スカパー!生中継 Ch184 後00:50〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
----------
★「PRIDE OF 中四国」特集ページ
※岡山側プレビューはこちら
愛媛にとって、この秋の5連戦はアウェイ連戦でスタート。前節はその初戦で、大分に悔しい逆転負けを喫してしまった。ただ、立ち上がりは初の3−5−2にもかかわらず、悪い内容ではなかった。「中盤の枚数を増やす」(バルバリッチ監督)という目的で、パスコースを増やし、ポゼッションをしていく狙いを徐々にピッチで表現して、内田健太の先制点に結びつけた。さらに、フォーメーション云々という以前の課題だった気持ちの面でも、選手たちはピッチ上で球際の厳しさを見せていた。「ボールを奪った位置が高かったから、アズ(東浩史)の選択肢を増やすためにも思い切って上がった」と先制点を振り返るのは3バックの一角に入った高杉亮太。最終ラインから後ろ髪を引かれることなく高杉がゴールへの積極性を見せ、そのクロスから内田のゴールが生まれた。
しかし「このフォーメーションならディフェンダーは苦しいだろうし、1−0じゃなくて2−1、3−2とか点を取って勝つ必要があった」と福田健二が語るように、結果的にはチャンスを作り続けながら追加点を奪うことができずにゲームをひっくり返されてしまった。それでも、チーム最多得点の齋藤学が負傷欠場したことで心配されていた攻撃面での迫力不足が杞憂に終わったことは収穫。「前線の枚数が多いから、クロスが入ったら迫力があるし単発で終わらない攻撃もできた」と福田は手ごたえを語ったが、もし岡山戦でも続けて3−5−2でゲームを進めたならば、得点のチャンスは少なくないだろう。
ただ、攻撃陣が手ごたえを語る一方で、やはり守備の方では修正すべき点が残された。「最初は5バックになってしまって攻撃に迫力が出せなかった」と振り返るのは高杉。両サイドハーフが高い位置を保てなければ、このシステムのよさは生かせない。さらに続けて高杉は「岡山の前線の選手には動きがある。大分戦でも三平(和司)選手が入って、前に動きが出た時が厄介だった」と振り返るが、岡山戦も3バックを続けるならばマークの受け渡しやスライドは大分戦以上に速くしなければ同じように失点を重ねてしまいかねない。中3日という試合間隔の中で、不慣れなフォーメーションのポジショニングを修正できるか。それとも、バルバリッチ監督が4バックに戻すのか、岡山戦ではまず立ち上がりのフォーメーションに注目したい。
それでも、前野貴徳は「ボールの動かし方によれば、4−4−2でも最終ラインが3枚になることがあるので、その部分では大きな変化ではなかった」と語るように、3バックでも大きな混乱は無く、むしろ攻めるべき時に攻撃にパワーをかけられる新しいオプションが見つかったことを前向きにとらえたい。前野自身は「(最終ラインの)カバーをしようと思っていたし、攻撃でもっとガツガツいければよかったけど、全ては自分のミスに尽きる」と反省もしているが、大分戦では右サイドに片寄りがちだった攻撃が、前野の左サイドからも本来の迫力を取り戻すことができれば、3−5−2は途中から選択する形としても有効だ。また、前野自身の積極性がピッチで表現できれば、ホームでの岡山戦の時のように自らゴールを狙う場面も生まれるはずだ。
ただ、いずれにしても注意しなければならないのは90分を通じた試合運び。大分戦ではそれに失敗しているが、実はホームでの岡山戦でも試合運びの拙さは露呈してしまった。こうした失敗を繰り返している限り、愛媛は今後もどんどん下位へと吸収されてしまいかねない。さらに今回の「PRIDE OF 中四国」という観点で見ても、愛媛は3位で2位岡山との勝点差が5という状況だ。ただ、数字の上では愛媛にも「PRIDE OF 中四国」で勝ち続ければ、まだチャンピオンになる可能性が残されている。リーグ戦で上の順位を目指し、さらに中四国の頂点を目指す上でも、アウェイ岡山に乗り込む今節の愛媛は負けられない。
以上
2011.10.22 Reported by 近藤義博













