10月23日(日) 2011 J1リーグ戦 第30節
磐田 0 - 4 C大阪 (14:03/ヤマハ/9,513人)
得点者:37' 扇原貴宏(C大阪)、49' 倉田秋(C大阪)、63' 扇原貴宏(C大阪)、90'+1 播戸竜二(C大阪)
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圧勝である。リーグ戦5試合ぶりの出場となった清武弘嗣にとってはこれ以上ない復帰戦となったことだろう。ヤマハスタジアムはアウェイチームの独壇場と化した。
清武に加え、出場停止明けの倉田秋、さらに扇原貴宏も先発メンバーに名を連ねるなど複数の主力選手が戦列に戻ったC大阪の攻撃は序盤から躍動感があった。1トップ・小松塁を頂点に、その下で清武、倉田、ファビオ ロペスという3シャドーが流動的なポジショニングからパスを引き出す。復帰後リーグ2試合目の先発となったマルチネスも落ち着いたフィードでリズムを生み出していた。ただ、やはり存在感を見せたのは清武である。豊富なフリーランニングでスペースへ飛び出すプレーや、ドリブルで中央へ切れ込みスルーパスやシュートを狙う姿勢を随所に見せた。1点リードで迎えた49分にはドリブルで持ち込み、ゴール前へスルーパス。相手に当たったボールが倉田の下にこぼれ、貴重な追加点を演出している。終盤はややペースダウンし、82分に途中交代となったものの相手の脅威となるには十分の出来だった。試合後、C大阪・レヴィークルピ監督は「いいプレーはしていたと思うが、それでも彼のベストのプレーではないと思う」としながらも、「彼が持っているクオリティーが非常に高いが故に、ベストのパフォーマンスではなくてもチームの大きな力になってくれたことは間違いない」と背番号13の帰還を歓迎。チームとって欠かせないピースがはまり、ここ数試合とは全く異なる次元の攻撃を見せつけた。
「キヨ(清武弘嗣)が入って、ボールを受けてしっかりさばくということができたり、全体的に流れがよかったと思う」と勝利の手応えを語っていたのは終盤にチーム4点目のゴールを決めた播戸竜二。前節・甲府戦の大敗から上手く切り替えることができた点も大きかったという。「フィジカル的にかなり上げたし、球際の強さも含めていい準備ができたことが一番だと思う」(同選手)。また、「自分達がチームを立て直すしかないということをもう一度思い出してほしい」(クルピ監督)という意図でこの一戦に向けて複数の布陣を練習で試したこともチームの好転につながり、充実した内容でリーグ3試合ぶりの勝利を掴んだ。
一方、ホームで思わぬ大敗を喫した磐田は序盤から相手にチャンスを作られるなどいい形でゲームに入ることができず、37分には敵陣からのクリアボールをつながれて扇原貴宏にゴールを許すなど終始追い駆ける展開となった。
戦前、磐田・柳下正明監督「相手は清武が入ると選手間の距離感が短くなる。清武、倉田がいい距離感になるとチームとしてのミスも減るし、いい時のリズムが出るのでは」と警戒を強めていたが、相手の攻撃は想定を上回るものだったかもしれない。リーグ4試合ぶりの出場となった古賀正紘も「出てくるパスや起点に対してもう少し厳しくいかなければいけなかったし、ボールの取りどころも中途半端になってしまった」と唇を噛み締めた。
指揮官はシュート6本に封じられた攻撃面に関しても「特にアタッキングサードで判断の悪いプレーが増えていってしまった」と悔やむ。前田遼一、金園英学を2トップに据え、山崎亮平を左MFとして起用する布陣でこの一戦に臨んだものの最後までゴールを奪えず、ホームで痛恨の連敗となった。
以上
2011.10.24 Reported by 南間健治
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