10月26日(水) 2011 J2リーグ戦 第7節
愛媛 0 - 1 水戸 (19:04/ニンスタ/1,563人)
得点者:22' 岡本達也(水戸)
スカパー!再放送 Ch182 10/27(木)後00:30〜
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気温は11.4度まで冷え込んだ5連戦の4試合目。愛媛は水戸をホームに迎えたナイトゲームで不完全燃焼、寒さを吹き飛ばす熱気を感じさせることはできなかった。
しかし、アウェイに乗り込んだ水戸のサッカーには連戦を感じさせないほどのフレッシュさと、この試合で勝つためのシンプルさがあった。それもそのはず。水戸の柱谷哲二監督は、前節の熊本戦から5選手を入れ替えて愛媛戦に挑んだ。そして、ピッチに立った選手たちは自らの役割をしっかりと果たした。
特に総入れ替えになった水戸の2トップと両サイドハーフは、前線からしっかりとプレッシャーをかけて愛媛のミスを誘うとともに、チーム全体としてもサイドからの攻撃を徹底。ピッチの幅を広く使い、愛媛のミスを誘うと前半10分を過ぎたあたりから試合のペースを握り、次第にゴールへと迫っていった。
そして20分には岡本達也が愛媛の最終ラインの背後を取ってシュート。GK川北裕介が左足で何とか跳ね返したものの、続く22分に先制点を奪った。水戸は高い位置でプレッシャーをかけて奪うと、すぐさま前線へ走る岡本へ。そこから右サイドで併走していた島田祐輝にボールが渡ると、最後はこぼれ球が再び岡本の元へと転がりゴールへと結びついた。
柱谷監督の狙い通り、すべてが上手くいった水戸に対して、バルバリッチ監督の采配は全て裏目に出た。3−5−2の守備が狙い通りはまらなくなると、前半の間にシステムを4−4−2に戻した。そのことで水戸にサイドから攻撃を受ける回数は減ったものの、攻撃的なシステムのはずであった3−5−2をビハインドの状況で捨ててしまうことにより、愛媛の選手たちはピッチ上で混乱し続けているようにすら感じられた。後半の出足こそ、愛媛がリズムをつかみそうな時間帯が訪れたが、これに対しても水戸は冷静に対応。落ち着いてボールを回して愛媛の勢いを削ぐと再びカウンターから愛媛のゴールを脅かし、すぐさま自分たちの流れに引き戻した。
こうして熊本戦の失敗を繰り返すことなく、試合運びの面でもしっかりと成長の跡を見せた水戸が完勝で勝点3を獲得。16位へと順位を上げ、14位の愛媛も勝点3差にとらえた。「連戦の中でもらった少ないチャンス。チームを勝たせて結果を出さないといけないし、このチャンスを生かしたかった」と岡本が振り返れば、「試合に出させてもらっている以上、責任を持ってプレーしなければならないし、全員がそういう気持ちを持っていたことが結果につながったと思う」と手ごたえを語った西岡謙太。やるべきことをやりきってつかんだ勝利だけに、水戸の選手たちにとっては手にした自信も大きかったようだ。
その一方で、やることなすことが全て上手くいかなくなってしまった愛媛。試合後の迷える選手たちの様子を見ていると、会見で選手たちを叱責したバルバリッチ監督の言葉が発奮材料になるのかも不安に思えるほど。「常に抱えている問題」と監督が指摘する様々な課題に対しても、愛媛は何の打開策も示すことはできていない。しかし当然ながら、このままでよしとすることは到底できない。試合が終わっても、そして選手たちがクールダウンを続ける間も、信じて歌い続けてくれたサポーターの声援を裏切り続けることはできないはずだ。あの歌声がこの日のように夜空に空しく響いてしまわないようにするためにも、再びニンスタで行われる日曜の大分戦で意地を見せるしかない。
以上
2011.10.27 Reported by 近藤義博
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