10月26日(水) 2011 J2リーグ戦 第7節
鳥取 0 - 1 熊本 (19:03/とりスタ/1,994人)
得点者:53' 大迫希(熊本)
スカパー!再放送 Ch182 10/27(木)深03:00〜
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決勝ゴールを決めた大迫希は、「みんな気持ちが入っていた。リベンジできてよかったです」と笑顔を見せた。とりぎんバードスタジアムでの鳥取戦は、10月10日の天皇杯2回戦で戦ったばかり。そこで0‐3と敗れた熊本は、雪辱への思いをピッチ上のプレーで示し、借りを返す1‐0の勝利を収めた。
熊本は序盤から、前線の3トップがディフェンスラインに激しくプレッシャーをかけ、ビルドアップの段階から鳥取を追い込んでいく。長沢駿に代わって3トップの中央に入ったファビオは、「相手がボールを下げ、ボールが移動している間にプレッシャーをかけるやり方だった。自分だけでなく、武富(孝介)、大迫も一緒になって、うまく相手を追い込むことができた」と振り返った。鳥取に自由を与えない効果的なチェイシングは最終的に、90分間途切れることなく続く。
鳥取は前節、同じくホームで対戦した札幌戦では、同様のプレッシャーを受けた時間帯に、スペースへのロングパスをうまく活用できていた。ハメドや小井手翔太、美尾敦がフリーランで裏のスペースを狙い、相手のプレッシャーが弱まってからは、本来の狙いであるパスをつないで攻めることができていたが、この日は終始押し込まれてしまう。苦しいビルドアップを強いられた戸川健太が「なかなかパスの出しどころがなかった。相手の守備、こちらのパスの受け方、両方に原因があったと思います」、服部年宏が「動き出しが遅いし、(パスの受け手の)顔出しも遅かった」と語ったように、熊本のハイプレッシャーに加え、鳥取のボールホルダー以外の動きが鈍かったため、狙いのはっきりしないロングボールを蹴らされてしまう状況が続いた。
ただ、前々節の岡山戦は同じような状況で前半に2失点し、劣勢が色濃くなったが、この日は熊本の攻撃時のミスの多さに助けられていた。リスタートでの危ない場面はあったものの、そのほかは労せずしてボールを奪い返す場面が多かったため、前半は0‐0で終えることができた。
良い守備を攻撃につなげられず、嫌な流れになりかけていた熊本はハーフタイムに、高木琢也監督が「ミスパスをなくし、ボールをつなぐと、もっと良い状態でいける」「シュートで終わることを意識しよう」「後半も入りから、しっかりいこう」と指示。これらを選手たちが体現したことで、後半の立ち上がりに先制点を奪った。キックオフからプレッシャーを緩めずに迎えた53分、一度は奪われたボールに素早い切り替えからプレッシャーをかけ、ロングボールを蹴らせて奪い返す。それをつないで再度ゴールに近づいたところで、大迫が右45度、約30メートルの距離から、浮き球を捉えてロングシュート。本人が「打った瞬間に入ったと思った」と振り返った一撃は、ドライブがかかってGK小針清允の頭上を破り、鮮やかに逆サイドのネットを揺らした。
リードを奪われた鳥取は、56分に実信憲明が惜しいシュートを放ったものの、その後は思うように敵陣に入っていけない時間帯が続いた。58分に武富に代えて片山奨典を投入し、前線からのプレッシャーを緩めない熊本は、2列目の吉井孝輔や西森正明も前線に出て相手を追い込むなど、鳥取のビルドアップを初期段階で寸断。ディフェンスラインで待ち構える菅沼駿哉が「前線の選手がしっかり相手に寄せてくれていたので、後ろはラインコントロールがしっかりできたし、フォワードとの駆け引きだけをすればよかった」と振り返ったように、常に守備で主導権を握っていた。
鳥取は63分にキム ソンミンを投入したものの、12分に加藤秀典が負傷で鈴木伸貴と交代していたこともあり、残りの交代は82分の奥山泰裕の投入だけ。それでも、熊本の中盤から後ろのラインが下がり始めたこともあり、終盤はゴール前まで迫る場面を作った。しかし、中央やサイドから攻め込んで攻略を試みたものの、熊本の体を張った守りや、自分たちの連係ミスに阻まれ、最後まで1点を奪うことができなかった。
鳥取は、前節の札幌戦勝利の勢いを持続できず、8度目の挑戦で、またしてもリーグ戦連勝はならず。常にプレッシャーを受け、後手に回った攻撃を振り返って、服部は「もう少し(パスを)つなげればいいけど、蹴る勇気も必要。ただ、そこで簡単に蹴らずに、何とかつないで前にいこうという意識は根付いているので、それで結果を出したい」と語った。チーム全体のプレーレベルを、8月から9月にかけての低迷期と比較すると、良い状況、良い時間帯でのプレーは高まっているものの、それを安定して発揮できるレベルには、まだ達していない。コンディショニングも含め、良いときと悪いときの差をなくしていくことが、残りのシーズン、さらにその後の成長に向けて問われる部分だろう。
熊本は、高木監督が「2点目を取りにいくことに対し、もう少し貪欲にいかなければいけないかなと思っています」と語ったように、多くの時間帯で主導権を握りながらも、勝負を決め切れなかった点は課題として残る。とはいえ、「連戦では勝つことが非常に大事。次の試合までにできるだけ良い状態にして、連戦の最後を勝利で終えるように頑張っていきたい」とも語ったように、良い形でつかみ取った結果は、次節の札幌とのアウェイゲームにつながるもの。自分たちにもJ1昇格の可能性は残っており、最終節には鳥栖とのアウェイゲームも。これから終盤にかけて、J1昇格争いをかき回す可能性は十分にある。
以上
2011.10.27 Reported by 石倉利英
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