10月30日(日) 2011 J2リーグ戦 第33節
水戸 2 - 2 草津 (13:04/Ksスタ/4,050人)
得点者:13' 塩谷司(水戸)、45'+2 小澤司(水戸)、51' アレックス(草津)、86' 御厨貴文(草津)
スカパー!再放送 Ch182 10/31(月)後08:30〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
----------
☆草津側レポートはこちら
もはや草津は水戸の敵ではない――前半は胸を張ってそう言える内容であった。水戸は中盤で見せるテンポのいいパス回しで草津の緩いプレスをかいくぐり、チャンスを作り出す。さらに前線の鈴木隆行の強さと吉原宏太の機動力に草津DFは対応しきれず、水戸が草津を圧倒する展開が続いた。そして13分、右サイドからのCKを塩谷司が頭で合わせて水戸が幸先よく先制する。
しかし、その後に水戸にアクシデントが起きる。34分、DF裏に走り込んだ吉原がGKと接触。倒れ込んだ吉原のもとにドクターがすぐに駆け付けるものの、肋骨を骨折しており、交代を余儀なくされる。「吉原がいなくなってチーム全体に問題があった」と柱谷哲二監督が振り返るように、吉原がいなくなった影響は“後に”表れることとなる。
吉原がいなくなっても、前半は変わりなく攻め続けることができた。そして、45+2分に西岡謙太のインターセプトから小池純輝に渡り、後ろから追い越す動きを見せた小澤司にパスが送られる。相手を振り切った小澤が鋭く右足を振り抜くと、ゴール左隅に突き刺さり、貴重な追加点を挙げる。まったく草津にサッカーをさせず、水戸の一方的な展開。前半を見る限り、大量得点も十分あり得る展開であった。
だが、後半に入って流れは一転する。「攻守で自分たちからアクションを起こそう」と副島博志監督に発破をかけられた草津の選手たちが勢いよく水戸に襲いかかってきた。前線から激しいプレスをかけ、ボールを取れば、後半から投入されたアレックスにシンプルに放り込んで来る。「2点ビハインドの相手が点を取り返しに激しく来るのは分かっていた」(加藤広樹)こと。しかし、捨て身の草津に対し、水戸は前半同様つなぐサッカーで対応してしまい、草津のプレスの網にかかることとなってしまった。ボールを前に送れず、押し込まれる展開に。そして51分にCKから失点してしまう。
「相手がどう守っているか判断しながら攻めないと」と柱谷監督が言うように、相手が前がかりになっている状態でいかに攻めるのかという共通理解が選手たちには足りなかった。草津は前線からプレスをかけてきたが、プレスをかいくぐると一気にチャンスになり、鋭いカウンターから何度もチャンスを作り出した。だが、単発で終わる攻撃ばかりでたたみかけるような厚みをかける攻撃を繰り出せなかった。つまり、攻撃でアクセントをつけられなかったのである。
そこに吉原不在の影響があった。「吉原が抜け、中盤で(攻撃の形を)作るということが欠けてしまった。2トップとボランチが離れてしまった」と柱谷監督が言うように、トップ下の位置に下がってボールを引き出し、リズムを作り出していた吉原がいなくなったことで、単調な攻撃しか生み出せなくなってしまったのだ。それはあくまで「(替わりに入った)岡本だけの問題でなく、チーム全体の問題」(柱谷監督)。状況に応じた攻撃をチーム全体でできなかったことが勝点2を失う最大の要因となってしまった。
86分に与えた右CKを今度はファーサイドの御厨貴文に頭で合わせられ、同点にされてしまう。終盤、水戸は猛攻を仕掛け、決定機の山を築くものの、草津GK北一真の度重なる好セーブに遭い、ゴールを決めることができないまま試合は終了した。
「誰もゲームをコントロールできなかった」。本間幸司は後半のチームをそう評す。どの試合でも自分たちの流れでゲームを進めることができるようになっている。しかし、そこから相手に主導権を奪われた時に柔軟に対応できないことが勝点を重ねられない大きな原因となってきた。頼れるベテランがいなくなったことで、その課題がさらに浮き彫りとなった。
ただ、今までと違うことは、2点をリードしたということだ。前半、草津を圧倒する展開を見せたことは大きな成長と言えるだろう。後半、博打とも言える捨て身の攻撃に出た相手の勢いに飲まれることとなったが、狙いとしたサッカーをできていたのは水戸であった。後半、カウンターから何度も作った決定機の1本でも決めていたら、結果は異なっていたことだろう。
「とてもいい経験をした」と柱谷監督は語る。宿敵・草津に勝てなかったことは許されるべきことではない。しかし、今季の水戸はすべてが経験。こうした経験を積み上げて、今後に生かしていくことが重要なのである。この試合のような状況でどう戦うべきだったのか。そこに明確な答えはない。大切なことは、選手間で共通意識を持つことだ。それが水戸の伝統となって、どんな状況でもぶれない戦いができるようになる。ベースはしっかりとできている。あとは、色付けをしていくこと。その重要性を提示されたゲームであった。
若き水戸には無限の可能性が広がっている。この試合を経て、また水戸は強くなる。来季の草津との対戦では、90分間前半のような戦いを水戸は見せることができるようになっていることだろう。草津は覚悟して、今後のチーム強化に励んでいただき、ライバルとして食らいついてきてもらいたい。
以上
2011.10.31 Reported by 佐藤拓也













