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【J1:第26節 甲府 vs 福岡】レポート:降格圏の生き残り対決。ハーフナーの先制ゴールで流れを掴んだ甲府が福岡の猛追を凌いで残留争いの主役の座を射止めた。(11.09.18)

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9月17日(土) 2011 J1リーグ戦 第26節
甲府 2 - 1 福岡 (18:33/中銀スタ/9,100人)
得点者:4' ハーフナーマイク(甲府)、28' パウリーニョ(甲府)、47' 岡本英也(福岡)
スカパー!再放送 Ch185 9/19(月)後00:30〜
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ハーフナーマイクのゴールが決まったとき、山梨中銀スタジアムは優勝争いをしているチームにゴールが決まったかのように盛り上がった。みんな溜め込んでいた感情を爆発させた。立ち上がりから甲府が球際を厳しくし、主導権を取っていたことにも満足していたが、「ウァワー」ではなく「ヴァワー」と震えてから破裂するような喚声が山梨中銀スタジアムに戻ってきたことが嬉しかった。「マイクゴール、ララララララ〜」ってゴール裏で歌った人は物凄く気持ちよかったはず。ザッケローニ監督の視察でマイクのモチベーションもリミッターを超えていた。ホテルに戻ってスポルトを観るとマイクのゴールが決まったときに貴賓席のザッケローニ日本代表監督が映されていた。気になったのは、隣に座っていた甲府の海野一幸社長が立ち上がって後ろの関係者に何かを指示しているように見えたが、「(祝勝会の)寿司屋を予約しろ」とか言っていたのかもしれない。

ディフェンスラインのレギュラー3人を欠く甲府だったが、前半の球際の厳しさはこれまで無かった厳しさだった。昭和のオジサン4人組のディフェンスラインも前から守備をしてくれるからプレーの判断をしやすかったはず。4分のマイクのゴールで福岡が受身になっただけでなくミスをしてくれるから、甲府は積極的に戦いやすくなった。なかなか追加点を取れず、20分過ぎからは甲府にも不用意なミスが出ることもあったが、28分にはマイクが奪い取ったPKをパウリーニョが決めて、片桐淳至が「先制点よりも重要」言っていた追加点が決まる。片桐が前日に話した「3点」目も前半に期待したが、43分にオフサイドに救われたが、鈴木惇のFKをワンタッチで打った中町公祐にネットを揺らされてしまう。ハーフタイムは機嫌よく過ごせたのだが、今になって思えば中町のこのシュートは後半に向けた福岡反撃の合図だったのかもしれない。

末吉準也と城後寿を後半から投入した福岡は、47分に岡本英也が城後のアシストを受けてゴールを決めてイケイケ気分の甲府に、人間には不安という感情があることを思い出させる。後半から投入した選手がハマって縦パスで裏を狙う戦い方がフィットし始めていたが、このゴールに関しては甲府の不用意な立ち上がり方が城後以上のアシストをしている。シーズンを通じて不用意なミスが多く、その結果降格圏内の椅子に座っている両チーム。前半は福岡の不用意さが目立ったが、後半は甲府がその順位に違わない不用意さを見せることが増えた。ただ、福岡は甲府の不用意につけ込むことが出来ず、何回もシュートを外して助けてくれた。前節甲府が戦った仙台なら、同じチャンスがあれば後半だけで2〜3点は取っていると思うほどのチャンスが福岡にあったし、甲府は機能していなかった。鈴木惇は試合後、「先制を許しても慌てず、90分間でじっくり追いつくつもりで戦えればよかった」と振り返った。結果が出ないことで選手は追い込まれているだろうが、それを跳ね返す試合を一試合でも増やすことに意味を見出さなければならない。福岡の浅野哲也監督は、「チームが変らないことがもどかしい。私のアプローチのやり方が悪いのかもしれないが、ちょっと寂しい」と会見で話した。この場面の浅野監督は感情の高まりを抑えていたが、本当に寂しそうだった。モーリニョが来ようがファーガソンが来ようが西野朗が来ようが、甲府と福岡を采配だけで残り全勝させられるような監督はいない。「不用意」の呪縛を解くには監督頼みではなく、選手が意識を変えていくことがサポーターの気持ちに応えることになる。この点では両チームの選手は不満を言う前に、自分を客観的に見つめ直す必要があるだろう。

後半の甲府は消耗してセカンドボールが拾えないことも増えたが、内田智也をサイドハーフに入れてサイドの守備力を高め、伊東輝悦をボランチに入れてディフェンスラインの前の安全を確保したことで持ち直した。ただ、守備的に持ち直したが、攻撃面では少なくとも3回はあった決定機を決めることが出来なかった。「1点返されて甲府の攻撃の形がばったりと止まってしまったし、まったく繋げない時間が15分くらいはあったと思う。それまではリズムの中でサッカーが出来ていたのに一人ひとりの考え方が違って崩れた。(後半の)決定機に決めるのが残留できるチーム。それが出来なかった。気持ちで手にした勝点3」と片桐が話したように、チャンスがあるのに早い時間帯に止めを刺せないことは課題。そして、同様に気になるのは一人ひとりの考え方の違いが、リズムを崩すという点。例えば、右サイドバックの内山俊彦と片桐のコンビネーションが合わない場面が後半に何度かあった。これは誰彼が悪いと言うよりもコミュニケーション不足。足首を痛めて充分に練習できない内山の運動量が落ちることは分かっていたので、そういう時間帯は彼のストロングポイントであるオーバーラップとクロスを効果的に使うために、プレッシャーを掛けられているときはシンプルにロングボールで内山と片桐の守備の負担を減らしてもよかった。また、片桐は急がないで組み立てようとしているのに、サポートが少ないから孤立したり、際どいパスをするしかない場面があり、周囲の選手とサポートについてコミュニケーションを取る必要があるだろう。

後半の苦しい時間帯、同点になって失望死しないように心の準備をしたサポーターもいただろうし、海野社長も寿司屋の予約をキャンセルしたくなっていたかも知れない。しかし、最後の最後で冨田大介をリーダーとするオジサン4バックが身体を張ったし、金珍圭を入れてセンターバックに跳ね返す強さが出て甲府は逃げ切った。だが、次の週末(アウェイ・G大阪戦)に向けて修正点は少なくないし、オバサンが朝起きたら香里奈に変身するかのように甲府が急に強くなることもない。前半はある程度いい戦いが出来ても、後半は苦労する。ダニエル、山本英臣、吉田豊が戻ってくるが、彼らがいても失点はしていたからチームメイトを信じてサポートして泥臭く戦い続けるだけ。福岡戦の前半のように前線から労を惜しまず守備をし、球際も強く行けばチームとして決定機を増やし、失点の可能性を減らすことは出来るはず。

第26節の第1日目は浦和、新潟が敗れたので大宮や浦和や新潟の最終節までの対戦相手を紙に書き出してあれこれ都合よく空想してみたくなるが、冷静になってみれば甲府の次の対戦相手は首位のG大阪だし、その次に対戦する川崎Fはついに連敗を止めてしまった。やっぱり自力で勝点を稼ぐ覚悟がなければ、いるのかどうか知らないが残留の女神様は甲府を愛してくれないだろう。今週は寝る前に「G大阪は弱い、第5節は打ち合って勝っている、甲府はG大阪に勝つ、G大阪は甲府の良さを引き出してくれる、G大阪は失点が多い…」と首位の威光に気圧されない心の準備をするために呪文を唱えてから眠ろう。きっと9月24日の朝起きたときには「勝てる」って気分になっているはずだ。ただし、ここ3試合G大阪が無失点だということを忘れるか、ザッケローニ日本代表監督が視察するとマイクは4戦4発なので呪文の最後には「ザックよ来い、ザックよ来い」を付け加えよう。

以上

2011.09.18 Reported by 松尾潤
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