10月22日(土) 2011 J2リーグ戦 第32節
湘南 7 - 1 岐阜 (14:03/平塚/4,881人)
得点者:3' 田原豊(湘南)、24' 田原豊(湘南)、31' 坂本紘司(湘南)、46' アジエル(湘南)、64' 田原豊(湘南)、73' 菊池大介(湘南)、81' ルーカス(湘南)、90'+2 押谷祐樹(岐阜)
スカパー!再放送 Ch185 10/24(月)前09:30〜
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大量7得点の勝利にも、指揮官の言葉には不満が並んだ。
「緩い試合をしてしまった。逆に言うと、岐阜さんのほうが中盤のテンポやフィニッシュに持っていく力などはよかったのではないか。私にとっても反省点の多い試合だった」
湘南がクラブ最多タイ記録の端緒を開くのは、開始間もない3分のことだった。ハン グギョンが中盤で奪い、すかさずアジエルに出す。並行して動き出していた坂本紘司がアジエルのスルーパスを引き出し、岐阜DFの裏を盗る。坂本は冷静に持ち込み、さらにフリーで受けた田原豊が丁寧に狙い澄ます。
反町康治監督が讃えたとおり、ボールを持った際の岐阜には前への推進力が漲っていた。湘南が彼らのパスミスに助けられた側面もあった。反面、諸刃の剣のごとく、岐阜には攻撃に対する意欲と背中合わせに危険なスペースが見え隠れしていた。すなわち中盤でボールを失い、敵の素早い切り替えに遭えば、たちまちピンチに陥ってしまう。対して湘南は、先制したあとにも田原が幾度か裏に抜け、決定機を迎えていた。そして24分にはクロスから田原が、31分にはフリーキックから坂本がそれぞれヘッドを合わせ、湘南の3点リードで前半を折り返した。
反町康治監督はハーフタイムにも喝を入れている。緩いプレーをするな。足先でプレーするな。しっかりプレーしてくれ。
ゴールでさっそく応えたのはアジエルだった。湘南のキックオフ直後、相手ゴールに近いところで奪い、自ら枠を捉え、後半開始わずか30秒で機先を制す。一方の岐阜も、野田明弘のクロスに押谷祐樹が走り込むなどして反撃を狙う。それでも湘南の攻勢は衰えない。64分には臼井幸平の奪取から坂本へと繋がれ、最後は田原がこの日自身3点目を流し込む。
試合を振り返る岐阜の木村孝洋監督の言葉に悔しさが漏れ出る。
「ボールの失い方が非常に悪かった。後半立ち上がりの失点がすべてだったかと思う。メンタル面の逞しさの欠如といった意味でも完敗だった」
一方、5−0となり、ゲームの大勢が決しても、湘南は攻め続けた。その攻勢は、ゴールを重ねるだけ増していくように見えた。交代選手の意欲も攻勢をさらに加速させた。73分、代わったばかりの岩尾憲がファーストタッチで絶妙のコーナーキックを蹴り込み、菊池大介がヘッドで応えた。攻撃はなおも止まない。81分には再び岩尾のフリーキックから、ルーカスがマークを振り切りプロ初ゴールを突き刺した。それでもなお攻撃は止まない。否、止めようとしない。岩尾の低空クロスに坂本が走り込む。コーナーキックに遠藤航がヘッドを叩きつける。アディショナルタイムに入り、岐阜も押谷が1点をもぎ取る。湘南はなおも攻撃を止めない。ドリブルで駆け上がった臼井から大井健太郎がポスト直撃弾を放つ。それでもなお攻め続ける――。
「諦めずに闘う姿勢をサポーターに見せたかった」坂本は言った。決定機の数を思えば、もっと得点できていたかもしれない。だがこの日のハイライトは、クラブ最多タイ記録の7得点ではなく、どれだけ得点を重ねても長い笛が響くまでひたすらゴールに向かい続けた姿勢だった。自ら足を止めることをしないその姿だった。連戦の影響はもちろんあろうが、大差に自重していれば、臼井が終盤に足を攣ることもなかったろう。
上空を覆っていた雲が時間の経過とともに足早に流れていく。試合が終わる頃には晴れ間も覗いた。自省を踏まえた指揮官の弁が、大量リードしてなおゴールに挑み続けた選手たちのプレーが、湘南を包むすべての思いが、ひとつに結ばれる。燃え続ける炎、「蹴燃」に結ばれる。顔を出した太陽が、そんな湘南をあまねく照らしている。
以上
2011.10.23 Reported by 隈元大吾
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