7月23日(土) 2011 J2リーグ戦 第22節
千葉 2 - 0 札幌 (19:03/フクアリ/10,989人)
得点者:45'+1 村井慎二(千葉)、59' 竹内彬(千葉)
スカパー!再放送 Ch183 7/25(月)後09:30〜
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千葉に勝利を引き寄せたのは、MF村井慎二の先制ゴールだった。千葉は札幌に昨季のJ2リーグ戦で2敗しただけでなく、ホームスタジアムのフクダ電子アリーナでの対札幌戦はJリーグ公式戦で1分2敗、2006年の第86回天皇杯4回戦で敗戦と、まったく勝てていなかった。それどころか、フクアリでの対札幌戦では1点も取れていなかったのだ。
今節の千葉は敗戦した前節の反省点を修正し、しっかりとした組織守備で札幌が縦に入れるパスをカットした。そして、FWオーロイへロングボールを入れてセカンドボールを拾う攻撃もしつつ、ディフェンスラインからのビルドアップでもパスを回して攻めた。千葉のディフェンスラインでのパス回しには、FW内村圭宏をはじめとする札幌の攻撃陣がプレッシャーをかけたが、千葉の選手が慌ててミスを犯すことはなかった。札幌のプレスが全体的にそれほど厳しくなく、またセカンドボールを拾えていたことから、千葉は圧倒的にボールを保持し、ピッチの横幅いっぱいにボールを動かして攻めたてた。だが、シュートの精度を欠き、札幌のGK李昊乗の好守にも阻まれて、先制点がなかなか奪えない。
こうなると、得点機を作りながらも決めきれず『1失点』に泣いた昨季のJ2リーグ戦第33節の敗戦が頭をよぎるが、それを払拭したのが村井の一撃だった。今季のJ2リーグ戦第20節では熊本が数的不利な状況下できっちりと作った守備ブロックを、前節では2−0とリードした湘南がペナルティエリアに人数をかけた守備網を破れなかった千葉は、相手の選手をゴール前から引きはがすミドルシュートが少なかった。だが、MFファン ゲッセルの警告累積による出場停止、MF伊藤大介の負傷欠場によって、不慣れなボランチで出場チャンスを得た村井は16分にミドルシュート。そして、45+1分、村井の二度目のミドルシュートのこぼれ球を拾ったオーロイがパスしたが、これを札幌のDF山下達也がクリア。このボールを拾った村井の三度目のミドルシュートが先制ゴールになった。
フクアリでの札幌戦でゴールが奪えないという『呪縛』を断ち切った千葉は、後半も札幌を圧倒した。そして59分にはDFマーク ミリガンのロングスローからDF竹内彬が追加点をゲット。すると札幌の石崎信弘監督は、56分に交代出場させたDF岡山一成をセンターバックにして、センターバックでプレーしていたDF河合竜二をボランチに上げ、状況の打開を図った。しかし、前半からのセカンドボールの奪取で後手にまわる展開、マイボールになってもイージーミスや千葉の守備でパスがつながらない攻撃は改善できなかった。
第16節以来7試合ぶりの敗戦となった札幌は、しっかりとした守備からパスをつなぐ攻撃という持ち味をミスで発揮できなかったのが悔やまれる。千葉が得点できない時間が長ければ長いほど千葉の焦りを誘えたはずで、前半終了間際の失点の影響が大きかった。それでも前節まで6試合負けなしの戦いで積み上げてきたものはある。今はまずミスを減らすことが重要だ。
千葉はシュート26本で2得点はさびしく、欲を言えば相手に止めを刺す『3点目』が欲しかった。だが、ミスで失点した第19節富山戦の反省を生かし、2−0にしてからは無理をせず、無失点できっちりと試合を終わらせたといえる。この無失点は、球際の強さも見せた村井のボール奪取、前節はミスで失点を招いたGK岡本昌弘の雪辱を果たすファインセーブをはじめ、チーム一丸となった守備によるものだ。今節で見せた攻守の細部の精度を高め、コンスタントに発揮していくことが千葉の『J1昇格』につながる。
■この試合のCOOL BALLER:村井慎二(千葉)
以上
2011.07.24 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第22節 千葉 vs 札幌】レポート:今季初スタメンの村井の攻守にわたる活躍で、千葉がフクアリでの対札幌戦初勝利。攻守両面でミスが出た札幌は持ち味を発揮できず。(11.07.24)













