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8月7日の万博記念競技場。試合前のウォーミングアップが始まると、浅野哲也新監督が、アウェイ側ゴール裏に陣取るサポーターの前に姿を現した。メガフォンを片手にサポーターへ伝えた思いは、J1残留という目標を達成するために、ともに全力を尽くして戦おうということ。誓った言葉は「全部勝つつもりでやる」というものだった。そして、シーズン途中でチームを率いることにあたり、次のように話す。
「監督が代わったからと言って劇的に何かが変わるわけではない。それでも、前を向いてやっていくだけ。目の前のゲームを勝ち取るために選手たちと取り組んでいきたい」
新指揮官がこだわるのは「勝点を取れるサッカー」。多くのことに手をつける時間が残されていない中で、改めて守備の整備に力を注ぐ。雁の巣球技場では、2枚のブロックを作り、ややリトリートした形で相手を待ち受けてボールを奪い返すトレーニングが繰り返されている。また、これまでと違った組み合わせで行われる紅白戦では、全員を横一戦に置くことでチームを活性化しようという意図が伝わってくる。
しかし、それらは、これまでのチームのやり方を変えることを意味しない。高い位置でプレッシャーをかけ、奪ったボールを手数をかけずにゴール前へ運ぶというチームコンセプトを活かしたまま、90分間の中で、どうやってゲームをコントロールするかという観点から加えられるものだ。狙いはあくまでも、いい攻撃を仕掛けるために、いかにいい守備をするかというところにある。
紅白戦の主力組のメンバーに変化を与えているのも同じ理由だ。その目的はメンバーを代えることにあるのではなく、現有戦力をフル活用して勝点を取りに行くことにある。そして選手たちも、指揮官の意図を汲み取ってトレーニングを重ねる日々が続いている。浅野監督は、ピッチのあちこちで互いに意見を交換し合う姿が増えてきた様子を眺めながら「選手たちから、高いモチベーションや危機感を感じる。やってやろうという雰囲気になっている」と話す。そして第21節、福岡はレベルファイブスタジアムに川崎Fを迎える。
対戦相手の川崎Fの最大の武器は攻撃力。その力をいかんなく発揮し、初タイトル獲得に向けて順調に勝点を積み重ねてきた。しかし、7月以降は2勝5敗(現在3連敗)と失速。6月末時点では首位の柏に勝点4差の3位という好位置につけていたが、現在は首位と勝点差11の6位に甘んじている。特に直近の3試合で得点1という結果が示すように、チームのストロングポイントである攻撃力を発揮できないでいる。その最大の要因は続出している怪我人。稲本潤一、中村憲剛、矢島卓郎、柴崎晃誠ら、中心選手が戦線離脱したことが大きく響いた。さらに前節のC大阪戦では、それまで先発フル出場を続けていた小宮山尊信が怪我のために欠場。中村、柴崎の2人は先発復帰を果たしたが、万全とは言える状況にはない。今チームに問われているのは総合力。苦しい時期をどのように乗り切るかがタイトル獲得の鍵を握っている。
しかしながら、福岡にとって、川崎Fの攻撃力が脅威であることに変わりはない。前回対戦時は2−3の惜敗だったが、川崎Fの高速カウンターに対応することができず、何度もピンチに見舞われた。浅野監督も「怪我人が出ているためメンバーが変わっているが、カウンターは非常に鋭いものがある」と話し、警戒心を緩めない。また、川崎Fにしてみれば、福岡との対戦は、悪い流れを断ち切り、タイトル獲得に向けてリスタートを切るきっかけにしたい試合。アウェイゲームとは言え、高いモチベーションを持って勝利を狙いに来るのは間違いない。
福岡に求められているのは、川崎Fの縦に速い攻撃をいかに抑えるかということ。点の取り合いになっては福岡が勝点を手に入れるのは難しい。その反面、川崎Fは無失点試合が4試合しかなく、無失点の時間を長くすればするほど、福岡がつけ入る隙が生まれる。「とにかく全力で臨む。次はホームゲーム。相手には力があり、我々が主導権を握る時間がどれだけあるか分からないが、こちらから仕掛けていきたい。守備に関しても、ブロックを作る中でボールを奪いに行くことをしたい。得点を取るために最初から行く」と浅野監督は話すが、ただ守りに徹するのではなく、「いい攻撃を生むための、いい守備」を実践することで勝利の2文字が見えてくる。
簡単な試合ではない。そして福岡は負けられない状況にいる。しかし、何物も恐れず、正々堂々と勝負を仕掛け、自分たちのプライドにかけて戦うだけ。それが、チームと、チームに関わる全ての人たちの思いだ。
以上
2011.08.13 Reported by 中倉一志















