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【第91回天皇杯 3回戦 浦和 vs 東京V】レポート:「残留につながる仕事がしたい」原一樹が2ゴールでアピール。主力大量温存も浦和が東京Vに競り勝つ。(11.11.17)

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11月16日(水) 第91回天皇杯 3回戦
浦和 2 - 1 東京V (19:00/埼玉/7,427人)
得点者:56' 原 一樹(浦和)、64' アポジ(東京V)、86' 原 一樹(浦和)
★第91回天皇杯特集
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週末の仙台戦に向けて主力温存の浦和が、東京Vに競り勝った。勝利に導いた原一樹の2発は、リーグ戦で残留争いが続く厳しい状況のチームに明るい風を吹き込んだ。

浦和は、リーグ戦の前節・磐田戦の先発メンバーから、DF高橋峻希、濱田水輝、山田暢久、小島秀仁以外の7選手を入れ替え、主力を休ませた。また、ボランチが本職の青山隼を初めてセンターバックで起用、先発の矢島慎也らユース所属の高校生4人をメンバー入りさせるなど、リーグ戦とは全く異なるチーム編成で挑んだ。

前半は、「自分たちの狙った通りのゲームで進めていた部分があった」と堀孝史監督が語った通り、特に守備面で、巻誠一郎の高さ、阿部拓馬のスピード&テクニックを生かした攻撃を狙いとする東京Vの攻撃への対応はチームとして統一できていたのではないだろうか。右サイドのアポジのスピードに振りきられる場面は何度かあったが、巻、阿部という決定的な仕事をする2トップに効果的なボールをほとんど入れさせることはなかった。また、「前半はヴェルディが中をしめてきたから、できるだけボールを回して相手の2トップを走らせて疲れさせようと思っていた」(山田直輝)というDFラインの意図は奏功したと言えよう。

0−0で折り返した後半、ハーフタイムでマラニョンを投入した東京Vに、立ち上がりから主導権を握られ、守勢を強いられることとなったが、後半11分、原がカウンターを仕掛けると、入ったばかりの高崎寛之が斜めに流れながら並走。相手DFを引きつけたことで開いたシュートコースに原は見事な左足のシュートを突きさした。

後半19分に同点に追い付かれるものの、「前半あれだけボールを回せてて、相手のFWも疲れていた。それが後半、ジャブのように効いてきたんだと思う」と、原が語った通り、東京Vの攻撃陣の運動量が明らかに落ちてきたところで生きたのが山田直だった。前半こそ、「今日は前の方に個性の強い選手が多かったから、自分が出ていくよりも、パスを出したり、後ろに控えていてフォローできればと思っていた」と、相手が中を固めてきたため無理に前に出ることはしなかったが、時間の経過とともに徐々にスペースが空いてきたことで、起点となってボールを持って上がり、チャンスを生み出すシーンが増えてきた。

そして浦和は後半41分、マゾーラの突破でペナルティエリアぎりぎりのところで直接FKを得ると、決めたのはまたしても原だった。濱田・小島が壁の前で膝立ちし、GK柴崎貴広の視界を遮る、浦和にしては珍しいトリックセットプレー。「あれは、その場のみんなのイメージでした。GKに見えないように直輝がうまく指示を出してくれた」鮮やかにゴール右隅へ決め、チームを4回戦へと導いた。「結果的に僕が点を取りましたが、チームの得点です」。どちらの得点も、仲間の援護があっての物だと強調した。

浦和は、中2日でJ1残留がかかるリーグ第32節・仙台戦を控えている。恐らくそこに照準を合わせているであろう、この試合をスタンドから観戦した主力組は、どのような思いを抱いただろうか。試合後、U-22日本代表に選出されているため、チームを離れざるを得ない山田直は、原の活躍やユース選手の奮闘に「Jに出ていない選手が活躍して、スタンドで見ていた主力選手たちも、『うかうかしていられない』って思ってくれたと思う。良い刺激を与えることができたと思います」と語り、チームメイトの勝利を信じて五輪予選へ向かった。この試合を戦ったメンバーは、4回戦進出という結果を残すことで、いま“浦和レッズの選手”として自分のできる役割を最大限果たしたと言えるのではないだろうか。彼らが注ぎ込んだ明るい灯りを、最も重要と位置付けるリーグ戦で、残留への光へとつなげられるか。今後の戦いにぜひ注目したい。

東京Vにとっては、残念ながら「煮え切らないゲーム」(巻)となってしまった。佐伯直哉、菊岡拓朗、河野広貴といった主力を故障で欠いた影響もあり、特に前半は、「都会のチームと初めてやるようなサッカー」だったと川勝良一監督が評したほど、“よそいき”の形となってしまった。当然、ストロングポイントでもある巻、阿部への対応を浦和が徹底してきたこともあったが、それ以上に「ボールを受けたがらないような選手が何人かいた」(川勝監督)ことが、本来の自分たちのスタイルを消してしまったようだ。業を煮やしたDFの土屋征夫が何度もオーバーラップしなければならなかったことが、その何よりの証拠と言えるのではないだろうか。
後半、指揮官はマラニョンを頭から入れ、左サイドの中谷勇介、阿部をそれぞれ一列ずつ下げて変化をつけると、これがすぐに効果を発揮し、ボールが動くようになる。前半から効いていた右でのアポジのスピードを使った速い攻撃と、一方で中谷、小林祐希、阿部、マラニョンが絡んだ連携からの形で何度かゴール前のシーンを作り出せるようになったが、やはり自分たちの時間帯で決定的チャンスを決め切らないことで、先制を許してしまった。

それでも後半19分、高橋祥平のドリブルからアポジが決め、同点に追いついては見せた。が、その後も訪れた勝利のチャンスで逸機を続け、東京Vの2011年天皇杯は終了した。

リーグ戦前節の敗戦で今季のJ1昇格の目標が絶たれ、強い悔しさと不本意な思いを抱えていたただけに、J1チームとの対戦結果がある意味自分たちの力のバロメーターとも言えたが、残念ながら“ヴェルディサッカー”の本当の顔で勝負することができなかった。

また、主力がほとんど出場しなかったにもかかわらず、パスを受けた際に受ける、背後からの寄せの早い相手守備への対応に戸惑い、思い通りにボールコントロールできず奪われる、または後ろにボールを戻させられるというシーンが、特に若い選手には何度も見られた。当然、慣れればクリアされる部分だろうが、そここそが、J1とJ2の大きな差ではないだろうか。
この結果を「今の自分たちの力」だと真摯に受け止め、悔しさを今後への糧にしていくしかない。

以上

2011.11.17 Reported by 上岡真里江
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