●奥野僚右監督（山形）：

「今日の試合で、まず勝点3をまたホームで取ることができて、大変うれしく思ってます。それと同時に、選手たちの最後まで集中力を切らさない作業というので、1-0ということでしたけれども、きっちり完封勝利で収めることができたのはとてもうれしく、そしてよかったと思います。
前半は、ロングボールの対応をお互いにしていたわけですけども、そういうところから、自分たちの得意な形であるパスをつないで連動していくというシーンを、前半最後のほうに何度か見せることができてきた。そこに至るまでに多少、時間はかかりましたけれども、それもサッカーです。そして後半に入ってからは、本来持っている自分たちの形を出そうと。ボールをつないでサイドを崩す、背後を突く。そういった連動を生み出しつつ、試合を進めることができた。やはり、前半に1点……何分でしたっけ？　いい時間帯で得点をした。ロスタイムですね。そういういい流れのときからコーナーキックというチャンスを確実にモノにしてくれたキッカーであったり、ゴールを挙げてくれた選手のみならず、周り全体のいい動き出しから、自分たちのそういういい特長も活かせたんじゃないかなと思います。当然、追加点を狙いにいったわけですけれども、追加点は見てのとおり奪うことはできませんでした。これからまた、日々積み重ねることによって追加点を狙っていきたいと考えています」

Q：今日の得点シーンを振り返っていただきたいんですが、これまで重要局面で得点を入れられることがあったと思います。逆にそこでチームが得点をしたということで、監督としてはどういう感想をお持ちですか？
「セットプレーというのも、非常にゲームを左右する要因の一つ。それがまた大きく左右する。結果を見ていただければわかるわけですけれども、前半開始早々であったり、終了間際でセットプレーでゴールを決めることというのが、結局は勝敗を分けることが多々ある。それをまた再認識できたんじゃないかなと思います。そして自分たちが、そういう時間帯にゴールを決められたということは、引き続き、これからもゴールを決める可能性をいっぱい持っている。そういうことを認識できました」

Q：今日何度か惜しい場面がありましたが、そういうチャンスがありながら得点に結びつかなかったというのは、どういう要因があるとお考えですか？
「それはもう、本当に些細なことなんですけれども、小さいことを積み重ねるということの結果がゴールだと思うんですね。ですから、日々のトレーニングからああいった、極限とまでいかないまでも、力を出しきった状態でのフィニッシュの精度であったり、最後のラストパスの精度であったり、ドリブルの精度。少しずつの、全員の協力を得て奪ったボールを、最後のシュートシーンにまで結びつける作業のなかでの、一人一人の少しずつの精度っていうものを高めていかないと、最後にシュートを打った人が決めていけないんじゃないかなと思います。それはもうシュートを蹴った人だけの責任ではない。シュートまで行けた、決定的なチャンスをつくれたということは本当にすばらしいことですけれども、そこにはボールを奪うまでの作業と、ボールを奪ってからの作業というのがあるので、そういった本当に関わる人すべてですね。ボールがないところの人の動きの質もそうですし、ボールに携わった人たちの数センチの正確性とタイミングだったり、角度、精度を上げていく作業を日々取り組んでいくということの繰り返しだと思います」

Q：前半は互いにロングボールの対応だったという話でしたが、裏に行かれる場面が多少あったと思う。それはロングボールへの対応が甘かったということか？
「ロングボールというものの、相手の一つの形としてそういう攻撃がある。そういう部分で相手の強さが発揮されたというシーンだと思いますね。だから相手の持ち味が出たというだけの話であって、そういうところで何度か押し込まれるシーンが出たんじゃないかなと思います。それも最後のところではシュートを打たせない作業であったり、体を張ったプレーで抑えながら対応していけたというところは、成長した部分ではないかなと思います」

Q：今日は初出場の永田選手を含めて3人の交代がありましたが、交代によってあまりパワーアップしたように見えませんでした。今日の交代に込めたメッセージは何でしたか？
「今まさに選手が上がってきて、チーム全体として集まって意図というものを話しました。さまざまな状況のなかで、自分がチームに力を与えたいという交代をしていくわけで、当然、より積極性が生まれるようにという交代なんですけれども、今日なんかは痛みのあった選手であったり、力を使い切った選手、機動力に欠ける部分があったということで交代を使っていきました。そして、交代した選手のみならず、それ以外の選手でもちょっと機動性に欠けたなという部分があったので、形を変えることで入ってもらったわけです。その形に対して自分たちが柔軟に対応できなかった。そういう作業をいつも僕が話しているわけでもなく、トレーニングしているわけでもなく、そのゲームのなかで感じたことを選手たちにしてもらいたかったという部分で、自分が、そしてまたチームがこれからやっていかなきゃいけないステップだと。そういうところを、これからはもっと、必ずよくなっていきますし、そういう意図というものを選手たちに説明しました。今日なんかは機動性の部分での意図で、いろんなふうに形を変え選手たちを混乱させてしまったというのは、監督である僕の責任であると思います。ですけど、これからそういうシーンというのは必ずいろんな試合のなか、シーズンを通したときに出てくる。自分たちがよりいい形で機動力をもって、また追加点を狙えるような形にもっていくことによってチーム力っていうのも上がりますし、成績にもつながってくるんじゃないかと。外から見られて活気を与えられなかったように見えたかもしれませんけれども、今日の試合を勝利で終えたことによって、またそれが次に必ずいい形につながりますし、勝利で終えることができてとてもよかったなと思っています」

以上