岡山にとって松本との初対戦は、間違いなく特別なものだ。松本には岡山から期限付き移籍中の喜山康平、久木田紳吾、そしてかつて岡山でプレーした弦巻健人、玉林睦実選手がいる。岡山には松本でプレーした新中剛史、宮田直樹選手(ともに怪我のため現在はファジアーノ岡山ネクスト所属)がいて、松本というクラブの持つ「熱」を知っている。地域リーグ時代から岡山を応援する人は、複雑な思いを経て、今はこういった境地に達しているだろうか?「僕らはずっと目の前の敵を叩くことではなく、自分たちの戦いを戦っている。そこに勝って、終わってから(喜山らと)喋れたらいいなと思う」(岡山・竹田忠嗣選手)。
両チームともに前節は手応えのあるゲームを行なった。岡山は徳島に逆転勝利。松本は富山に0-3で敗れたが、何度も富山ペナルティーエリア内に侵入し、ハードワークする左右ワイド(サイドハーフ)の鐵戸裕史と玉林、またボランチ・喜山のパスからも決定機を作った。このゲームのシュート数は松本が10本、富山が11本。「勝ちたい意欲が、富山の方が少し上。それが少ないチャンスで点を取れた理由と感じた」と松本・反町康治監督は話した。流れの中から得点を挙げるまで、あと一歩という印象だ。
松本のここまでの成績は1勝1分4敗。勝利は、第3節・北九州戦。ここまでの得点は、北九州戦でCKからDF飯田真輝がヘディングで決めたゴールと、第2節・山形戦でこれもCK後の混戦から弦巻健人が左足を振り抜いたゴールの2ゴールだけだが、スコアレスで引き分けた第5節・水戸戦、続く前節・富山戦と「少しずつJリーグのプレッシャー、水に慣れてきた」(反町監督)ようである。
岡山は今週、徹底的に「自分との戦い」に焦点を当てるトレーニングを行なった。そこには、竹田が言うように相手を倒すことではなく、「自分たちのパワーで相手を上回りたい」という強い思いがある。影山雅永監督は、「今、先発メンバーとそれ以外の選手の差はほとんどない。ピッチに立つのは誰がふさわしいのかを自分自身で見せてほしい」と話す。ライバルの活躍を目の当たりにした選手が奮起し、次の試合で活躍することは多々ある。「メンバーを外れてから自分のプレーの質、パフォーマンスを見つめ直せた」という桑田慎一朗は練習で自分の色を出していた。田所諒もハイコンディションを維持。そして前節・徳島戦で見事な決勝ゴールを決めたFW川又堅碁は、「まだ1点。たかが1点なんで」と気持ちを入れ直す。このチームの状態をMF関戸健二は、「練習からピリピリとして、成長できる空気」と話す。
先発メンバーは読みづらく、紅白戦では最初から右ワイド・澤口雅彦がボランチに入っていたりするため、余計にわからなくなる。澤口は、「ボランチとして意識することは、くさびに入るボールなど起点を潰すためのポジショニング、サイドチェンジ。あと僕は結構走れるので、裏に抜けることも」と話す。両チームは同じフォーメーションを採用しているため、「ガチバトル。でも僕らの方がボールを動かせると思う」と千明聖典。
「松本は失点しても崩されてはいない。彼らのハードワークがしっかり意思統一され、表現されていると思う」と影山監督は話す。相手に合わせて柔軟に対応する反町監督の出方が気になるが、走れる石原崇兆、サイドチェンジ、正確なクロスなど、サイドを効果的に使うことと、前々節・山形戦の2点目で見せたポゼッションからのフィニッシュ、その両方の意識を高めて、岡山は小細工なしに堅守の松本に挑む。そして「うちもハードワークが売り。そこで負けたら終わりだと思うし、ホームだし、しっかり勝ちたい」という田所の言葉にこの対戦の醍醐味が凝縮されるだろう。
以上
2012.04.07 Reported by 尾原千明
J’s GOALニュース
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