10月22日(土) 2011 J1リーグ戦 第30節
山形 0 - 5 G大阪 (14:04/NDスタ/13,573人)
得点者:30' 二川孝広(G大阪)、35' イグノ(G大阪)、60' 藤春廣輝(G大阪)、76' ラフィーニャ(G大阪)、89' 川西翔太(G大阪)
スカパー!再放送 Ch182 10/24(月)前05:00〜
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みちのくダービーに継ぐ今季2番目の観客動員を記録した「県民応援デー」。その晴れの舞台とも言える試合で、山形を待っていたのは0-5の大敗劇だった。3節前にはC大阪に0-6の大敗を喫したが、守備を修正して臨んだはずの今節も、優勝争いの渦中にあるG大阪にスコアで大差をつけられた。さらに、追い上げるべき後半に展開された、ミスからほとんどチャンスがつくれない内容は、わずかに残された希望さえ霞ませる。
遠藤保仁を欠くG大阪を、山形が立ち上がりは追いつめる。開始2分にはラインを突破した山崎雅人のマイナスクロスから長谷川悠がシュート。ただし、慎重に当てにいったインサイドはジャストミートせず軌道は枠を外れ、伊東俊、船山祐二が放ったミドルシュートもGK藤ヶ谷陽介に阻まれる。「いいイメージがあって強気で入ってるんですけど、なかなかそこで点を取ったり勝利を握れない」(小林伸二監督)のはこのところの傾向。そこで辛抱しながら次のチャンスを狙えればいいが、前節・柏戦同様、前半で先制点を奪われる。
30分、人が密集する狭いスペースにあえて入り込み山形の守備のわずかなギャップを突いた二川孝広が、キム スンヨンからのスルーパスを受けて抜け出すとキーパーとの1対1を冷静に決める。さらにその5分後には意表を突くファーストタッチでいきなりゴールへ向かうドリブルを開始したイ グノが相手を振り切り、ラフィーニャとのワンツーで瞬く間にラインを突破。GK清水健太もかわして無人のゴールに2点目を流し込んだ。G大阪はロングボールのセカンドボールを十分に拾えないこともあり、立ち上がりにはやや押されていたが、アタッキングサードでの圧倒的なスキルの違いを見せつけた。
得点を取るたびに自然体に近づいていくG大阪と、取られるたびにプレーにぎこちなさが増していく山形の流れはこれにとどまらなかった。ハーフタイムには互いに一人ずつの交代を行い、迎えた後半、西野朗監督は攻撃的な姿勢を落とさないことを確認したうえで、「攻撃を慌てさせるというメッセージよりは、中盤でのボール奪取、ボール保持ということを考えた。攻撃で加点していくというよりは、攻撃権を得るなかでのシステム」とシステムを変更。右サイドの二川を中央に移し、逆にトップでプレーしていたイを右に張らせて4-2-3-1とし、中盤をコンパクトにすることで山形のボランチによりプレッシャーをかける一方、奪ってからはダイレクト、シンプルにゴールをめざす狙いだった。
それがズバリ的中したのが60分のカウンターの場面。中央で起点となったイがラフィーニャに落としてそのまま右スペースへ飛び出し、再びパスをもらう。山田拓巳が対応するも、意表を突く早いタイミングでクロスを入れると、飛び込んできたのは途中出場の藤春廣輝。長い距離を走り、トップスピードのままゴール前に滑り込むと、左足のジャストミートでゴールネットを揺らした。「3点目を決められてちょっとは余裕が出てきた」(二川) と、あとはG大阪の一方的なペース。76分には途中出場の佐々木勇人のコーナーキックからラフィーニャがゴールを決め、アディショナルタイム直前にも、やはり途中出場の川西翔太が落ち着いたボールコントロールからゴールをゲット。5人で5得点を挙げた攻撃に関して、西野監督は「柔軟に選手がシステム、戦術を理解してやってくれた」と話し、「悪いところを探すのが難しいくらい、久しぶりにスカッとしたゲームだった」と、前節・名古屋戦に敗れた鬱憤をひとまず晴らした。
後半の山形のバックラインはそれほど強いプレッシャーを受けたわけではないが、ヘッドダウンし視野は狭くなる一方。そこから近くのボランチに預ければたちまち食いつかれ、苦し紛れの長いボールが前線でマイボールになる確率も極端に落ちていた。3失点目を喫した2分後に、山形も高い位置で船山が明神智和からボールを奪い、最後は山崎のシュートで終わったが、これがこの試合、山形最後のシュート。攻撃はミスの多さからうまく機能しなかったが、ビハインドの状況を背負ったなかで重心は前がかりのプレーが続き、失点シーン以外にも背後を突かれる展開が多くなっていた。終盤には左サイドバックに石川竜也を投入したが、前線の動き出しに合わせて裏へ送るフィードはほとんどがオフサイドを取られた。
個の能力の積算ではかなわない部分を、個を組み合わせた組織力で補いながら戦ってきたのが山形だ。しかし、現在は小林監督が「全体がつながって機能しない限りは、なかなか勝ちにくいチームではあると思う」と頭を悩ませ、「こんな際(きわ)で、こんなにたくさん(観客が)入っているなかで、なんでこんなに起こるのかなというのは自分自身も思います」とのコメントからも根の深さが読み取れる。数字上で可能性を残す限り、残留をあきらめる必要はないし、プロとしてそこを捨ててはならない。しかし実際問題として、それが次節以降、前を向いて戦うモチベーションとなり得るのかと言えば、きわめて難しい状況であることも事実。「気持ちを表現するためにサッカーしているわけではないですけど、勝つためにサッカーしているということを、見ている人にも伝わるようなプレーをしなきゃいけない」(佐藤健太郎)。J1昇格後、もっとも厳しい状況で迎える次節は、さまざまなものが問われる一戦となる。
以上
2011.10.23 Reported by 佐藤円
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