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【J1:第6節 名古屋 vs 広島】レポート:勝利を引き寄せた必殺のセットプレー。名古屋が広島相手に見事な逆転勝利を収め、4連勝をマークし無敗記録を12試合に伸ばした。(11.07.24)

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7月23日(土) 2011 J1リーグ戦 第6節
名古屋 3 - 2 広島 (19:03/瑞穂陸/11,904人)
得点者:6' 李忠成(広島)、15' 田中マルクス闘莉王(名古屋)、67' オウンゴ−ル(名古屋)、80' 増川隆洋(名古屋)、86' 青山敏弘(広島)
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「名古屋相手に失点ゼロは難しい。なぜならセットプレーがあるので」
広島のエース、佐藤寿人が率直に語る。相手チームにとってこれほどまでの脅威となっている名古屋の必殺の武器が、この日も火を吹いた。前半早々にビハインドを背負う展開をものともせず、3得点を挙げての逆転勝利。うち2得点をセットプレーから決め、無敗記録と連勝をまたひとつ伸ばした。

両チーム合わせて5得点が生まれた酷暑のナイトゲームは、両監督が言う通り観客にとってはエキサイティングな試合だったに違いない。その展開は、名古屋のミスから生まれた。試合前、西日が強く照りつけたスタジアムは気温も湿度も高く、選手にとっては非常に厳しいコンディションとなっていた。そのためか試合はキックオフから緩やかな立ち上がりを見せたが、名古屋がそのペースに乗りすぎた。縦に速い展開を狙う広島のパスの出所へのプレッシャーが緩く、その上攻撃に出た後の中盤の戻りが遅い。必然的にDFラインとMFの間には広大なスペースが生まれ、そこを広島自慢の攻撃陣に突かれた。6分、3バックの左ストッパー・盛田剛平の一本のフィードから李忠成がワントラップで抜け出すと、ほぼフリーの状態で冷静にゴール右隅へ流し込む。あまりにやすやすと許した先制点には、ストイコビッチ監督がスタンドに響くほどにベンチを叩いて怒りを露わにするほど。だが、ここからが11戦無敗中の昨季王者の真骨頂だった。

失点後、名古屋はすぐさま田中マルクス闘莉王が激しく檄を飛ばしてチームを引き締めると、自らリスクを背負って前線へと進出し、攻撃陣に反撃の勢いをつける。失点直後のプレーで玉田圭司が決定機を迎えると、その後も次々と広島のペナルティエリアに侵入し、「前半からパワープレーのようにリスクを負ってきた」(広島・森脇良太)という迫力ある攻撃を連発した。するとわずか9分後に、リスクを負った背番号4が自ら結果を出す。右サイドからの展開の中、中村直志のクロスを中央で玉田と縦のワンツー。玉田の返しをダイレクトでゴール右隅に流し込み、リーグ17試合目にして今季初ゴールをゲット。闘莉王本人も「長かった」と語ったゴールで、まずは試合を振り出しに戻した。

前半はその後、勝ち越しを狙って前がかる名古屋と、その裏を突いてカウンターを仕掛ける広島という構図で進み、名古屋が計11本、広島が7本のシュートを放つも追加点は生まれず。折り返した後半も同様の展開となったが、ゲームの支配力としては名古屋が上回った。開始早々の47分の玉田の決定機を皮切りに、流れの中ではケネディが、セットプレーでは闘莉王と増川隆洋、ダニルソンが空中戦で存在感を発揮し、時間を追うごとに情勢は名古屋に傾いていった。

名古屋に待望の勝ち越し点、そして決勝点が生まれたのはそれぞれ67分と80分のこと。これがともにセットプレーから生まれた。2点目はコーナーキックからニアサイドに送られた鋭いボールが広島DFに当たりオウンゴール。3点目はペナルティエリア近くのFKを藤本淳吾がふわりとゴール前に送り、増川が豪快に頭で叩き込んだ。長身選手を多く擁する名古屋のセットプレーはJ全チームが警戒する明確なストロングポイントだが、冒頭の佐藤の言葉にあるように、わかっていても止められないのが高さという絶対値である。増川のゴールはJリーグ史上5チーム目の達成となる、リーグ通算1000ゴール目というメモリアルな得点でもあった。

広島も86分に青山敏弘のミドルシュートで1点を返したが、名古屋は千代反田充を投入し、3バックで守備を固めてリードを守り抜き、試合を終わらせた。この展開は名古屋にとって勝利の方程式ともいえるもの。セットプレーの信頼度と合わせ、今後の夏の戦いではさらに威力を発揮しそうな“型”である。これで名古屋は12戦無敗、ここ4戦で4連勝と好調をキープ。「HOT6」での順位もリーグ首位の横浜FMを抑えて1位に躍り出た。ケネディの言う「勝利の道」をまた一歩前進した王者は、昨年も夏に首位となり独走した。指揮官も手応えを感じているようで、昨季のチームとの違いを聞かれると「ほとんど同じです。ということはトップになるということです」と自信の発言。クラブの無敗記録13に並ばんとする現状に、満足げなようすだった。

とにかく結果に対して抜群の安定感を見せる名古屋はどこまで無敗と連勝記録を伸ばすのか。監督と選手は記録に興味を示さないが、それ故に記録は伸びてきた。一戦必勝をモットーとするチームは、浮かれることなく次節へ気持ちを切り替える。王者の快進撃は、まだまだ途切れることはなさそうだ。

■この試合のHOT BALLER:田中マルクス闘莉王(名古屋)

以上

2011.07.24 Reported by 今井雄一朗
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