千葉が15時からの午後練習を１時間で切り上げたほどの強風と豪雨に見舞われた４月11日。
千葉のホームスタジアム（フクダ電子アリーナ）の最寄り駅のＪＲ蘇我駅の改札前で、千葉のクラブスタッフと千葉サポーターの有志が18時半から千葉が発行しているフリーペーパー『ＪＥＦ　ＰＲＥＳＳ』と『チケットは駅でキャンペーンチラシ』を配布した。

事の発端は、３月25日のＪ２リーグ第５節・徳島戦終了後の兵働昭弘選手のヒーローインタビュー内の発言だった。その試合の観客数は３月25日に開催されたＪ２リーグの試合では最多の８，３３７人だったが、兵働選手は「８，０００人だともの足りないので、次に来る時は新たに友だちを２人連れてきてください。１万人のお客様をお願いします」と言ったのだ。

第５節のあとの千葉のホームゲームは４月15日の第８節・岡山戦。サポーターだけに頼るのではない形で兵働選手の想いに応えようと、千葉のクラブスタッフが岡山戦の集客を目指してフリーペーパーとチラシの配布を決断。４月10日に千葉のオフィシャルサイトで告知するとともに、賛同して配布を手伝ってくれる千葉サポーターを募って実施された。参加した千葉サポーターの中には徳島戦のヒーローインタビュー時の兵働選手の写真をプリントしたものを身につけている人がいたが、それには兵働選手の直筆で『みんなでフクアリに来て下さい！』というコメントとサインが書かれていた。
通勤や通学の人々が帰宅するためＪＲ蘇我駅を通る時間帯を狙ってのプロモーションだが、強風はおさまって雨は小降りになっていたものの足早に家路へ急ぐ人も多く、フリーペーパー＆チラシを受け取ってもらえないことも多かった。その一方で、千葉のクラブマスコットのジェフィと握手をしたり、一緒に写真を撮ったりする人たちもいた。

自分が住んでいる街にＪリーグのクラブのホームスタジアム、練習場＆クラブハウスがあっても、実際にスタジアムまで試合を見に行く気にはなかなかならない人もいるだろう。だが、このプロモーションがきっかけでフクアリに行く人がいれば、集客をお願いした兵働選手、そして兵働選手の発言を受けて動いたクラブスタッフや千葉サポーターにとって、これほどうれしいことはないはずだ。このような地道な努力が実を結び、千葉というクラブのまさに地元のＪＲ蘇我駅近辺にお住まいの観客が増えること、そしてＪ２リーグ戦であってもフクアリには常に１万人以上、できれば満員に近い観客が入ることを願っている。

以上

2012.04.12 Reported by 赤沼圭子