF東京のディフェンスラインを抜けだそうとしてシュートを放つなど、互いに見せ場を作った。
そして30分、F東京が左サイドからクロスをマイナスに入れて、梶山陽平が個人技で前へ運んでシュートを放ったことで得られたCKを、田邉草民が頭で決めて、F東京が2−1と突き放す。
36分の京都、中山博貴が裏に飛び出し、シュートを放つがGKにブロックされる。
そして37分、F東京がふわりと上げたボールをディフェンスのクリアが小さく、ゴール前にこぼれてしまい、それを大竹洋平に決められ3−1とされてしまう。

後半早々、前半から左膝あたりを痛めていた秋本倫孝が交代となるアクシデントが発生し、加藤弘堅が右サイドに、内藤がボランチに入る。
58分、試合を決める1点がF東京に入る。田邉が中央からやや左で前を向くと、左サイドにいたロベルト セザーへ送り、前へ出る。セザーとのワンツーで京都DFの網の中でボールを受けると、DFを一人かわしてGKの脇を転がすシュートを決め4−1とする。

その後はつないで攻めようとする京都に対し、F東京のカウンターという図式。京都はこれを崩し切れずタイムアップ。京都は1−4という大敗を喫した。

京都のどこが、という以上に、F東京が素晴らしいサッカーをみせたという印象だ。
梶山を中心にした田邉、大竹のトリオが抜群の出来で、その中でも先制点、4点目の田邉の出来は出色。1点目、梶山に送った後、梶山を追い越す走り出し。4点目、セザーとのワンツーで京都ディフェンス陣の懐に入っていった大胆さ、相手を崩すために何をしなくてはいけないか、の見本の様な出来だった。
京都のディフェンスの裏へ走り出す動きは、前半はあった。特に中山博貴の決定機はそうだろう。しかしながら、「後ろから出て行くんじゃなくて先に前へポジションを取ってしまって、そこで受けようとする感じ」と試合後、京都・大木武監督が語った様に、その動きをもっと効果的に実践しなくてはいけないだろうな、とは感じさせた。なぜ、前へ走っていくことが必要なのか、ということを、F東京のゴールシーンから改めて考えさせられた。

F東京の梶山、田邉、大竹が良かったという裏返しは、京都がその中盤をフリーにさせた、ということになる。「チームのコンセプトとしてやっているボールに行くというところで全体に曖昧にしてしまった」と、染谷が話した通りだろう。特に梶山に対し厳しく行けなかったのは大きかったのではないか。先ず、梶山に入る前に厳しくボールに行き、梶山に入った瞬間を狙える様な、そういうことが出来れば良かったのでは、という印象は強い。つまりは、相手の状況や位置に関係なく、10人でボールを追いかけるということだろう。

試合後、F東京・大熊清監督が「ゾーンをひいても、あれだけ入り込まれる」とコメントしていたが、相手のディフェンスと中盤の間などにボールを入れることはできていた感じはある。
ただ、入ったところで、何をするかは、正直、あまり感じさせてくれなかった。例えば、4点目の田邉の様に、相手DFを翻弄するスピードアップ、というアイデアがあっても良いだろう。
スピードで言えば、中央に走り込むスピードを生かす、さらにスピードを上げさせる様な展開もあっても良いのではと思った。戦列を離れているが宮吉拓実の動き出しを活かし切るならそういう展開ができなくてはいけないのでは、と思ったからだ。

今節、京都にとってはF東京から学ぶべき点は多いのではないか。それほど相手は素晴らしい内容だった様に感じる。
だが、大熊監督が試合後「1−1になった後にどっちがとるかで試合は変わってくると思うので、逆の展開になっても、おかしくない展開だったと思います」と語ったが、そういう側面もあったと同意する。その追加点をF東京が取った。梶山も「2点目、追加点がチームとして取れていなかったのがやっと取れて、それで勢いも出てきた」と話したが、相手もここまで追加点を奪えずに苦しんでいたのだ。それが飛び出した。あの得点が勝負を引き寄せたと言っていいだろう。
だが、2点目が勝負を決めた訳ではないはずだ。1−3で後半に入ったが、そこで、京都が先に1点返せば1点差になる。京都に流れが来てもおかしくないからだ。しかし、F東京に4点目を奪われた。追加点と後半の1点目、2度の勝負所を逃した京都と、2度の勝負所を抑えたF東京。これで勝負あり、といった感じだ。
正直なところ、内容以上に、2点目、4点目を決め切った田邉草民が勝負運を持っていた、という印象である。

以上

2011.05.29 Reported by 武田賢宗
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