10月23日(日) 2011 J2リーグ戦 第32節
徳島 4 - 1 横浜FC (17:04/鳴門大塚/7,358人)
得点者:10' 藤田優人(横浜FC)、54' 倉貫一毅(徳島)、66' エリゼウ(徳島)、86' 佐藤晃大(徳島)、89' エリゼウ(徳島)
スカパー!再放送 Ch181 10/24(月)後02:00〜
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気持ちで掴み取った結果─。今節の勝利はまさにそう呼ぶべきものだ。怒濤の4ゴールで横浜FCから逆転勝利をもぎ取った徳島だが、その見事な戦いを実現させた何よりの原動力は間違いなくチームの見せた非常に強い勝利への意欲だったと言えるだろう。
ただ前半は、それが空回りしてしまう。開始早々10分に負ってしまったビハインドにより、選手たちのそうした気持ちは攻め急ぎという形に変わってしまったのである。そのため、攻撃は後方からの慌てたようなロングボールが多くなっていたし、また佐藤晃大と津田知宏の2トップや衛藤裕など前線の選手たちも横浜FCの最終ライン近くで一発のフィードを受けようとする状態。徳島は攻めにおける本来の流動性を全く欠いてしまっていた。さらにそのような展開は守備への悪影響も出していたと言えよう。強引に攻め入ろうとすることで全体のバランスを崩し、たびたびヒヤリとするカウンターを食らっていたのだから。
いずれにしても前半の徳島は、気持ちこそ見せていたとは言え、試合後会見で美濃部直彦監督が「全く改善できないなと(思った)」と振り返ったほどの苦しいゲーム内容であった。
しかし、ハーフタイムを挟んで迎えた後半、徳島はガラリと立て直した姿を見せていく。「この状況を跳ね返していこう!」という美濃部監督の檄を受けた選手たちは逸る前への意識をしっかり落ち着かせ、ボールを繋ぎ、動きの量を増やして自分たちのサッカーを取り戻していった。加えて指揮官が施したシステム変更も好転へのキッカケになったのは間違いない。横浜FCの組んできたダイヤモンド型の中盤への対処に前半はかなり手を焼いていたのだが、自分たちの陣形を1トップにしたことでそれが解消され、チームに安定感が生まれてきたのである。
するとついに54分、7千を超えるホームサポーターが待ちに待ったその時が訪れた。左サイドへ流れた佐藤が起点となって衛藤に繋ぎ、その衛藤のクロスを津田が冷静に頭で落とすと、そこに気迫溢れるスプリントで入り込んできたのはボランチ・倉貫一毅。前節(6節)の東京V戦でJ2通算400試合出場という偉業を達成した徳島の誇るキャプテンが勝利への強い気持ちを乗せた値千金の同点弾をねじ込んだのだ。
こうして試合を振り出しに戻した徳島はその後ギアをシフトアップさせ、見る見るピッチ上の主導権を握り始める。そして66分にエリゼウが魂のこもった大迫力のヘディングでCKのボールを捉え逆転の2点目を叩き出すと、86分には佐藤が横浜FCのクリアミスを見逃さず執念を感じる鋭い反応で3点目。その3分後には再びエリゼウが今度はゴール前でFKのコースを変えて流し込み、横浜FCにトドメを刺した。
「選手たちの非常に大きな成長を感じる45分でした」と美濃部監督はこの後半を評したが、まさしくその通りと言っていいのではないだろうか。激しい昇格争いを続ける徳島はその戦いの中で確かな前進と進化を遂げていることを深く印象付けた。と同時に、この一戦で結果を引き寄せる最大の力となった勝利への意欲は今最高潮に高まっている。だからこそこの勢いを付けたいタイミングで今季初となる逆転勝利も生まれたのであろう。いよいよ次節(10/26)には札幌との大一番に挑むこととなるが、徳島はこれ以上ないチームのムードでそれを迎えられる。
とは言えひとつだけ、負傷交代となった佐藤の状態だけは気がかり。今や替えの利かない攻撃の大黒柱になった彼だけに、軽症で済み、水曜日のピッチに立ってくれることが願われるところだ。
対して敗れた横浜FCについて触れると、「徳島の戦い方はしっかり分析できていて本当に前半はみんながしっかりそれをやってくれていました」と岸野靖之監督が口にしたように、最初の45分は申し分ない出来であったはず。実際ボールも人も積極的に動いていたし、守から攻への切り替えやセカンドボールへの反応も十分だったと思われる。そのうえ予想通り、高地系治や佐藤謙介は高い技術で中盤の優位を築けば、前線に入った難波宏明とカイオがさすがのキープ力で攻撃を牽引。低迷する成績がまるで嘘のように感じられる戦いが前半は出来ていた。
にもかかわらず、徳島に許した同点ゴールによってチームは急にトーンダウン。その後逆転されると選手たちはイライラ感もあらわにするようになり、切り札のフランサを投入するも結局反撃には至らなかった。となれば、メンタル面が課題と言わざるを得ないが、それでも備えるポテンシャルが並でないことは明らかに証明していたのだから、その部分さえコントロール出来たなら今季残り7試合まだまだサポーターたちの期待に応えることは出来よう。
以上
2011.10.24 Reported by 松下英樹
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