10月23日(日) 2011 J2リーグ戦 第32節
栃木 0 - 0 千葉 (17:03/栃木グ/5,998人)
スカパー!再放送 Ch182 10/24(月)後07:00〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
----------
逆転昇格の絶対条件である残り8戦全勝に向けて貪欲に勝点3を狙った栃木は、連敗を脱するために負けない戦い方を愚直なまでに貫徹した千葉の思惑の前に屈し、勝点1しか得ることができなかった。
「どうしても勝点3が必要だったので、勝点1は残念な結果だった」
記者会見冒頭、悔しさを滲ませながら松田浩監督がそう述べたように、栃木にとって3位・徳島との勝点差が8に開いてしまったことは痛い。戦前に3位だった札幌との勝点差が7だった栃木に対して、千葉は1試合で逆転可能な3。2連敗中だったとはいえ、栃木に比べれば比較的余裕はあった。だからこそ、ドワイト体制から神戸体制への移行に伴い、まずは栃木戦で守備のバランスを取り戻し、鳥栖、徳島との連戦に備える算段だった。そのことは、「悲観的にならずに勝点1が、次の大事な鳥栖戦や徳島戦に繋がると思う」と話した神戸清雄監督のコメントからも窺える。栃木は千葉の策略に、まんまとハマってしまった。
「正直、最初から相手があんなに引くとは思わなかった」と渡部博文が面食らったように、千葉は4‐3‐3というよりも、4‐5‐1に近い形で自陣に蜘蛛の巣のような守備の網を張り巡らせ、専守防衛策を選択した。また、1トップにロングボールを蹴り込むことはせず、攻撃面でも空中戦から地上戦に切り替えてきた。
頭の片隅にはあったものの、あまりにも徹底されたリトリートに栃木は戸惑う。センターバックの落合正幸と渡部がボールを持ち、そこにダブルボランチが絡んでのビルドアップはトレーニング通りだった。しかし、ほとんどスペースがなかったこと加え、前線の動きが乏しく交通渋滞を起こしてしまい、有効な打開策は見出せなかった。元々、ビルドアップが得意ではない栃木は、「『行くよ』と見せかける緩いプレッシャー」(神戸監督)を千葉に掛けられては安易にボールを蹴ってしまい、相手が狙っていたカウンターを浴びた。ただ、千葉も比重が守備にあったことで、いつもの鋭さがカウンターから感じ取れず、栃木は命拾いした。
エンドが変わった後半、前半に比べて間で受ける意識が芽生え、途中投入の廣瀬浩二がカンフル剤となり、攻撃が活性化した栃木だが、守備的な千葉を攻略できない。最終盤に廣瀬に巡って来た決定機もGK岡本昌弘の好守に阻まれ、反撃も実ることはなかった。是が非でも勝点3が欲しかった栃木にとっては、当然ながら勝点1は満足できる結果ではなかった。
連敗を2で止め、体勢を立て直した千葉だが、「自分達が主導権を握るサッカーが理想」と青木良太は語り、「今日のやり方だと引き分けで終わってしまう守備の仕方だと思う」と続けた。現状では守と攻が分断されてしまっている。ゴールを奪うための守備ができていない。時折、カウンターが発動するが、現状での攻撃パターンはそれしかない。鳥栖、徳島を打ち破るには、それだけでは厳しい。ただ、全体がコンパクトになったことで、個々の距離が近付き、パスを繋ぐ意識を少しでも体現できたのは収穫。「練習が2日間だったことを考えれば、少なからず手応えはあった」(佐藤勇人)。個に依存していた攻撃を、複数の選手が連動して行える感触は得た。コンディションの回復に主眼が置かれる連戦で、どれだけ攻撃パターンが構築できるかが、千葉のJ1昇格へのキーになるはずだ。
栃木の課題も攻撃面にある。
「前半戦に比べてシュートの本数が少ない。シュートを増やすためにも前での動きを付けたい」(水沼宏太)
リカルド・ロボも崔根植(次節出場停止)も足元でボールを受けたがるタイプだけに、背後への働きかけが少ない。あまり動き過ぎて決定機でパワーを使えなくなるのも問題だが、もっと流動的に動いてもいい。特に相手が引きこもってスペースがない場合、前線に張り付いているのは得策ではない。東京V戦まで中2日だが意見をすり合わせ、いい関係性を築き、「チームで攻撃をする意識をもっと強くしたい」(水沼)。団結力が高まり、ハードワークという原点を取り戻した今、細かな部分さえ詰められれば、リーグ戦前半のような躍動感に溢れ、人が湧き出るような攻撃ができるはずだ。先制点を取れれば、栃木は強い。事態を激変させるにはゴールを取るしかない。そのためには意思統一が必要不可欠だ。
以上
2011.10.24 Reported by 大塚秀毅
J’s GOALニュース
一覧へ- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













