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【J2:第25節 栃木 vs F東京】レポート:コンセプト通りの試合運びで、“J2のジャイアント”F東京を打倒。栃木はクラブ史上最高のジャイアントキリングで、首位に勝点差1に肉薄する勝利を飾る。(11.08.22)

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8月21日(日) 2011 J2リーグ戦 第25節
栃木 2 - 1 F東京 (18:03/栃木グ/9,953人)
得点者:11' サビア(栃木)、79' 水沼宏太(栃木)、90'+5 鈴木達也(F東京)
スカパー!再放送 Ch181 8/22(月)後10:00〜
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ワンプレー、ワンプレーに怒号と歓声が交錯する。古代ローマのコロシアムのような雰囲気の中、白熱のバトルを制したのは栃木だった。

かつてない脅威、首位・F東京をグリスタで打倒。凱歌はもちろん、「県民の歌」。黄色く膨れ上がったゴール裏サポーターと選手は試合中と同様、一枚岩となり、心地良い疲労を伴いながら、見事なハーモニーを奏で、クラブ史上最高のジャイアントキリングの味を存分に味わい尽くした。
「F東京は非常に力のあるチーム。個の力で負けても団結力や組織力で戦えたことを誇りに思う。サッカーの試合には、こういう一面があるということを分かってもらえると、凄くありがたい」
自分達のサッカーを90分間貫き通し、プラン通りの展開で勝ち切ったことに、松田浩監督は充実感を漂わせた。昇格争いを繰り広げながら、なかなかホームで勝ち切れなかった栃木。これまでのもやもやした思いは、“J2のジャイアント”を躓かせたことで吹き飛んだ。首位に肉薄する、会心の勝利だった。

「脅しのようなもの」
松田監督はF東京のボール回しを、そう表現した。脅しに屈した前節の草津や前々節の岐阜は、善戦しながらも敗れ去った。J2で異次元のサッカーを披露する相手の餌食にならないためには、的確なタイミングで、一気にボールを取り切ってしまえばいい。そのキーマンに松田監督が挙げたのが、「ボールを取り切ることが自分の一番の特長」と話すパウリーニョだ。開始11分にサビアが突き刺した先制弾は、パウリーニョのインターセプトが起点。高橋秀人の横パスをかっさらい、持ち前の馬力でゴール前に突進し、サビアに繋いだ。

ゴールまでの一連の流れが、相手に及ぼした影響は小さくなかった。ミスを犯してしまった高橋は言う。
「前のめりになった時にボールが奪えると、相手には自信になったと思う」
巨大戦力が相手でもボールを奪える。その心理的効果を、松田監督は戦前から狙っていた。
「パウリーニョだけではなく、いい場面でボールを取ることが出来ていた。予想通りの展開になっていた」
要所、要所でボールを取れたことで、普段とは異なる感覚を相手に抱かせることができた。また、ピッチコンディションも味方し、ミスを誘発させることもできた。

しかし、それでもF東京は怯まない。陣形をコンパクトに保ち、守備ブロックを固めた栃木に対し、簡単に門を開けてボールを通した。高い連動性を活かしたパス回しでゴール前に迫り、それを栃木が跳ね返すシーンが何度も繰り返される。前半の終盤と後半の序盤にはパワーを注ぎ、外からも内からも攻め入った。ただ、「後ろから見ていても守備のバランスは取れていたし、カバーリングもしっかりしていた」と、好守連発のGK武田博行が言うように、大久保裕樹を中心とした栃木の守備陣の集中力は保たれた。我慢に我慢を重ねたからこそ、79分に水沼宏太の追加点が生まれた。コンセプト通りの試合運びを続ける栃木は、アディショナルタイムに1点を返されるも2‐1で勝利し、昇格圏内の3位に浮上した。

終始、ボールを握り、22本のシュートを浴びせながらも苦杯を舐めたF東京。圧倒しながらも勝てない、J2の洗礼を受けた格好となった。やはり、破壊力抜群の攻撃陣を擁するF東京でさえ、先行される展開は苦しいし、避けなければいけない。大熊清監督は試合後、後追いが自らの首を絞めたと語っている。栃木とは1節挟んで再戦する。「次は絶対に負けられない。次はやってやる」。誰もが高橋と同じ思いを抱き、並々ならぬ闘志で、リベンジを狙っているはずだ。アウェイで富山に勝利し、栃木戦に備えたい。

強いチームが必ずしも勝つとは限らない。サッカー特有と言ってしまっても過言ではない醍醐味を、栃木は身を持って証明した。ヒザの負傷から復帰し、その初戦で勝利に貢献した小野寺達也は、「F東京はひとり1人が上手かったけど、皆で戦えたことが勝利に繋がった」と話す。組織力、団結力、そして昇格への野心が導いた勝利。愛媛、F東京、札幌と気の抜けない相手がアウェイで待ち構えるが、3つの要素が過不足なく揃えば、勝点を積み重ねられるはずだ。上位をキープしたままグリスタに戻り、9月18日の富山戦を迎えたい。

以上

2011.08.22 Reported by 大塚秀毅
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