7月23日(土) 2011 J1リーグ戦 第6節
浦和 2 - 0 甲府 (18:04/埼玉/31,369人)
得点者:53' 平川忠亮(浦和)、73' 柏木陽介(浦和)
スカパー!再放送 Ch181 7/24(日)深01:30〜
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「自分を含めて誰1人諦めなかったから今日の勝利につながったと思う」(エスクデロ セルヒオ)
浦和は開始12分に退場者を出し、ほぼ1試合を10人で戦わなければいけないという絶望的な状況に追い込まれたが、戦意を失った者は皆無だった。苦しい中でも粘り強く守り、相手よりも走ってチャンスも作った。特に後半は1人少ないという事実を忘れてしまうくらい全員が奮闘し、それが勝利という結果につながった。
試合の立ち上がりは潰し合いに近い展開になった。浦和は元々マンツーマンの意識の強いチームだが、甲府も前節のG大阪戦のようにゾーンで守るというより人を捕まえようとする傾向が強かった。そのため、試合は膠着気味になっていたが、前半12分に浦和のGK加藤順大が一発レッドで退場となったことで流れは一変した。
甲府がボールを支配し、主導権を握る。1人少ない浦和は守勢に回った。ただ、防戦を強いられながらも、浦和の選手は落ち着いていた。「前半に退場者が出て苦しかったけど、みんなで意思統一して前半は0−0でいこうと話をした」と原口元気は明かす。全員が何をすべきかを理解し、一致団結して戦うことで前半を無失点で終えることができた。
守備が完璧に機能していたわけではない。裏に飛び出す選手をケアし切れず、タイミング良くボールが出ていれば決定機になっていたシーンは何度かあった。運にも助けられた。28分と45分、パウリーニョのシュートがバーに嫌われなければ、全く違った試合になっていただろう。
しかし、現実として点は取られなかった。そして、それが後半の反攻を呼び込んだ。53分、オーバーラップした平川忠亮が柏木陽介とのワンツーでゴール前に抜け出すと、甲府の山本英臣が一瞬先にボールに触ったが、平川の足にカウンターのような形で当たってそのままゴールマウスに吸い込まれた。
「あの得点はラッキー」と高橋峻希が語ったように、確かにツキはあった。だが、得点に至るプロセスには平川の明確な狙いがあった。「スペースが空いていたのがわかっていた」。
ゴール前のスペースに飛び出すことで先制点を呼び込んだ平川だったが、実はその直前のシーンでも似たような動きを見せていた。その時はボールが出てこなかったのでチャンスにならなかったが、攻撃を作り直す際に後方に戻り、もう1度裏に飛び出すことで今度はゴールに結びつけた。甲府のセンターバックは人を捕まえにいく意識が強すぎて、前に飛び出ては度々ラインに穴を空け、その際に周囲の絞りも甘かったのでギャップができたままになる場面が何度かあったが、そのスペースを平川は見逃さなかったのだ。
この1点で風向きが変わった。数的優位でリードを許した甲府は同点に追いつこうと攻勢を強めようとするが、この試合ではそれが逆効果になったように見えた。点を取りたいあまり、前に人が張り付きすぎてしまい、片桐淳至が「もっとボール回しが上手くならないと駄目。ショートパスからの展開がなくなって足元のパスばかり」と肩を落としたように、足が止まっている味方にボールを入れては失うということを繰り返す結果に。前半に見られた裏を狙う動きが格段に減ってしまった。
対照的に浦和は、甲府の選手がいなくなってできた広大なスペースを利用し、速攻からアタッキングサードまでボールを簡単に運べるようになると、数的不利にもかかわらず、ゴール前で3対3などの好機を作れるようになった。そして73分、高崎寛之の落としから原口がタメを作って横パス、それを柏木が左足で巻くようにダイレクトで蹴ると、ボールはGK荻晃太の手の届かない軌道を通り、ゴールネットに飛び込んでいった。「前半からGKが前に出ているのがわかっていたのでシュートを狙った」というクレバーな判断、そしてイメージを具現化できる左足の技術が融合したファインゴールで勝負を決めた。
17日、浦和の初代監督を務め、GMとしてもチームを支えた森孝慈氏が他界。この日は故人が旅立たれてから初めて迎えるホームゲームだった。「天国の森さんも笑顔でスタジアムを見下ろしてくれていると思う」と山岸範宏。偉大な先人を弔うためにも絶対に負けられなかった一戦で、選手たちは数的不利という逆境にも負けずに一丸となって白星をつかみ取った。
■この試合のHOT BALLER:柏木陽介(浦和)
以上
2011.07.24 Reported by 神谷正明
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