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【ヤマザキナビスコカップ:決勝 浦和 vs 鹿島】鹿島側レポート:鹿島側FW3人の特長が出た美しいゴールで鹿島が15冠を達成!オリヴェイラ監督も自身初のヤマザキナビスコカップ制覇を成し遂げる。(11.10.30)

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10月29日(土) 2011 ヤマザキナビスコカップ 決勝
浦和 0 - 1 鹿島 (13:10/国立/46,599人)
得点者:105' 大迫勇也(鹿島)
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延長前半もスコアレスのまま終わろうとしたときチャンスは来た。左サイドでパス交換を試みた興梠慎三だが、それに失敗。しかし、そのこぼれ球に100分以上走り回ったとは思えない速さで駆け寄り、再びボールをおさめてしまう。もしかしたら、この時点で勝負ありだったのかもしれない。ゴール前にはディフェンスを背負った田代有三。左の興梠からのパスを胸トラップした田代が、DFラインの裏に飛び出した興梠に再びパスを戻すと、マークしていた山田暢久はその速さに付いていけない。フリーの興梠は落ち着いて中央にクロスを送ると、逆サイドに飛び込んでいたのは大迫勇也。「合わせるだけでよかった」と言うクロスを難なくゴールへ蹴り込み、鹿島が待望の先制点を奪う。それは、田代の高さ、興梠の速さ、大迫の決定力という三者三様の特長が織りなす美しい決勝ゴールだった。

「今年は本当にいろんなことがあった」
キャプテンの小笠原満男がそうふり返るとおり、簡単なシーズンではなかった。震災によりクラブは活動休止に追い込まれ、ホームタウン一帯はあちこちにヒビ割れが走り、断水した地域も多かった。ホームスタジアムであるカシマスタジアムも使用できず、ホームゲームは国立競技場で代替開催しなければならなかった。
活動を休止した影響は予想外に大きかった。選手たちのコンディションは揃わず試合のパフォーマンスも安定しない。世代交代を図りチームの3分の1の選手が入れ替えたが、その連携を深めるための時間は奪われ、らしさを失ったままアジアチャンピオンズリーグではFCソウルの前に惨敗。リーグ戦でも16位まで順位を下げる出だしだった。

しかし、そこから再浮上。田代の高さと増田誓志のフィジカルの強さでゲームの主導権を握れるようになると徐々に勝ちを重ね、大迫や柴崎岳が台頭し、小笠原も復活。いつの間にか、リーグ屈指の陣容に生まれ変わっていた。それが花開いたのがこのヤマザキナビスコカップだったと言えるだろう。大迫は3戦連発で文句なしのMVPを獲得。柴崎も3試合すべてが延長戦となるなか、フル出場してチームのクオリティを保った。

試合後に、サポーターに招き入れられ観客席まで登って歓喜を分かちあったオリヴェイラ監督は、「まず、アントラーズの選手たちにおめでとうと言いたい」と言って会見に入った。いつもは質疑応答から始める監督だが、この日は選手への感謝を口にせずにはいられなかったのだろう。相手が一人少ないなか、点を取るために攻撃のカードを切った直後にこちらも退場者が出る苦しい展開。最終ラインには中田浩二しかレギュラーがおらず、新井場徹がセンターバック、柴崎とフェリペ ガブリエルが両サイドバックを務めるという窮余の策を取らざるを得なかった。にもかかわらず、安定感のある戦いを披露。「全体で共通意識を持って上手くできた」という中田の言葉通り、意思疎通の賜物だろう。指導する監督とすれば、これほど嬉しいことはなかったはずだ。
「僕の決めたことに対して、“受け入れて、やろう”という気持ちを持ってくれたことを5年間の中で感じている」
そう言って、オリヴェイラ監督は選手たちに感謝の意を示した。

これでオリヴェイラ監督はクラブ史上最多となる6冠目のタイトルを獲得。自身初のナビスコ戴冠は、史上単独トップとなる4回目の優勝。そして他のクラブを圧倒する15冠を達成することとなった。しかし、試合後のミックスゾーンでは、すでに勝利の余韻に酔いしれる選手は一人もいなかった。悲願のACL制覇のためには、天皇杯を制し出場権を獲得しなければならず、リーグ戦もまだ終了していない。また試合に出場できなかった選手のなかには悔しさを露わにする選手も見られた。

「嬉しい気持ちは少しだけ浸って、あとは天皇杯だったり、リーグ戦がまだ残っているので気を引き締めてやっていきたいと思います」
チーム最年少の柴崎のコメントが、鹿島というクラブを象徴していた。

以上

2011.10.30 Reported by 田中滋
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