10月22日(土) 2011 J1リーグ戦 第30節
鹿島 1 - 1 神戸 (17:04/カシマ/13,248人)
得点者:54' ポポ(神戸)、63' 野沢拓也(鹿島)
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最後尾からのロングボールは諸刃の剣だ。もし、長いボールを蹴ったとして、それが前線で繋がれば簡単に相手を押し込むことができる。しかし、万が一繋がらなかったときは、まったく逆の展開を招く。せっかく相手から奪ったボールを簡単に失うことになり、攻撃のリズムはつくれず、いつも守っているような印象を与えてしまう。この日の前半の鹿島はまさにそんな感じだった。
岩政大樹の負傷を受け、センターバックとして遜色ないプレーを続けていた青木剛がふり返る。
「ピッチもスリッピーで神戸もガンガン前から来ていた。そのプレスにはまってしまったかもしれない。長いのを蹴ってもセカンドボールも拾われてしまった。前半は、神戸の時間帯が多くなってしまったと思います」
田代有三の高さを生かす戦い方は、鹿島が持つオプションのひとつ。相手が前から来れば田代をターゲットにすることで、相手の圧力を無力化する試合をこれまでも何度も実践してきた。しかし、それもコンパクトな布陣があってこそ。この日は、神戸の方がよりコンパクトでセカンドボールへの反応が早く、攻撃の選手たちは「有三さんのまわりを、ただ走ってるだけだった」(大迫勇也)とふり返るような状態だった。
相手に"蹴らされてしまった"のも良くなかったのかもしれない。鹿島の4バックに対し、神戸はポポ、吉田孝行、朴康造、ボッティの4人がマンツーマン気味にプレッシャーをかけてきた。そのため、最終ラインだけでは組み立てができず、途中から小笠原満男が最終ラインに下がり、両サイドバックのアレックスと新井場徹を高い位置に押し上げてパスをまわそうと試みるも、なかなか相手を押し込むことができない。前半の45分は、シュートこそ12本放ったもののミドルレンジからのチャレンジが多く、しかも単発。相手を押し込んで崩していくような流れはできず、オリヴェイラ監督も「無駄な45分を過ごしました」とふり返る内容だった。
後半からは、田代有三が下がりながら競られるような位置にロングボールを落とすなど、いくつか修正点を見出し、徐々にペースを掴んでいった鹿島。速攻から大迫がGKの徳重健太と1対1の場面を作るなど、ゴールに近づいているように思われた。しかし、一瞬の隙を突いた神戸がカウンターから先制点を奪う。54分、中央で吉田が繋いだボールを、今シーズン初先発となった大屋翼がスルスルと持ち上がり、右サイドにフリーで開いていたポポへラストパス。これをポポが落ち着いて流し込みリードを手にした。
反撃を試みる鹿島は、前半の終わり際に接触プレーで足を痛めた小笠原を下げて増田誓志を投入。中盤の運動量を確保すると、勢いを取り戻す。63分にはゴール前でFKのチャンスを得ると、野沢拓也の蹴ったボールに反応した田代有三がペナルティエリア内で茂木弘人に倒されてPKを得る。このチャンスを野沢が決めて同点に追い付いたが、その後はなかなか決定機をつくれない。フリーキックやコーナーキックの場面は何度も迎えるのだが、全員でゴール前を固める神戸を最後まで崩せず、セットプレーの強さは最後まで鳴りを潜めたままだった。
引き分けという結果に終わったが両チームの様子は対象的。柴崎岳が「課題の方が多い試合だった」とふり返ったように、鹿島の選手たちは相手を圧倒する時間帯がつくれなかったことを悔やんでいた。ヤマザキナビスコカップ決勝を前に弾みをつけたいところだったが、それを果たすことはできなかった。
逆に神戸の選手たちは喜ぶ姿が多かった。それというのも、左膝前十字靭帯を二度にわたって損傷した大屋翼が先発出場を果たし、和田昌裕監督から「うちにとっては新たな良い選手が出てきてくれたな、と思います」と賛辞を贈られるほどのパフォーマンスを披露。先制点に繋がるアシストも決め、「今日は90分できて良かった」と本人も復帰を喜んでいた。
以上
2011.10.23 Reported by 田中滋
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