今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第30節 清水 vs 甲府】プレビュー:清水にとってはチームの成長のために重要な試合、甲府にとっては残留のために何としても勝ちたい試合。そのために、どちらがより自分たちらしさを発揮できるか。(11.10.23)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月23日(日)J1 第30節 清水 vs 甲府(13:00KICK OFF/アウスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch180 後00:50〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
----------

J1リーグはいよいよ残り5試合。優勝&残留争いも大詰めを迎えてきた中、清水は前節で優勝の可能性が消滅し、ACL圏内の3位に入ることも難しくなった。降格の可能性は0ではないが、現実的にはその心配は無用で、目標設定があいまいになりがちな状況にある。一方、甲府は前節の勝利でようやく降格圏から脱出したものの、16位の浦和とはわずか勝点1差。まったく気を抜けない状況が続いているが、チームの勢いという意味では上昇気流に乗っている。アウェイで良い結果を残していることもあり、この試合も引き分けで良しとする気はないだろう。とはいえ今の清水は、今後に向けて楽しみな材料が増えてきた良い時期にある。その流れを加速するためには、この試合は非常に重要な意味を持っている。

清水の楽しみな要素としてもっとも大きいのは、フレドリック・ユングベリ、小野伸二、高原直泰という3人の千両役者が初めて揃って共演する可能性が高いこと。ユングベリは右足側部の痛みで前節の遠征を回避したが、今週は初めから練習に合流し、少し体調不良があったものの、そこは問題ない見込み。高原はケガからの復帰3試合目で、本人も「練習でも先週とは全然違う」と語っており、神戸戦よりもパフォーマンスは上がるはずだ。
ゴトビ監督も、「ファンに多く来てもらいたいし、我々のサッカーを楽しんでほしい」と、できるだけ3人を同時起用したい意向を口にしており、実現の可能性は高いと見られている。そうなると期待が高まるのは、前回のホームゲーム・名古屋戦のような素晴らしいサッカーを再現できるかどうかという部分だ。今の清水は、良いときとは良い、悪いときは悪いとチームの波が大きく、その落差も大きい。ゴトビ監督も「今年はジェットコースターのようにアップダウンを繰り返している」と語るが、それを平均して大きな流れを見れば、ジェットコースターのように下っているわけではなく、少しずつ着実に上がってきていることは間違いない。そう考えると、今の課題は試合ごとの波を小さくしていくこと……というよりも良いときのサッカーをスタンダードにし、悪いときの落ち込みを小さくしていくことだ。そうすることで天皇杯を制し、ACL出場権を獲得することが、今シーズン最後で最大の目標となっている。
その意味で明日の試合は、大きな試金石となる。スター3人が出場したとしても、チームのバランスがとれなければ、良いときのサッカーはできない。とくに攻守のカギを握る存在であるアンカーのカルフィン・ヨン ア ピンが出場停止のため、その代役を務める選手がどれだけ良い仕事ができるかにかかっている部分が大きい。現時点では、村松大輔と平岡康裕のどちらかになる可能性が高く、どちらも守備に関しては計算できるので、ポイントになるのは攻撃のビルドアップの部分だ。甲府はカウンターの恐さがあるので、アンカーのところでボールを失うと一気に失点に結びつく可能性が高くなってしまう。また、それを恐れてロングボールが多くなれば、DFラインも下がってコンパクトさを保つことができず、自分たちのリズムが出なくなってしまう。前節・神戸戦の前半は、まさにそういう状況だった。それを繰り返すことなく、前半から自分たちのリズムでボールを回せるかどうかが、清水にとって最大の見どころと言えるだろう。

対する甲府は、第21節に佐久間悟監督が就任してからの9試合で4勝1分4敗。その間、得点ランクの首位に立つハーフナー・マイクが7得点、曲者・パウリーニョが6得点と絶好調で、残留争いをしているチームの中ではもっとも勢いと得点力がある。またアウェイでは、27節でG大阪に2-0、前節でC大阪に4-0で完勝しており、敵地での強さも光っている。佐久間監督の采配も、若手を大胆に起用するなど非常に積極的で、崖っぷちのチームにありがちな受け身ムードになっていないところが、サポーターにとっては頼もしいところだろう。また、昨年まで長く清水を支えてきた伊東輝悦と市川大祐が移籍し、清水サポーターにとっても気になるチーム。前回ヤマザキナビスコカップで甲府がアウスタに来たときは、2人とも休養をとっていたため、彼らが出場すれば移籍後初めてアウスタのピッチに立つことになる。2人が揃って先発するかどうかは微妙だが、この試合の大きな楽しみのひとつと言える。

試合展開としては、前述の通り清水が自分たちのサッカーをやれれば、ボール支配率は清水寄りになるだろう。だが、甲府はワンチャンスでゴールを奪う力があるため、清水が自分たちのリズムで戦えていたとしても、まったく気を緩めることはできない。ただ、清水が先制点を奪えば、甲府もカウンターばかりを狙っていられなくなる。またリードを奪った後のゲームコントロールに関しては、ベテランたちが経験を生かして頼もしい働きを見せてくれるだろう。そうなったとき、甲府が自分たちからアクションを起こして点を取りきる力があるかどうかという部分も注目したいところだ。
いずれにしても、先制点を取ったほうが非常に有利になることは明らかな試合。拮抗した展開になった場合は、セットプレーでそれが決まる可能性もあるが、やはり大事なのは、試合序盤からどちらが自分たちの力をより良い形で発揮し、自分たちのペースで戦えるかという部分だろう。
そのためにどれだけ良い準備、良い集中で試合に入れるか。清水の選手たちには、自分たちの未来に向けた意識の高さが問われることになる。

以上

2011.10.22 Reported by 前島芳雄
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着