スカパー!生中継 Ch182 後05:50〜
☆豪華賞品が当たる!totoリーグに投票しよう!|HOT6特集
----------
ペトロヴィッチ監督不在が、もう6日間も続いている。
「オーパ!」(行けという意味の言葉らしい)や「ブラボー!」といった大音量のかけ声で選手たちを叱咤激励し、一方で細やかな声かけや気遣いで気持ちを和ませる。取材陣への優しい気配りも含め、彼のパーソナリティはそのまま、サンフレッチェ広島のチームカラーだ。戦術的な修正も指揮官ならではの独特な感性やアプローチが存在し、それが何度もチームの苦境を救ってくれた。2連敗中の広島にとって、ペトロヴィッチ監督の右足蜂窩織炎と敗血症による一時離脱は、まるで心棒を欠いてしまったかのような厳しさ。チームは福岡戦で指揮がとれるよう努力を継続的に続けていくが、前日練習にも彼が姿を見せられなかったことは事実。正直、不安はぬぐえない。
しかし、「もし結果が出ない時は、そこが言い訳になる。やるのは選手だし、スタッフの方々もいい仕事をやってくれている。それを活かすためにも、監督にいい知らせを届けるためにも、勝利するしかない」と李忠成は力強く語る。実際、横内昭展コーチのもとで行われた今日の練習は、ピリッとした空気に満ちていた。「今日の練習は、悪くない。夏の暑さによって、いつもいつもいいサッカーができる状況ではないけれど、今日のような感じでサッカーができれば、結果もついてくる」とは森崎和幸の言葉。チームの中でもいい意味での議論も生まれ、「全員で勝つんだ」という強い意志がプレーの一つ一つに見えていた。
福岡は、ここ3試合で2勝1敗・4得点3失点。一方の広島は1勝2敗・3得点6失点。単純なデータでは福岡の方が上だ。広島が完敗を喫した対川崎F戦でも、3失点の後に2得点と追い上げを見せ、相手を慌てさせている。開幕以来の「どうやっても勝てない」という時期から抜け出し、選手たちに「点もとれる・守れる」という自信が芽生えてきた。もともと能力の高い攻撃的タレントは存在し、実際にチャンスはどんな試合でも生み出している。そこにボランチ・中町公祐が負傷から戻ってきたことで、チーム全体のバランスがよくなっている。前から激しくプレスをかけるプレースタイルは、広島相手にも変わらない。いや、後ろから攻撃を創る広島だからこそ、さらに激しくプレスを仕掛けてくれるだろう。
だが、そこは警戒した上で、「大切なのは自分たちのサッカーがしっかりとやれるか」と選手たちは口々に言う。特に、チームの立て直しに向けて強い意欲を見せているのが、前々節に退場処分を受けて1試合の出場停止を余儀なくされた森崎和幸だ。
「僕はみんなよりも休んでいるし、他の選手の分まで走ればいい。監督が不在の中でも、(佐藤)ヒサを中心として僕もみんなを引っ張っていく」
自分が不在だった138分間で5失点という事実。チームが連敗を喫したことに対する悔いと責任。そんな様々な思いを強い語気に変換して、カズは言葉を吐き出した。また、病気(慢性疲労症候群)によってチームを離脱、家からも出られずに迫り来る症状と闘っていた過去2年間の夏の記憶が、森崎和を燃えさせる。
サッカーができること、元気にピッチに立てていること。サッカー選手にとっては普通のことが、森崎和にはこの上もない幸せだ。その幸福を与えてくれたのは、もちろん自分を支えてくれた家族であり。信頼を寄せてくれるチームメイト、復活を待ち続けてくれた監督やスタッフ。そして何より、「俺たちの誇り」と高らかに歌い上げてくれるサポーターの存在が、苦闘を続けた背番号8の背中を支え続けてくれた。
今季、好調を持続している森崎和は、サッカーができる喜びを全身で表現し、自分を支えてくれた人々のために闘う。「C大阪戦や柏戦は、チームに迷惑をかけた」という自覚のもと、誰よりも熱い気持ちを持って福岡戦の勝利を求めて、走り抜く気持ちだ。
「カズさんが戻ってくれば、心強い。守備だけでなく攻撃の面でも」(青山敏弘)「カズさんを中心に、しっかりと声をかけあって守る」(西川周作)と、仲間たちが強い信頼を寄せるドクトル・カズ=森崎和幸。彼の復活が苦しみ抜いた紫の戦士たちに新たな希望を与え、負傷に苦しむペトロヴィッチ監督に勇気を、練習にも関わらず「サンフレッチェ・コール」を叫び選手たちを鼓舞したサポーターに歓喜を与えてくれる。それだけの力を見せつけているリベロを中心とした広島の守備陣と、好調を維持している福岡攻撃陣の速攻。激しさ必至のせめぎ合い、見逃す手はない。
■この試合注目のHOT BALLER:森崎和幸(広島)
以上
2011.07.17 Reported by 中野和也















