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【J2:第7節 横浜FC vs 山形】プレビュー:明確化された戦い方をぶつけ合い、勝点3を狙う。「サクラサク」を手にするのは横浜FCか山形か。(12.04.08)

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今シーズンのJ2も第7節となり、スタートの段階は過ぎたと言って良い。良いスタートを切れたクラブはそのスタートを確固としたものとする時期であり、そうでないクラブは希望を繋ぐために早い立て直しが求められる。この試合で対戦する山形は前者、横浜FCは後者だ。山形が良いスタートを切れた理由は、戦い方がはっきりしていて強みを100%出そうとしていること。そして、横浜FCは、現在、山口素弘監督の下ではっきりとした戦い方という武器を磨いている。この試合は、その「明確化された戦い方」をピッチ上で選手がいかに表現できるかがポイントとなる。

横浜FCは、敢えて言えば、山口監督になってもチームの大きな方向性は以前と変わっているわけではない。ポゼッションをしながら攻撃で主導権を握り、守備では球際を激しく行く。パスも足下だけでは変化が出ないため、運動量を豊富にスペースを利用する。文字で書いてしまうと、J1の一定レベルのチームであればできていることだ。しかし、それを同時に高いレベルでこなそうとして、かえってチームとしての統一感に隙を生んでしまっていたところがあった。山口監督は、まずは前向きにポゼッションをする部分に強みを持たせる狙いで、チーム強化のスタートポイントをその点に集約している。その成果は、前節の草津戦でも現れた。前向きのポゼッションに欠かせないのは、かつて指揮官が名を馳せたボランチのプレーへの関わりだが、チーム全体でボランチを生かす意識が高まっており、ボランチがボールを受けに来るタイミング、そのボランチに出すタイミング、さらに受けた後に展開するタイミングなど、細かなところではあるが、肝となる部分も改善をすることで、全体のリズムにも良い影響をもたらしている。草津戦は、強風に苦しんだ試合でもあったが、風下の後半に、低いボールでボランチを中心としたパスワークを見せることで、逆にチャンスを作り出し、そのことで攻撃にも余裕が生まれた。チームとして開幕戦以来の得点となった永井雄一郎のゴールも、その余裕からボランチである佐藤謙介が裏に飛び出した後に見せた絶妙なクロスから生まれたもの。チームとしての強みを構築し、それがゴールという結果を得たことで、少しずつ確信に変えつつある状況だ。

このようにチームが1つの方向に向いている中で、チーム内の競争は激しくなっている。監督が新しくなることで、否が応でも全選手が同じスタートラインに立っている。指揮官も、常に練習で良いパフォーマンスを上げた選手を起用することを明言しており、前節でもルーキーの小野瀬康介をいきなりスタメンで起用している。この山形戦でも、どのようなメンバーになるかは予想がつかない部分もあるが、出場する選手もそうでない選手も同じ方向を向いて切磋琢磨する状況が生まれており、それがピッチに結集できれば今季初勝利は見えてくるだろう。

ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込む山形は、この2試合は勝利から遠ざかっているが、第2節から3連勝を果たしており、やはり昨年J1で戦っていた経験と貫禄は見せている。一番の特徴は、守備の際にボールサイドに人数を掛けてボールを取り切る激しさと、その後の切り替えの早さ。簡単にサイドにボールを付けてしまうと、山形の守備陣の餌食になってしまう。そして、ひとたびボールを奪うと、スピードをもった3トップが流動的に動き、サイドのスペースを利用する。その攻撃をサポートする動きも統一感がある。勝利から遠ざかっていることについて、山口監督は「決して調子が落ちているとは思わないし、弱点があったとしてもそれを簡単に使わせてくれるとは思わない」述べており、山形を過小評価はしていない。横浜FCにとっては、攻略が難しいチームであることは間違いない。

この試合の大きなポイントは、お互いの明確な武器を、お互いがいかに消せるかというところだろう。前節の試合後記者会見で山形の奥野僚右監督は、「相手ももちろん自分たちのやり方を研究してきますし、山形が持っている強い部分を消す作業というか、長所を出させない作業をしてくる」と述べたが、その試合の対戦相手である水戸は、ボールサイドに寄る守備の裏をかくためにサイドチェンジを活用し、さらに守備から攻撃への切り替えを遅らせる前からの守備を徹底させた。はっきりとした戦い方があるだけに、その対策も明確になる。ボールサイドでの攻防、その後の切り替え、サイドチェンジなど、お互いの想定の中で、まずは局面で勝つこと、そしてインテリジェンスをもった駆け引きが大きな見所となるだろう。

今週末、三ツ沢の丘は桜が満開となる。横浜FCは、まだ勝利という結果を得ていないが、監督解任という嵐を乗り越えチームの確信を自信に変える「サクラサク」を得られるか。その大舞台は整った。

以上

2012.04.07 Reported by 松尾真一郎
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