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水戸が新たな歴史を刻んだ。
16日に行われた天皇杯3回戦G大阪戦。延長戦の末、3対2でG大阪を下して4回戦に駒を進めたのだ。J1チームから公式戦で勝利を挙げたのはクラブ史上初。その相手がJ1で優勝争いを繰り広げているG大阪ということで、勝利にさらに箔がつくこととなった。
勝利を挙げたことだけがクローズアップされているが、特筆すべきは水戸が“いつも通り”のサッカーでG大阪を倒したことである。G大阪の強力な中盤を相手に水戸は一歩も引くことなく、果敢にプレスをかけていった。そして、中盤の主導権争いで優位に立ち、村田翔と西岡謙太のボランチを起点に攻撃を組み立てて攻め立てた。シュート数20本対19本という数字が示すように、決して“守って勝った”わけではない。むしろ、決定機の数は水戸の方が多く、ゴールポスト直撃のシュート3本のうちいずれかが入っていれば、90分で水戸が勝っていた可能性が高いと言い切れるほど、質の高いサッカーでG大阪を撃破したのである。J1の強豪チーム相手でも通用する力をつけていることを証明してみせたのであった。
しかし、すでにG大阪戦は過去のこと。気持ちを切り替えないといけないのは言うまでもない。今節は栃木との北関東ダービー。「G大阪に勝って栃木に負けることは許されない」(塩谷司)のである。「(G大阪に勝って)浮かれている暇はない。ダービー3連覇がかかっている」と語る塩谷をはじめ、選手たちは気を引き締め直している。ただ、G大阪戦で大きな自信を手にしたことは間違いない。その勢いのまま、栃木戦に向かいたい。
懸念されるのは選手のコンディションだ。12日にはFC東京とハードな戦いを繰り広げ、16日にはG大阪とアウェイで120分の死闘を演じた。G大阪戦終盤で足をつる選手が数人出たということからも選手たちには相当な疲労度が溜まっていることが分かる。「選手たちは疲れているので、メンバー構成も考えないといけない」と柱谷監督は今節に向け、頭を悩めることとなりそうだ。
しかし、今の水戸はそうした状況でも力を出し切るだけのメンタリティーを備えているはず。G大阪戦の決勝点の場面、左サイドのクロスに対して飛び込んだのは右MFの小池純輝であった。それまで何度もゴール前に顔を出し、チャンスに絡み続けた小池が最後の最後で結果を残したのである。第33節草津戦でチャンスを外し続けた際、小池はこう言っていた。「外したことはダメだけど、動きを続けることが大事。そうすれば、必ず結果を出せると思う」。ミスをしても下を向くことなく、前を向いてプレーを続けることの重要性を小池は自らのプレーで実証してみせた。「相手がどこだろうと関係ない。自分たちのやるべきことをやれるかどうか。すべてはそこからはじまる。自分たちからアクションを起こしていかないといけない」と小澤司は言い切る。今節、体力的に厳しい試合だが、G大阪戦同様自分たちがやるべきサッカーをさぼらずにやり抜くことが勝利の条件となる。
G大阪戦後、選手たちは勝利に喜びながらも、こう実感したという。「1つ上の世界を知ることができた。FC東京の選手も、G大阪の選手もやはりレベルが高かった。僕らはそこに達しないといけない。勝ったけど、まだまだ差がある。本気でJ1で戦えるだけの力をつけないといけない」(塩谷)。G大阪に勝利したことで、さらに強くなった上昇への渇望。満足している空気はチーム内にはない。もっとうまくなりたいという思いで満ち溢れている。だからこそ、今節はG大阪戦以上の力を栃木にぶつけることが求められる。G大阪撃破に続き、前人未到の北関東3連覇を達成してまた新たな歴史の1ページを築きたい。
水戸は立ち止まらない。前へ前へと進むだけだ。
以上
2011.11.19 Reported by 佐藤拓也













