スカパー!生中継 Ch185 後04:50〜
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11戦負けなし(9勝2分)で、今節を迎える鳥栖。この間、30得点9失点と確実に勝点を上積み、順位をあげてきた。8戦負けなし(7勝1分)で、今節を迎えるFC東京。この間、22得点1失点と無敵の強さで首位をひた走る。好調同士の今節は首位と2位の直接対決となり、今季のJ2リーグの優勝の行方に大きな影響を残す試合となる。
‘99年のJ2創設時に加盟したチームは10チーム。そのなかで、いまだJ1を経験したことが無いのは鳥栖だけである。その鳥栖が、悲願のJ1昇格を射程圏内に捉えている。捉えているだけではない。今節の結果如何では、J2優勝も見えてくる。サポーターだけではない。今までサッカーに興味の無かった人までも、鳥栖の昇格に興味を持ち始めている。浮き足立つのは致し方ないところであろう。
対する、FC東京も同じ年にJリーグ加盟を果たした。その年にJ2で2位となり、J1へ昇格を決めた。その後の活躍は、ヤマザキナビスコカップ2度の優勝など、周知のことである。その間のチーム事情は大きな開きがあったが、ここに来て、昇格と優勝を争う戦いができることは、両チームの関係者は感慨深いものがあるだろう。
そんな周りの浮かれ気分に、選手たちは一向に乗ってこない。むしろ、コメントは「目の前の一戦に集中するだけ」や「今までやってきた事を続けるだけ」と素っ気無い。DF丹羽竜平は、前節の反省を含めて、「もっと、周りと連携を取らないと、FC東京を崩すのは容易ではない」と気を引き締めていた。彼だけでなく、今の鳥栖の選手たちは異口同音で今節の対戦相手のFC東京を警戒する。MF早坂良太も、「首位の相手だけに楽しみでもあるが、僕たちがやれることは“今のサッカーを続ける”こと」と相手がどこであろうがこれまでと変わるところが無い。
“今のサッカーを続ける”
尹晶煥監督も、「今までやってきた事を続けるだけ」と今節に臨む姿勢を示した。手の内を隠すわけでもない。特別な作戦があるわけでもない。今までやってきた事を、今節もやるだけなのである。
開幕戦で戦ったFC東京。前半は、鳥栖の出足の早さに思うような展開ができず苦戦を強いられた。が、後半開始からロベルト セザーを入れて中盤の活性化を図り、1−0と勝利を収めている。中断期が明けてもなかなか勝ちきれない試合が続いたが、第21節に首位に立つとその後は常に首位を争う力を見せている。その勢いは衰えることなく、前節までに得失点差+39をあげる強さを見せている。前回の戦いではいなかったルーカスや永里源気も加入して、万全の強さを誇っている。
鳥栖もリーグ2位となる+29の得失点差を誇る。総得点はFC東京とは変わらないものの、失点数では分が悪い。しかし、直近の鳥栖はCB木谷公亮を中心に非常に守りが堅い。ボランチ岡本知剛との連携も試合をこなすたびに精度を増している。互いに固い守備と前線にパワーを持った選手がいるのは似た状況なので、早い時間にペースを握った方が優位に試合を進めるだろう。大事な一戦なので、お互いに出足の状況を探る試合入りを見せることも考えられる。いずれにせよ、大量得点をあげるような試合にはならないだろう。ひとつのミスやセットプレーから点が生まれる可能性は十分にありえる。セットプレーでの素早いリスタートなど、見逃さないようにしておきたい。首位と2位の戦いとはいえ、3位以下との差は離れてはいない。残り試合も考えて、勝利のみを狙っての戦いになるだろう。
悲願・・・ぜひとも成し遂げたいと思う悲壮な願いのことである。12年間はかなわぬ思いであった。しかし、その悲壮な願いがかないそうなところまで来ている。否が応でも、気分は高揚してしまう。選手は歓迎しないだろうが、サポーターは待ち続けたことを理解して欲しい。そして、サポーターはこの高揚感を十分に楽しんで欲しい。それができることも、初めてのことなのだから。試合の勝敗だけでなく、長い期間をかけて培ってきた歴史を噛み締めることもサッカーの楽しさでもある。
人生は、耐えた分だけ喜びは大きい。
サッカーは、守備で耐えた分だけ、得点の喜びは大きい。
以上
2011.10.22 Reported by サカクラゲン













