8月21日(日) 2011 J2リーグ戦 第25節
札幌 2 - 1 京都 (13:03/函館/6,310人)
得点者:13' 中山博貴(京都)、47' ジオゴ(札幌)、67' 近藤祐介(札幌)
スカパー!再放送 Ch185 8/22(月)後11:00〜
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試合の立ち上がりは拮抗した展開となった。アウェイの京都が、水曜日の千葉戦で大活躍した札幌のFWジエゴを警戒し、守備的MFチョン・ウヨンも最終ラインのフォローに回らせるなど、守備的なスタイルでスタート。対する札幌は守備的MFの芳賀博信と宮澤裕樹をそれぞれ怪我と出場停止で欠いたため、今シーズンは主にセンターバックの河合竜二をその位置で起用し、ルーキーの櫛引一紀をセンターバックの位置で先発出場させるなど、守備のポジション構成が普段とは違っていた。加えて、中3日というスケジュールもあって、ホームの札幌も立ち上がりは慎重に試合に入ったのだ。
「京都は前の3人と中盤の選手の能力が高いことはわかっていて、まずはそこをどう抑えるかを考えた」と札幌の石崎監督。京都は3−4−3のシステムで、3トップには伊藤優汰、久保裕也、宮吉拓実という十代の選手が並び、フレッシュに動き回る。そして彼らを、後方に位置する中山博貴、安藤淳というパス能力のある2人がコントロールするやり方だ。
前半の京都は、左サイドからチャンスを作る狙いだった。中盤のインサイドでボールを動かしながら前線中央の久保をおとりにして相手選手を引きつける。そうしておいてから左サイドへと展開し、このポジションに張る宮吉がサイドからラストパスを蹴る。札幌の守備陣は普段とは違う組み合わせということもあってか、例えば守備的MFの2人が同時にボールに寄せてしまったり、あるいはその逆だったり。役割が曖昧な場面が多く、中山のパスワークに揺さぶられてしまった。
8分には久保からのボールを宮吉が内側へはたき、安藤がシュート。13分には宮吉が蹴ったクロスに伊藤が頭で合わせ、GKがはじいたところを中山が豪快に蹴りこんで先制点を挙げた。続けて20分にも宮吉のクロスに久保が飛び込んでヘッドで狙ったが、これはバーに嫌われた。京都の戦術、そして戦略は十分に機能していたと言っていい。
こうした一連の流れを受けて、石崎監督が動く。左MFの近藤祐介を前線のジオゴの近くに置き、守備的MFの岩沼俊介に左サイドと中盤の底の両方を見させる。中盤をダイヤモンドにした4−4−2に近い形だが、岩沼は左サイドでも守備的MFでもプレーできる選手であるため、局面に応じて都合のいいポジションを取ることができる。「バイタルエリアに入ってきた選手を竜二さん(河合)が見る形になったので、役割がハッキリして守りやすくなった」と岩沼。また攻撃面でも、それまではジオゴが相手の厳しいマークによりなかなかボールをコントロールできていなかったが、近藤が近くに移ってきたことでジオゴの負担も軽くなり、攻撃が機能するようになってきたのだ。
京都の大木武監督はこの札幌のシフトチェンジによる影響を「まったくない」と振り返ったが、「キレイにハマった」という石崎監督の言葉通り、この采配が試合に動きを与えたことは間違いない。後半開始直後の47分に高い位置でうまくボールが動き、ジオゴが見事なミドルで同点弾を決めると、67分には高い位置にポジションを移した近藤がカウンターから冷静にシュートを流し込んで逆転に成功した。
「最後の20分間はキツかった」という河合の言葉通り、水曜日に未消化だった千葉戦を戦った札幌は終盤に足が止まり、京都の猛攻にさらされた。ドゥトラの独特のリズムのドリブルにも疲労を増幅させられた。しかし、最後は中盤の選手もDFラインのフォローに回るなどし、チーム一丸となってのディフェンスを披露。「かなり苦しかったけど、攻撃の選手も頑張ってくれたので何とか耐えられた」(山下達也)という粘りの守備で、札幌は追いすがる京都を振り切り、勝点3を獲得した。
「以前だったら、先制点を取られたらそのままズルズルいって負けていた」と岩沼が言えば、「先制点を取られて落ち込むということは、今のチームにはない」と砂川誠。粘り強さを身に着けた札幌が、この勝利で4連勝を達成。ここからさらに、上位が見えてくるかもしれない。
一方、京都はチャンスを作りながらも決めきれず、逆転負けを喫してしまった。しかし、「先制点も取れたし、攻撃の形も作れていた。次につながる部分はあった」と最後方から見ていた水谷雄一が口にする。そして「気持ちを切り替えて次の試合に挑みたい」とも続けた。
そう、シーズンはまだまだ中盤戦。「まだ順位は気にしていない。ひとつひとつ、目の前の試合を戦っていくだけ」と河合が語ったように、どの順位であろうとも、足下をしっかり見ていくことが重要である。最終順位は、最終戦が終われば黙っていても決まるわけで、まずは目の前の試合に全力を注いでいくことが大事なことであり、その継続こそが、順位へと反映されるのだろう。
シーズンはまだまだ、続いていく。
以上
2011.08.22 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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