スカパー!生中継 Ch186 後06:20〜
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前回、愛媛が東京Vと対戦したのは4月24日の駒沢。震災後のリーグ再開初戦だった。その試合では愛媛がジョジマールのPKで東京Vを振り切ったが、あれからちょうど3ヶ月。両チームが置かれている状況は一変、現状は対照的だ。愛媛は前節、京都に敗れて今季初の3連敗。3試合ともに複数失点で、5試合勝利から遠ざかっている。対する東京Vは6試合連続で負け無し。その中には5連勝を含み、この6戦では20ゴールという爆発的な得点力を誇っている。
さらに、両者のその戦いぶりを見ても、今節の対戦は前半の45分間が大きな意味を持ちそうだ。愛媛は現在、3試合続けて前半に失点。前々節の札幌戦、その前の岡山戦では先制をしながらも前半のうちに同点に追いつかれ、敗戦に追い込まれた。一方で、東京Vは直近の6試合ともに前半の間に得点を奪い、勝点を積み重ねている。前節も前半17分にコーナーキックから先制点を奪うと、その後も徳島を圧倒。ボールを奪われても守備への切り替えが素早く、高い位置で次々とボールを奪い返しては波状攻撃に結びつけた。2点目となった前半22分のオウンゴールも「ラッキー」で得た得点というよりも、その試合運びがもたらしたゴールだった。
こうした両チームの状況を重ね合わせた上で、注意深く見守りたい前半の45分間。「京都戦は引いてしまい、自由にやらせてしまったように見えた」と、愛媛の赤井秀一はベンチから立ち上がりの戦況を見つめていた。「できる時間、できない時間はあるけれど」と前置きをした上で「守るにしても、積極的に仕掛けなければ体力的にもメンタル的にも消耗してしまう」と序盤の戦う姿勢を課題に挙げる。また、連敗をしているチーム状況を踏まえて関根永悟は「ミスをしたら硬くなってしまうが、萎縮しないように声を掛け合いたい。プレーが縮こまらないようにしないと」と、チームの雰囲気作りにも気を配る。
ただ、幸いにもトレーニング中はあちこちから意見をぶつけ合う声も聞こえてくる。愛媛の選手たちは置かれた状況を気負わず、この緊張感をピッチでゴールへと向かう姿勢へ結び付けたい。「アリバイ作りのようなプレーがいくつかあった」「ボールを持って前を向ける選手がいなかった」とバルバリッチ監督は京都戦後に苦言を呈したが、今の愛媛の選手たちは戦術以前にまずは精神的な部分を45分間、しっかりとコントロールすることで道を開いていきたい。
もちろん、その45分間は勝利を手繰り寄せるひとつの要素であり、試合は最後のホイッスルがなるまで分からない。それを思い知らされたのが東京Vの前節。徳島戦では終盤に失速し、終了間際にまさかの2失点。勝点2を失ってしまった。連勝で6位まで順位を押し上げたとはいえ、11位・愛媛との勝点差は4。まだまだ中位争いを抜け出し切れてはいないし、昇格争いに食い込めたわけではない。前節のドローを契機にもう一度気持ちを引き締めることができれば、今節は更なる高みを目指す足がかりにできるはず。そのためにも、まずはこれまでどおり前半の間に試合を優位に運び、愛媛が立ち直るきっかけを断ちたい。前節の流れを引きずることなく、先手を取られてがっぷり組み合った3ヶ月前とは違う展開に持ち込みたいところだ。
また、東京Vにとっては昨年、一昨年と2連敗中のニンスタで勝ち切ることができれば、5連勝の勢いを再び取り戻し、いよいよ昇格争いに名乗りを上げることができるはず。こうした両者の状況を考えれば、愛媛にとっても東京Vにとっても、まずは前半45分のスコアが残りの45分を優位に進めるためのポイントになるだろう。
■この試合注目のCOOL BALLER:赤井秀一(愛媛)
以上
2011.07.23 Reported by 近藤義博













