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【J2:第38節 富山 vs 横浜FC】レポート:最後の最後に意地をみせた横浜FC。目標達成を逃した富山も勝利への強い意志を行動で示した。(11.12.04)

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12月3日(土) 2011 J2リーグ戦 第38節
富山 0 - 2 横浜FC (12:34/富山/4,493人)
得点者:89' 難波宏明(横浜FC)、90'+3 難波宏明(横浜FC)
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終了直前で勝負が決した。富山は目標の13位達成をあきらめず、リスクを負って攻めた。逆に失点したが、望みをかなえるために自ら動いた姿勢は称えることができる。Jリーグ3年目を16位で終えた。横浜FCは18位が確定。勝利への執念をみせて最後にチャンスをものにし、来季への希望を灯した。

立ち上がりから拮抗した攻防が続いた。雨の影響でピッチ状態は悪かったが、両チームとも特長である前線からのプレッシングを根気強く繰り返した。
富山は今季徹底してきた「相手の最終ラインへ仕掛ける」攻めを遂行。全員がFW苔口卓也ら前線の動きを常に意識し、ボールを奪うとスピーディーに縦へと送った。24分、MF大西容平が苔口とのワンツーでペナルティーエリアに侵入したが、左足からのシュートはGKの正面をついた。26分にも大西が右ポストを直撃するミドルシュートを放ってゴールを脅かした。
横浜FCもツートップをはじめ各選手がボールを受けるための動きを丹念に繰り返し、次第にパスがつながるようになる。35分、FW難波宏明の落としたボールにMF佐藤謙介が走り込んでGKと1対1になるなど好機をつくった。

後半も交互に攻め合って、横浜FCは同13分に難波のミドルシュートが際どくゴール左を襲う。富山も同16分に左からのクロスにファーサイドからMF朝日大輔が詰める。23分にはスルーパスで抜けたMF木本敬介が至近距離から狙ったがGK関憲太郎に阻まれた。
富山はFW平野甲斐を投入し、攻撃バリエーションのひとつとなったパワープレーで攻勢を強める。38分、大西のクロスにMF吉川拓也が頭で合わせたがシュートはゴール上に外れ、40分にも平野と朝日がゴールに迫った。DFを削って今季で引退するFW永冨裕也もつぎ込んだが得点することはできなかった。「攻撃には迫力があったと思うし、今季やってきた成果が表れていた。富山らしさは出せたと思う。しかし、決めるところで決める、通すところで通すことができなかった」(MF谷田悠介)。
好機は作るが決め切れず、悪い面で今季を象徴するようなゲーム。総得点36はリーグ18位タイで昨年を3点下回った。

両チームの今季を反映させるならスコアレスドローが妥当だったかもしれない。しかし、失意のシーズンに耐えてきた横浜FCが意地をみせた。後半44分、カウンターからFW三浦知良が右サイドへラストパス、難波が決めて先制した。アディショナルタイムにもMF寺田紳一から受けた難波が蹴り込んで2点目を挙げた。
岸野靖之監督が「我慢比べになる」と思っていた通りの苦しい試合だった。しかし、岸野イズムを体現するかのように序盤から精力的に走り回った難波が最後に仕事をやり遂げ、チームのシンボル的な存在である三浦がアシストで絡んだ。難波は「リーグ終盤にはなったが、チームのかたちを作り上げようと取り組んできた。来季につながると思う」と話した。

試合後の会見で岸野監督は「チームに競争原理を働かせることができなかった」と自らを責め、「サッカーに捧げ、魂を込めなければいけない。サッカー選手として自分の地位を築いてほしい。そして、人間として仲間を大事に思い、助けることを学んでほしい。それが1本のパスになる。サッカーはチームスポーツなのだから。そういう選手をたくさん作りたい。それこそがチームが強くなるために大事なことだと思う」と話した。
情熱的な言葉と語り口は横浜FCの来季を期待させるに十分なものだった。
同時に敵将の言葉をかりて今季の富山の歩みが確かなものであると言える。切磋琢磨してまとまったチームを作り上げた。16位、11勝10分17敗、36得点53失点。そして数字では表すことができない喜怒哀楽とともに2011年シーズンがクラブ史に刻まれた。

以上

2011.12.04 Reported by 赤壁逸朗
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