10月26日(水) 2011 J2リーグ戦 第7節
草津 1 - 1 横浜FC (19:04/正田スタ/2,064人)
得点者:3' 熊林親吾(草津)、87' カイオ(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch184 10/27(木)後05:30〜
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時間とともに蓄積されていったストレスは後半42分にピークに達した。草津は前半早々に奪った虎の子の1点を残り3分(そのほかアディショナルタイム3分)までかろうじて守っていたが、土壇場でセットプレーから痛恨の失点。行き場のない苛立ちと失望は、大きなため息となって木枯らし舞うスタジアムを覆い包んだ。
草津がゴールネットを揺らしたのは開始3分だった。草津はペナルティアーク付近でFKのチャンスを得る。「横浜FCの壁と構成と、GKの位置をみて左上を狙えば確実に入ると確信していた。枠を外れないように蹴るだけでよかった」(熊林親吾)。名手・熊林がゆったりとしたフォームから正確なキックをゴールマウスへと収めて先制に成功する。草津は喉から手が出るほど欲しかった先取点を得て、ゲームの主導権をつかむかに思われた。
草津は自陣で守備ブロックを形成、横浜FCの攻撃を受けてショートカウンターを繰り出すエコなサッカーを試みる。だが疲労が残るチームの前線からのプレス網にほころびが見えて、うまく相手を囲い込むことができない。また萬代宏樹、アレックスを起用した新3シャドーが機能せず、効果的な攻撃が演出できない。時間の経過とともに横浜FCに押し込まれた草津は、相手の決定力不足に助けられながら前半を終える。
相手にリズムを奪われながらも草津は耐え続けた。後半10分には熊林の意表をついたロングシュートがGK関憲太郎の腕からこぼれてゴールラインを割ったと思われたがノーゴールの判定。運にも見放された草津はじわじわとDFラインが下がっていく。「前半から守備に追われて足が奪われてしまった」(松下裕樹)。草津は交代策でも流れを変えることができず終盤へと向う。
そして警戒しなければいけないセットプレーから最悪のシーンが生まれてしまう。後半42分に左CKを与えた草津はニアからのこぼれ球をカイオに叩き込まれる。「終了間際の時間帯で甘さが出てしまった」(副島博志監督)。呆然とする選手たちはアディショナルタイムを含めてその6分後に試合終了のホイッスルを聞き、ピッチへと崩れ落ちた。
横浜FCは開始直後に先制されたものの運動量の上がらない草津に対してボールを支配、前線の決定力に課題は残したものの決定機の数でも草津を大きく上回った。「先に失点してしまったが焦らずにボールをつなぐことができた。追いつくことができたのは大きいが勝てなかったので次は絶対にサポーターに勝利を届けたい」(高地系治)。結果的に10試合連続白星なしとなってしまったが光はみえた。次節岡山戦でトンネル脱出を狙う。
草津は勝点1こそは得たものの順位は13位へと後退、ゲーム内容的にも収穫は少なかった。「先制はしたけど90分を通しての内容からみたら今日の引き分けは妥当な結果だった。悔しいというよりも反省しなければいけない」と振り返った熊林の言葉は正論だ。しかしながらシーズン終盤で求められるのは勝点3という結果。追加点を奪えないのであれば、万策を尽くして1点を守り抜く執念をみせてほしかった。今季のチーム、選手への最終評価を下す時間はもう迫っている。
以上
2011.10.27 Reported by 伊藤寿学
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