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【第91回天皇杯 3回戦 磐田 vs 千葉】レポート:“焦燥感”がヤマハスタジアムを支配。思うように攻撃のテンポを上げられなかった磐田には“妥当”な結末が待ち受けていた…。(11.11.17)

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11月16日(水) 第91回天皇杯 3回戦
磐田 0 - 1 千葉 (19:00/ヤマハ/2,548人)
得点者:67' 米倉恒貴(千葉)
★第91回天皇杯特集
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ピッチ上の焦燥感はスタンドのサポーターにも伝わっていただろう。攻撃のテンポが上がらず手詰まりとなるとスタジアムには深いため息が漏れ、前方へチャンレンジせずにバックパスを選択した選手には厳しい声も飛んだ。ボール保持率では明らかに相手を上回っていたものの、結局最後まで千葉のゴールネットを揺らすことができず、磐田の2011年シーズンは12月上旬で幕を閉じることになった。

磐田は直近のリーグ・浦和戦からの3選手を入れ替えている。日本代表メンバーの駒野友一、前田遼一のポジションにはそれぞれ山本脩斗、ジウシーニョを起用。また、中盤では今季途中に大怪我から復帰した西紀寛を中2日となる連戦で起用することは現実的に難しく、山本康裕を右MFとしてスタメンで起用。「(五輪代表選出により)自分自身にとってリーグ戦は(12月の)残り1試合。もっとサッカーをしたいという気持ちがあったし、天皇杯に懸ける思いがあった」(同選手)と試合後のミックスゾーンで心境を語っている。

対する千葉も直近のリーグ・鳥取戦のメンバーから数名を入れ替えてきた。[4-3-3]という布陣はそのままにDF、MF、FWの組み合わせをそれぞれ変更。最終ラインではセンターバックにマーク ミリガンと青木良太、右サイドバックに竹内彬を起用。中盤にはアンカーに佐藤勇人、一列前のインサイドハーフに村井慎二、山口慶を置き、前線の中央に久保裕一、右に林丈統、左に米倉恒貴という配置でこの一戦に臨んだ。

ゲームは序盤、双方がプレッシャーをかけ合い、互いにロングボールを蹴り合う展開となった。最終ラインからシンプルに前線へボールを入れる場面が多く見られたが、両者ともDFラインを中心にしっかりとした守備を見せ、相手の攻撃を潰し合う時間帯が続く。均衡した展開はその後、時間の経過と共に“攻撃の磐田・守備の千葉”という構図へと徐々に変化していったが、フィールドプレーヤー10人でタイトな守備ブロックを形成する千葉に対し、磐田は決定的なチャンスを見出すことができない。

柳下正明監督が「シュートや仕掛けが少なく、ボールを保持して押し込んでいたもののチャンスはなかった」と前半の戦いを悔やんだ通り、前半のシュート数はわずか2本。ただし、守備の集中力は切れず、前半千葉に許したシュートは村井慎二のミドルシュート1本のみ。結局、両チームが攻め手に欠いたまま前半を折り返すことになった。

0-0というスコアでプレッシャーを受けるのはJ1クラブであり、ホームゲームである磐田だ。「前半を抑えられたことが一番大きかった」と勝因を語るのは千葉・神戸清雄監督。「先取点を取られると精神的にも苦しくなる」(同監督)格上との戦い方を熟知していた。ハーフタイムに負傷により佐藤勇人を下げることを余儀なくされたが、交代出場した伊藤大介が遜色ない動きを見せ、全体のリズムを維持。64分には坂本將貴を中盤に投入し、あくまで守備からリズムを作るスタンスを変えることはなかった。その姿勢が攻撃面にも波及することになる。67分、坂本からパスを受けた左サイドバック・渡邊圭二がゴール前へクロス。これを受けた米倉がボールを上手くコントロールし、反転しながら右足でシュート。「(クロスを)そのままシュートに持ち込んでもよかったのですが、状態的に難しかったのでターンして打った」というコントロールショットが相手ゴールネットに突き刺さり、ついに均衡が破れた。

ここからは1点ビハインドのホーム・磐田が交代カードを切りながら怒涛の攻撃を仕掛ける。70分、山本脩に代え金園英学を投入し、前線に配置。山本康を右サイドバックに、ジウシーニョを右MFにそれぞれスライドさせて攻撃のてこ入れを図る。さらに74分にはジウシーニョに代え船谷圭祐を中盤に入れ、83分には藤田義明を下げて荒田智之を投入し、前線の枚数を増やして攻勢に出た。しかし、交代カードを使いきった後にアクシデントに見舞われることになる。この試合、チーム最多の5本のシュートを放っていた山田大記が足を痛め、退場。1人少ないままゲームを続行することを余儀なくされ、万事休す。最後はパワープレーで強引に相手ゴールをこじ開けようとするも、自陣で守りを固める千葉に弾き返され、試合終了。

主将・那須大亮は「相手がブロックを作っている中でどう崩すかという部分が今日のポイントだったし、あそこを崩しきれなかったのがチームとしての反省点」とゲーム全体を振り返ったが、90分を通じてここまで高い守備意識を持ったチームとの対戦は今季初めてである。後半、山崎亮平や山本康の強引なドリブル突破など個人技でビッグチャンスを数回作ったものの、決定力に泣いた。「実力不足です」と肩を落としたのは最後までゴールに向かう姿勢を見せた山崎。川口能活も「今年こそ天皇杯のタイトルを、という思いが強かったのですが…」と唇を噛み締め、「決めるところをきっちり決め、守りきるところをきっちり守らないと」と嘆くしかなかった。

代表組を欠いた一戦で直面したのは攻撃の停滞である。両選手の偉大さを改めて感じざるを得ない結果となったが、これは両選手がピッチにいても同様だろう。残念ながら『駒野、前田を抑えることができれば…』との思いで磐田との試合に臨むクラブは少なくないはずだ。リーグ戦、カップ戦と納得できない結末を迎えることになったが全体のさらなるレベルアップは急務である。チームの現状が浮き彫りとなった敗戦でもあった。

以上

2011.11.17 Reported by 南間健治
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