岡山は前節・徳島戦から先発メンバーを3人替えて、最終ライン中央に竹田忠嗣、左に植田龍仁朗、左シャドーに関戸健二が入った。松本は前節・富山戦からトップを今季初出場の塩沢勝吾に替えて臨んだ。立ち上がりからアグレッシブに前に向かう姿勢を見せたのは松本。塩沢にシンプルにロングボールを送り、2シャドーの弦巻健人、船山貴之がセカンドボールを狙う。さらに徹底的に中盤でボールを拾うという意識が明確だった。
岡山はゲーム序盤まで中盤が機能せず、セカンドボールの拾い合いは松本に劣った。しかし最終ラインは決定的なシュートを打たせず、トップの川又堅碁はチェイスし、ポストプレーでつぶれずに受け、インテリジェンスを持った野生動物のようにしなやかにトップを張った。先制点は前半24分。左サイドをDF植田龍仁朗からワイドの服部公太、金民均、もう一度、服部が再び受け、川又が相手DFを交わして前に上がったところに付けて、これを川又が左足で決めた。
前節・徳島戦に続く川又のゴールは、鮮やかで内容の深いゴールだった。澤口雅彦が23分にスローインを送った時、金民均は右サイドにいた。その後、中央で遊びを作りながら、植田がボールを受けた時は左に移動していた。服部は植田からのボールをワンタッチでいったん金民均に預けると、トップスピードでペナルティーエリアへと駆けだした。松本DFを置き去りにした服部はエリア内で再びボールを受け、川又に理想的なパスを送った。「あそこに来るなと思っていました。さすが公太さんで、ためてくれたのが良かったです」と川又。関戸も川又の右に並行して詰めていた。
このゲームのシュート数は公式記録で岡山が8本、松本が9本。また松本にCK7本、FK16本を与え、松本に押され続けた印象は拭えない。それでも上回る技術があり、いなす感も出しつつ一瞬の隙をものにして先制点をあげ、その後の約70分間を無失点で抑えることに成功した。岡山・影山雅永監督は「今日のような苦しいゲームをしっかりものにできるのは大きい。これをひとつの成果として評価しつつ、来週のゲームに向けて準備を始めたい」と話す。松本・反町康治監督は「膝を深く曲げる段階は過ぎて、もうジャンプするところにかかっている」と成熟を認める。
松本の教科書どおりの戦いは、ハードワークによってより美しいものとなった。最後の精度が足りない。個人技が足りない。しかし足りないものを数え出し、そこに手を伸ばし、掴み取るまでの過程を松本サポーターはこれから存分に楽しむことが出来る。ボランチ・喜山康平は「玉際やポゼッション、ほんのちょっとのところを埋めていきたい。次、アルウィンでやる時は絶対勝ちます」と話した。
先輩としての余裕を見せた岡山はJ加入初年のチームを無失点で抑えて勝負に勝ち、4月初旬という時期にJ加入後初の3連勝を遂げた。連勝を伸ばすためには「勝ったことは忘れて、自分たちの根本を次のゲームで出したい」(澤口雅彦)。次の千葉戦にはそれが必要となる。千葉には、10年4月18日のゲームとは別のやり方で、再び勝利してもいい頃だ。
以上
2012.04.09 Reported by 尾原千明
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