スカパー!生中継 Ch181 後06:20〜
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適材適所――
今節対戦する両チームには、その言葉が相応しい。F東京はパスワークで相手を崩すサッカーを標榜し、熊本は前線の高さを生かすサッカーを徹底している。そして、そのサッカーに当てはまる人材を各ポジションに配置しているからだ。
熊本は、前線の高さを生かしたカウンターで局面を打開してくる。システムや、選手の配置を細かく変えることはあっても、その点においては一貫している。それは、高さにコンディションの波がないからだろう。前回の対戦では、長身のFW長沢駿を東京の左サイドに開かせて攻撃の起点をサイドに作ってきた。また、右サイドバックのDF市村篤司に高いポジションをキープさせるのも特長的だった。長身選手が競ったセカンドボールを拾うと、市村を起点にゴール前へとボールを上げてくる。それに合わせて、ゴール前にはしっかりと人数を揃えてきていた。決して複雑な攻撃ではないが、シンプルだからこそ、チームの強みが強調されていた。守備から攻撃に切り替わった瞬間のスピードと、ゴール前の迫力は、今季対戦したどのチームよりも高い印象がある。おそらくボール支配率では、F東京が圧倒できるだろう。だが、それがゲームの結果にそのまま反映されるとは限らない。熊本のワンチャンスをゴールに変える力は90分間、決して侮れない。
「前線の選手は、開きながら動いて中に折り返してくる。そこにセンターバックが付いていった場合は、空けたポジションをしっかりとサイドバックがカバーしなければいけない」(F東京DF中村北斗)
ロングボールによってできる一時的なマークのズレや、スペースをしっかりと埋めることにも気を配らなければいけない。また、前線からのプレスや、中盤の選手のプレスバックによってセカンドボールを相手に譲らない工夫も必要だろう。「まずは簡単に(ロングボールを)蹴らせないことも大切だし、カバーのポジションは重要になる。できれば、前で引っ掛けてマイボールの時間を増やしたい」(F東京MF羽生直剛)
そして、F東京はパスワークがどこまで機能的に働くかが勝敗を分けることになる。熊本とは、6週間ぶりの再戦となる。リーグ第13節湘南戦から取り組むパスを繋ぐスタイルをどこまで洗練できたかを確かめるには格好の相手だ。新に加わったFWルーカスや、MF大竹洋平といったよりパススタイルの色を濃くすることができる選手たちの起用法も重要となる。守備的な志向を崩さない熊本相手には、時にはそういったリスクを冒すことも必要になるだろう。
異なるスタイルを打ち出しているからこそ、こうしたマッチアップには面白さがある。どちらのチームがより自分たちの色を表現できたのか。勝敗を決する要素の大部分を占めるのはまさにそこしかない。試合は、明日18時半、国立霞ヶ丘競技場でキックオフする。
■この試合注目のCOOL BALLER:長沢駿(熊本)
以上
2011.07.23 Reported by 馬場康平













