スカパー!生中継 Ch182 後06:50〜
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等々力で行われた今季開幕戦では、アグレッシブな守備で2年ぶりの開幕戦勝利を目論む山形を、相馬直樹新監督を迎えスタイルを一新した川崎Fが前半立て続けの2ゴールで打ち砕いた。スコアラーは矢島卓郎と登里享平。あの開幕戦以降、両者は明暗を分けた時期もあったが、現在はともに別の種類の苦しみを味わっている。
ホームの山形は5月以降17位に定着。過去2シーズンは残留圏をキープしながら残留に漕ぎつけてきたが、降格圏からの逆転残留をめざすのは初めてのケースとなる。残り9試合で、15位・大宮との勝点差は「8」。第21節から3試合連続で勝点を獲得し、試合に安定感と追い上げる際の攻撃で力強さが身についたが、前々節のみちのくダービーでは序盤の2失点が大きく響き、1-2で敗れた。そして迎えた前節の浦和戦では、逆に立ち上がりで山崎雅人のゴールが生まれ、この1点を最後まで守りきってようやく勝点20にのせる4試合ぶりの勝利を挙げた。今節は、今季初の連勝を懸けた5度目の挑戦にして、J1リーグ戦での対川崎F初勝利を懸けた試合であり、その結果はJ1への生き残りの可否に直結する。
今季先制した試合はこれで4戦全勝。柏戦では追いつかれて突き放す展開となったが、ほかの3試合は無失点に抑えている。先制した試合で安定感を発揮できる一方で、そもそもその先制点を奪えていないことが目下の課題となっている。浦和戦では事前のトレーニングで狙っていたとおりのパターンを発揮して7試合ぶりの先制を挙げたが、その後はセーフティに試合を運ぼうとする意識の強さもあり、ボールを保持する時間を長く維持できなかった。いつも立ち上がりに得点が転がり込む展開になるとは限らない。リードされてからではなく、0-0の状態から狙って得点が奪えるように、また先制したあとも相手の攻撃の時間を減らしつつ追加点を狙えるように、ポゼッションへのチャレンジは続けられる。
今節からの3試合は川崎F、C大阪、磐田で、いずれもヤマザキナビスコカップで連戦のクラブや、U-22日本代表に複数の主力を送り出しているクラブと対戦する。山形には追い風が吹いている。このアドバンテージを活かし、直近の3試合でどこまで残留圏との差を縮めることができるか。なかでも、今節の重要度は言うまでもない。
川崎Fは前節・神戸戦に敗れてクラブワーストの8連敗。ACL出場権内に顔を出していた頃の勢いはすっかり消えて12位まで一気に後退、得失点差もついにマイナスに突入した。神戸戦では中村憲剛の負傷で田坂祐介がボランチに入り、田中裕介が出場停止から復帰。また、ゴールキーパーは相澤貴志から杉山力裕にスイッチしたなか、中断明けのホームでの一戦で負の流れを断ち切る勝利をめざしたが、結果は0-3。序盤のチャンスを活かしきれずに39分に失点すると、後半もアグレッシブな守備とシンプルに裏を狙う神戸に2失点を喫した。それまでは先制したのちに逆転される試合を多く続けてきたが、この試合では一矢報いることもできず、相馬直樹監督も「今季一番悪いであろう試合をしてしまい、大変申し訳なく思っています」という表現で苦しい胸の内を明かした。
それだけに、水曜日に行われたヤマザキナビスコカップ・横浜FM戦では、この試合の勝利はもちろん、希望の兆しを幾ばくかでもリーグ戦に持ち帰りたかったところだが、結果は0-4とまたも無得点と大量失点での敗戦。これまで出場停止の2試合以外先発し続けてきたキャプテン井川祐輔をベンチに置き薗田淳、2トップの一角である矢島卓郎を小林悠に先発に起用した以外は神戸戦と同じスターティングメンバーで臨んだ。しかし高く設定したバックラインは横浜FM攻撃陣のスピードと技術に苦しい対応を迫られる。奪ったあとの攻撃でもビルドアップがぎこちなく、後半に何度か作った決定機以外は停滞した。神戸戦から改善するどころか、むしろ深みは増しているようにも見えるゲーム内容だった。ただし、試合後の相馬監督は「イニシアチブを取っても点が取れずやられてしまっている点については修正の余地は当然あるが、やり方自体は変える必要はないと思っています」とこれまでのスタイルを貫く決意を示している。とは言え、現在のチームのパフォーマンスはサポーターも直視するのが辛いレベルにまで落ち込んでいる。鉄の意志で、今シーズン掲げてきた高い理想とプレーを取り戻すことができるのか。中2日で3連戦、しかもアウェイの連戦となる日程的なハンディキャップは小さくないが、そのなかで公式戦10試合ぶりの勝点獲得に挑む。
危機的状況の川崎Fだが、山形には相手を慮っている余裕はない。残留を確保するまでは前進を続けなければならず、不調とは言え、勝点10差で前を行く川崎Fは倒すべき相手だ。ここまでの戦いから、神戸や横浜FMと同じハイプレッシャーの守備を山形が1試合とおして続けることはない。自陣に敷いたブロックのなかでボールを奪う守備が多くなるだろう。浦和戦では「ボールがないときのポシジョンからボールが移動中にアプローチのスピードが上がっている場面が随所に出てきているので、あれは大事にせんといけん。だからこそボールがいっぱい奪えているんです」(小林伸二監督)とアプローチのタイミングと迫力には自信を深めているだけに、守備をセットすればそれほど大きなピンチはないだろう。となると問題は、攻撃でボールを持ち運んだときのリスク管理ということになる。サイドを起点にしたクロスからのフィニッシュは山形がもっとも多用する攻撃パターンであり、川崎F攻略にも有効な手段だが、その途中で不意に奪われれば、前線に個の攻撃能力の高い選手をそろえる川崎Fの餌食になりかねない。ただし、それを怖がれば攻撃での押し上げは覚束ない。メンタル的な難しさを迫られるその状況は、そのまま川崎Fにもあてはまる。
山形ではこの試合から、「モンテディオ山形絆リボンプロジェクト2011」を展開。J1初年の残留にも大きな力となったブルーのリボンを媒介に、チームやクラブに関わるあらゆるパワーをJ1残留のために結集させる。それが大きければ大きいほど、チームのポテンシャルはより引き出されることになる。
以上
2011.09.16 Reported by 佐藤円















