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いよいよ、シーズンのクライマックスだ。2011年のJ2リーグのすべてを決める最終節、札幌ドームではすでに優勝を決めた首位・F東京と、勝点65で3位につける札幌が対戦する。札幌は4位の徳島と勝点で並びながらも、得失点差で2上回っている。同時刻に開催される岡山−徳島戦の推移をベンチが睨みながらという、最終節ならではの緊張感あふれる攻防が繰り広げられること必至だ。
ホームの札幌は前節、敵地で湘南と対戦して2−0のスコアで勝利。もし敗れてしまうと昇格争いで一気に窮地に追い込まれてしまうという、重圧のかかる試合ながらも、近藤祐介の落としから古田寛幸が冷静に決めて先制するとその後はゲームをコントロール。終盤には相手の隙をついて宮澤裕樹が加点し、着実に勝点3を積み上げてみせた。「プレッシャーのあるなかで、みんなアグレッシブに戦えた結果」とキャプテンの河合竜二は振り返る。昇格争いの直接のライバルである徳島が翌日に鳥栖に敗れたこともあり、3位争いをより混戦にしている。
「今シーズンは本当によく選手たちが頑張ってくれた。何とか結果を出させてあげたい」。シーズン終盤にきて、石崎信弘監督がそう口にした。オフに主力の多くが移籍をし、シーズン序盤は成績的には低調な滑り出しだった。期待されたブラジル人選手もフィットしきれず。しかし、夏場以降から一気に調子を上げ、急浮上。堅守をベースとした粘り強いチームスタイルと、システムチェンジやポジションチェンジを積極的に敢行する指揮官のベンチワークがガッチリと噛み合い、昇格争いに加わることに成功した。その原動力の一躍に担っているエースの内村圭宏は「今シーズンのウチは堅い守備を生かして勝ってきた。最後までそのスタイルでチャンスを掴み取りたい」とこの大一番への意気込みを明かしている。
一方、12月の北海道に乗り込むF東京の前節はホームで千葉と対戦し、1−0の勝利。優勝、昇格すでに決めているチームというのは往々にして残り試合で集中力を落としてしまう場合もあるが、このチームはそんな隙を見せることなく、安定した戦いぶりで千葉を退けている。
「前半は堅い守備を崩せなかったのですが、今年やってきたことが実ったと思う。後半は運動量も含めて落ちることもなかった」と大熊清監督。今シーズンのF東京は能力のある選手に球際の強さなどを植え付け、チームを原点回帰させながらブラッシュアップもすることで力をつけてきた。序盤は歯車が噛み合わない時期もあったが、最終的には戦力の高さをしっかりと見せつけた格好だ。
内容としてもシーズン中盤以降はほとんどの試合でゲームをコントロール。9月以降に至ってはここまでわずか1敗と、圧倒的な力を示している。文句なしの今季のJ2最強チームだ。
さて、そんなチーム同士が戦うこの試合だが、F東京にとってももちろん大事な一戦ではあるが、やはり昇格を争う札幌にとってのビッグゲームになることは間違いない。果たして、どういった展開になるのだろうか。
「点の奪い合いになったら、分が悪いじゃろうな」。札幌の石崎監督はそう予想する。エースの内村も「今シーズンの札幌は堅い守備を武器に勝ち抜いてきた。最後もそのスタイルで戦い抜く。何とか先制点を奪って、こちらの有利な展開に持ち込みたい」と目論む。今シーズンのJ2では最少失点チームがF東京で、2番目が札幌。どちらも守備の固いチームであるため、札幌がF東京の攻撃をうまくいなすことができれば、狙い通りにロースコアゲームに持ち込めるかもしれない。
ただし、そこで影響するのが岡山−徳島戦のスコア推移だ。状況によっては、札幌はロースコアではいけない可能性もあり、攻めに出る必要も生じてくる。もちろん逆に、ドローでもミッションクリアーとなる可能性もある。どの選手も「勝つことしか考えていない」と口にするが、F東京の力を考えれば、無理に得点を奪いにいった場合には手痛いカウンターパンチを食う可能性もある。このあたりは、岡山−徳島戦の情報を仕入れながら、戦略を企てていくことになるだろう。
果たして、タイムアップの笛がなった瞬間に札幌はどういった結末を迎えるのか。ハッピーエンドを迎えるのか、それともF東京という難敵に阻まれてしまうのか。
シーズンのクライマックスに相応しい、好カードである。
以上
2011.12.01 Reported by 斉藤宏則













