11月3日(木) 2011 J1リーグ戦 第31節
G大阪 1 - 0 鹿島 (14:04/万博/20,991人)
得点者:57' ラフィーニャ(G大阪)
スカパー!再放送 Ch182 11/5(土)前06:00〜
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「他の試合に関係なく、自分たちが勝たなければ何も始まらない」
試合前からそう話していたのはG大阪のキャプテン、MF明神智和だが、G大阪にとってはその気迫を結果に繋げた試合だったと言えるだろう。我慢する時間帯は我慢し、攻め込む時間帯は共通理解をもって一気に攻め込む。試合を通していい時間、悪い時間の両方で、そういった共通理解を持って戦えたのも、『勝ち』そして『タイトル』に対する選手たちの執念だったと言える。
実際、前半は苦しい時間帯が続いた。しっかりと引いてブロックを作って来た鹿島に対し、G大阪は攻撃の糸口が見つけられず、ボールを保持してもなかなか鋭くゴール前に切り込んでいけない。また守っても、鹿島のロングボールを多用した攻撃に手こずり、というよりは、いつもと違う顔ぶれで構成されたディフェンスラインのちぐはぐさが目立つ中で、鹿島の攻撃にうまくそこを突かれ、ひやりとさせられるシーンも。実際、鹿島は23分にFW大迫勇也のシュートが右ポストを直撃。更に26分には左サイドのMF野沢拓也から絶妙なクロスが前線に送り込まれ、FW興梠慎三がニアに詰めてゴールを狙うなど、回数は多くはないものの決定的なチャンスを再三にわたって作り出す。だが、この日のG大阪は、中盤を含めて守備の意識が高く、DFラインのちぐはぐさによって生まれたギャップもしっかりと中盤の選手がカバーに入って埋めるなどしながら、集中力の感じられる守備を展開。危ないシーンもGK藤ヶ谷陽介を含めた全員でしっかりと耐え、スコアレスで前半を折り返す。
「ドローの試合をプランしている訳ではない。自分たちで仕掛けて行く姿勢が必要だ!」
という西野朗監督のゲキに背中を押されて迎えた後半。G大阪はスタートからMFキム スンヨンに代えて、ケガから復帰のDF加地亮を投入。武井択也を中盤の一角に据えることで、前半はパワー不足が感じられた中盤での運動量、ポゼッション、攻撃のテンポアップを図る。そんな中、待望の先制点は57分、FWラフィーニャ。鹿島のコーナーキックからの展開から、中盤のMF武井が左サイドのスペースに絶妙なパスを送り込むと、ボールを受けたDF藤春廣輝が一気に加速して前線へ。そのまま左サイドから送り込んだドンピシャのクロスにFWラフィーニャが頭であわせてゴールをこじ開ける。
このゴールで気持ち的にも楽になったのだろう。その後も落ち着いて試合を運んだG大阪。しかも74分に鹿島のDF西大伍がこの日2枚目のイエローカードで退場になったことで数的優位に立つと、完全に試合の流れをつかみ取る。一方、ビハインドを負った鹿島は、前半を含めて攻守に共通理解の感じられる安定した試合運びをみせていたが、先制点、そして退場者を出したことで流れが一転し、形勢は苦しくなるばかり。それでも、何とかゴールをこじあけようと、攻撃への姿勢を示すが、ヤマザキナビスコカップ決勝から中4日での連戦による疲労に加え、数的不利による個々の消費も激しく、ミスも出て攻撃がテンポアップしていかない。アディショナルタイムに入ってからの最後の攻撃チャンスも、MF遠藤康のシュートはG大阪GK藤ヶ谷の手中にしっかりと捉えられ、試合終了。ヤマザキナビスコカップ覇者に輝いた勢いを、J1リーグ戦に繋げることは出来なかった。
以上
2011.11.04 Reported by 高村美砂













