ホームゲーム開幕戦となった３月17日、とりぎんバードスタジアムのホーム側ベンチに、16番と18番、２つのユニフォームが飾られた。16番はキム ソンミン、18番は鈴木伸貴。いずれも負傷による長期離脱中で、現在はチームを離れ、それぞれ別の場所でリハビリを行っているのだが…。
昨季まで鳥取はホームゲームの際、試合開始前の控室での円陣は、当日の先発とベンチ入りメンバー、スタッフだけで行っていた。しかし今季は、スタジアム入りしているベンチ外メンバーも、いったん控室に入り、ともに声を掛け合ってからピッチに出ていくことに。この日の試合前も、試合に臨むメンバーから、スーツ姿のベンチ外メンバーに「みんなも（円陣に）入ってこいよ！」という声が掛かり、全員で肩を組んで気合を入れた。
しかし、スタジアムにいる選手は26人で、リハビリ中の２人は円陣に加わることができない。ベンチにユニフォームを飾ろうというアイディアは、選手間から出てきたもの。これによって、今季登録されている28人全員で、戦いに臨むことができたのだ。
結果は残念ながら町田に完封負けとなり、１分２敗の苦しいスタートとなった。しかし翌日の練習では吉澤英生監督があらためて、全員で戦っていく意識を強調。それはもちろん、26人ではなく、28人。苦しい時期を乗り越える時も、喜びを分かち合う時も、そこには28人、全員の思いがある。

以上

2012.03.19 Reported by 石倉利英