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【J2日記】熊本:声の話(11.09.09)

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練習中に選手を集めて伝えられる高木監督の考えや思いも、声を通じてのもの。ゲーム中にイメージの共有をはかるにも、しっかりと声を出すことが不可欠

トレーニングを見ていて、チームの状況や雰囲気を測る要素はいろいろありますが、その中でも選手や監督、コーチの口から発せられる「声」は、取材をする我々にとって大きな役割を持つファクターの1つ。具体的な指示内容に耳を傾ければ、次の対戦に向けてどういう部分をクローズアップしているのか探ることができますし、練習中にあちこちから選手たちの声が聞こえていれば、「チーム状態は悪くないな」と希望が持てたり、逆に静かな中で進んでいると「ちょっと良くないのかな」などと推測できたりします。

というわけで、今回は声について少し。9日の練習では、選手たちそれぞれからも積極的に声が出ており、前節の湘南戦でアディショナルタイムに追いついたことで、それまでの悪い流れを何とか断ち切り、次に向けて気持ちが高まっている様子が伺えました。そんな中、紅白戦でパスの受け渡しが合わない場面でのこと。高木琢也監督がプレーを止め、その局面に絡んだ選手に問います。「今どうしたかったの?だったら何でそれを言わないんだ?言って伝えないと分からないだろ」

アイコンタクトだけで意思疎通ができるのならまだしも、やはりサッカーにおいて選手同士のコミュニケーションは不可欠。新加入選手が短い時間でチームに馴染むためにも、またやろうとしているプレーを形にすべく、パスのコースや強弱、タイミング、あるいはイメージなどにズレやギャップがあれば、それを埋めていくためには、声を介して分かり合うしかありません。(もちろんこれは、サッカーに限らず全てのスポーツにおいても同様ですし、人と人が関わる全ての場面に言えること、ではありますが)

試合中にはスタンドの歓声もあってプレー中の声はなかなか聞き取れませんが、練習中に耳をすませて、どんなやり取りをしているのか聞いてみるのも一興。話している内容だけでなく、選手それぞれに特徴があることも分かります。

例えば南雄太選手の場合、高めのトーンで発声もクリア、かつよく響くとあって、最後尾からの指示には最適。厳しい指摘も飛びますが、後ろで見ているからこそ分かる影のナイスプレーには、しっかり声をかけてフォローしています。普段の話し声が比較的静かな吉井孝輔選手は、プレー中の声は高めで張りがあり、渇いた感じでよく聞こえますし、原田拓選手の声も同様で、なおかつ指示も具体的。エジミウソン選手の声も良く響いていて、「ポジション!ポジション!」とか「アブナイ!」とか、発言の内容もボランチならでは。また福王忠世選手は、普段の喋りの通り関西弁のイントネーションが特徴で、ゲーム中にも鋭いツッコミ風の声が聞けることがままあります。

例えば歌っている時としゃべっている時でシンガーの声が違って聞こえるように、選手も普段話している声とプレー中の声が違って聞こえるケースがあり、そのギャップを探してみるのも楽しいかもしれません。で、私が最もギャップを感じるのがDF筑城和人選手。練習後に話を聞く時にはとても落ち着いた口調も相まって柔らかい印象の声ですが、練習中は野太く迫力がある声が出ています。

指示、叱咤、賞賛、激励と、声が果たす役割は様々ですが、しっかりコミュニケーションをとってチームとしていっそう連携を深め、試合後に「喜びの声」を聴ける回数が増えていけばと思います。

以上

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2011.09.09 Reported by 井芹貴志
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