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『SAVE OUR VERDY』を合言葉にクラブ存続のために集客キャンペーンをうち、25,110人という大観衆を集めた昨季第34節vs千葉戦(11月14日)から丸一年が経った。存続危機を乗り越え、今季もまた変わらず無事に【東京V】としてJリーグを戦い、ここまでこれたのは、当時足を運んでくれた東京Vサポーター、千葉サポーターはもちろん、他クラブのファン・サポーター、その他多くの方々の協力があったからである。昨季のお礼、そして日頃からの感謝の思いを伝えるために、昨年と同じカードである今節vs千葉戦では『THANK YOU VERDY MATCH〜東京ヴェルディ大感謝祭〜』と銘打ち、東京Vでは再びの集客大作戦を行ってきた。
前節の京都戦での敗戦で、東京Vは不本意ながらJ1昇格の目標が断たれてしまったが、昨季対戦で25000人の観客を前に勝利を見せられなかった“借り”を返す義務が残っている。厳しく、苦しみながらも、“来季”を信じてただ必死に自分たちのサッカーを追求した昨季。『原点』にいま一度立ち返り、昨季からの成長と勝利を見せるために闘うことは、プロとしての残り3試合のモチベーターとしては十分だろう。前日の時点では、15000人の観客が見込まれているという。「千葉には去年の2試合も負けてるし、今年も前の試合引き分けと、J2になってから勝ったことがない。お客さんもたくさん入ってくれると聞いている。今度こそ絶対に勝たないと!!」と、富澤清太郎は勝利を誓った。
千葉が相手となれば、人一倍燃えているのが巻誠一郎だ。「本当であれば、昇格争いをしている中でこの試合を迎えられれば最高だったと思います。それでも、昇格がなくなってしまっても僕にとっては特別な意味のある試合で、モチベーションはまったく落ちていません。最高のパフォーマンスを見せられるよう、良い準備をしたい」。と、静かながら、でも強い口調で決意を口にしている。9月4日の前回対戦時は、加入間もない頃でコンディションも整わず、後半のアディショナルタイムだけの出場に止まっているが、16日(水)行われた天皇杯3回戦vs浦和戦も含め、ここ5試合連続で先発フル出場するなど、今ではすっかりチームの中心戦力となっていることもあり「今回は、前よりもっと長い時間出られそうだし、状態も良いから嬉しい。東京Vの中での僕のプレーをぜひ見て欲しい。そして、『あいつめ!』でも、『頑張ってるなぁ』でも、何でもいいので、とにかくいろいろなことを、僕のプレーを見て、みなさんに感じてもらいたいです」と、熱く意気込みを語った。
天皇杯・浦和戦、特に前半では、ゴール前までの回数は作りながらも「その道のりというか方法があまりにも淡白で、単調になりすぎた」と、川勝良一監督は述べている。また、ゴール前のシーンについても、前節の京都戦を例に挙げ、「前でタメが作れないから、どうしても1回で攻撃が終わっちゃう」と、河野広貴は振り返る。こうした反省から、「流れが悪い時は、相手の裏を狙ったりしながら、逆にこっちに流れがある時は幅を作ってスペースにボールを出したり、とにかく“流れ”に沿った攻撃をしたい」(高橋祥平)、「もうちょっとドリブルとかで時間を作りたい」(河野)、「スピードあるアポジに選択肢を増やしてあげられるように、できるだけ付いていってあげたい」(巻)など、それぞれが変化と厚みを意識している。巻の高さ、強さ、阿部拓馬の速さ、巧さ、河野のドリブル、テクニック、アポジのスピード、突破力など、前線には個性が溢れているだけに、互いを生かし合ったゴールシーンに期待したいところだ。
対する千葉は前節、ようやく7試合ぶりの勝利を手にした。だが、決勝点となった1点はPKによるもので、リーグ戦ここ6試合で流れから奪った得点が前々節・大分戦での1点というのは厳しいと言わざるを得ない。
しかし、監督が第32節から代わり、目指すサッカーも、前線のターゲットへのロングボールを中心としたサッカーではなく、「つなごう」の意識を高めたスタイルへの転換が見られる。パスをつないでのゴール前までの良い形は試合ごとに増えているだけに、あとはフィニッシュを決めきるかが焦点となりそうだ。
そこで大きいのが、オーロイ、大島秀夫といった、ポイントゲッターの戦列復帰だろう。前節vs鳥取戦でオーロイが17試合ぶりに先発に、後半の45分間は代わって大島が、それぞれ復帰している。以前のような前線に放りこむばかりの戦い方とは違うとはいえ、やはりターゲットになる選手が加わることが強みとなるはずだ。そのターゲットに相手DFを引きつけさせ、空いた周りの選手がゴールを狙うという形も鳥取戦では見られただけに、彼らの高さをどのように使ってくるのか。また、204cmのオーロイは競ればほぼ勝てるだけに、深井正樹、米倉恒貴、伊藤大介らの精度高いサイドからのクロスも十分生かしたい。それに対し、「ウチとしては、とにかく長身選手が落とした後のセカンドボールを拾うことが大事」と、土屋征夫は東京Vの守備ポイントの一つに挙げる。相手が強ければ強いほど燃えるタイプの東京Vの土屋・富澤両センターバックとの攻防は、ぜひ注目してみたい。
前節の鳥取戦後、勝利しながらも、「情けないです。この勝利を喜んでいいのか複雑です」と、マイクに向かって語った佐藤勇人の言葉が非常に印象に残っている。笑顔なき勝利を繰り返さないよう、しっかりと自分たちの目指すサッカーで戦い抜きたい。
以上
2011.11.19 Reported by 上岡真里江













