8月31日（水） 2011 J2リーグ戦 第4節
草津 2 - 0 徳島　（19:04／正田スタ／1,266人）
得点者：29' 小林竜樹（草津）、61' アレックス（草津）
スカパー！再放送 Ch183 9/1（木）後04:00〜
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そこに上位と中位の差は存在しなかった。中３日の草津に対して徳島は中２日。１日のハンデはあったもののそれを抜きにしても草津がトータルで上回っていた。徳島の選手の一人は「今日の草津は勝点３に値するプレーをしていた」とその戦いぶりを評価した。降りしきる雨の中のゲームを制した草津は、上位徳島との勝点差を９に詰め、暫定ながら１ケタ順位９位へと浮上。草津は最高の結果を得て約２週間の中休みへとピットインした。
　
草津はボランチをはじめＤＦメンバーを変更して徳島を迎えた。左ＳＢには永田拓也が９試合ぶりに先発、そしてボランチには開幕戦以来約半年ぶりに戸田和幸が配置された。一方の徳島は、津田知宏を１トップに配置しその後ろに衛藤裕が陣取る４−２−３−１の変則システムでスタート。立ち上がりは互いがきっちりとビルドアップ、慎重にボールを動かしながら守備網の隙を探っていく。

徳島の守備網が崩れたのは29分のサイドチェンジだった。左でゲームを作っていた熊林親吾が右サイドへ大きく展開、右ＳＢ古林将太へと託す。古林は右サイドをえぐるとバイタルへ走り込む小林竜樹へマイナス気味のクロス。タイミングを合わせて右足でのシュートが一般的なアクションだが、小林はそれに変化を加えた。右足を見送り逆足のポジションへ持ち込むと狙いすまして左足を振り抜く。勝利への思いを込めて放たれたショットはポストを叩いてゴールへと転がり込んだ。

「相手ＤＦが詰めてきていたので右足で打ったらゴールまで届かなかったと思う。咄嗟の判断で左に切り替えたことで相手のマークが外れて、シュートコースも開けた。ゴールが決まったあとは自然とバックスタンドのサポーターの方へ走っていた」。今夏、緊急補強で２年ぶりに草津へ戻ってきた身長162センチのリトルドラゴンは今季初ゴールをサポーターへ届けてみせた。

後半、２トップへ戻した徳島に対して、草津はキレ味鋭いカウンターを次々に浴びせていく。そして迎えた61分、熊林がカウンターからバイタルエリアまでボールを運びリンコンへ決定的なラストパス。リンコンのシュートはＧＫに阻まれたがこぼれ球をアレックスが詰めて追加点。草津はその後もリンコンが再三に渡りチャンスを迎えるが、ことごとくゴールに嫌われてしまう。リンコンの初ゴールはお預けとなったが、終盤はチーム一丸となった守備で徳島の猛攻をブロック。２対０でゲームを締めくくった。

徳島は前後半あわせて草津と同数の17本のシュートを放ちながらも草津の守備に阻まれて攻撃陣が沈黙。前半の１トップのシステムがハマらずに草津に先制を許してしまったことが最後まで響き、痛恨の２連敗となった。斉藤大介は「苦しいゲームでいかに勝点を拾っていくかが昇格のカギとなる。まだ１５試合あるので下を向かずに戦っていく」と巻き返しを誓った。徳島は中断期間でチームを立て直してシーズン終盤へ向っていく。

最近５試合、勝って負けてを繰り返している草津。ゲームによっての波が大きいため強いのか弱いのか分からないが過去７試合では４勝１分２敗と悪くない結果を残している。御厨貴文は「勝ったあとの試合が大切。いつもそのあとの負け方が悪くチームが波に乗れないので、今後は負けない戦いも必要。引き分けでつないで白星を積み重ねれば上との差は縮まっていく」と昇格争い参入を狙う。今季の草津は、千葉、Ｆ東京、徳島、鳥栖など上位陣を撃破するなどチーム力は培われている。ミッドウィーク開催での勝利で、草津は他クラブより多く休息を入れることができる。このメリットを活かしてシーズン終盤へのチューンナップに取り掛かりたい。

最後になるが、草津はエメラルドブルーとブラックの草津温泉バージョンの記念ユニフォームでホームゲーム２連勝を果たした。８月の草津温泉感謝祭に合わせての特別バージョンのため９月からは通常のユニフォームに戻るというが、この強運を２試合で手放してしまうのは惜しい。可能であれば、なぜか強そうにみえる限定ユニフォームでシーズン終盤を戦ってほしいところだ。

以上

2011.09.01 Reported by 伊藤寿学