低迷するチームに頼もしいベテランが帰ってきた。新潟は仙台との大一番、右サイドバックに内田潤を起用する。ヤマザキナビスコカップ予選リーグ第3節・神戸戦で、今季公式戦初出場。出場していた77分間、右サイドの攻防で主導権を握り続けた。安定した攻守を仙台相手にも発揮する。
7戦負けなしの仙台は、自信を持って敵地に乗り込む。赤嶺真吾の故障離脱はあったものの、チームコンセプトが浸透したメンバーに揺らぎはない。
「個人的にはあまり好きではないのですが」。内田はこう前置きし、続けた。「泥臭くやりたい。攻守において。特に守備は徹底的に」。7試合で18得点。チャンスをつかむと畳み掛けてくる仙台の攻撃を、体を張って守る構えだ。同時に「チームには自信を失っている雰囲気がある。それを変えないと」。精神的支柱としての自覚もある。現在、新潟は1勝2分4敗で16位。7試合すべて1点差以内、失点は最多でも2と大崩れしているわけではない。ただ、それだけに勝ち切れない焦燥感がチームに漂い始めた。
「粘り強く守って、あきらめずに走る。自分たちのサッカーをやりきることが大切」。新潟のスタイルを体現することで、チームを奮い断たせようとする。
攻め込んでくる相手をじっくりと追い詰め、きっちりとボールを奪う。攻撃に転じたときは、隙間を縫うようなポジショニングでいつの間にか起点になる。職人肌のプレーには黒崎久志監督も「彼が出ると全体が安定する」と信頼を置く。内田にとっては逃してはならないチャンスでもある。キャンプ中に右ふくらはぎを肉離れ。練習に合流したのは4月に入ってから。今年35歳のベテランにとって、出遅れのハンディは小さくはない。それでも「チームを外から見て、聞き役に回るようにしていた」。若手、主力に関係なく、話を聞いた。その中で自分がやるべきことを考えた。
「積み重ねてきたことをやるしかない。アグレッシブにやるだけ」。高い位置からプレッシャーをかけ、ボールを奪う。守備はコンパクトに、そして全員が汗をかく。「新潟というチームとしてやってきたことを出す。こういう試合はそれが大切」。気持ちを前面に出して、チームの闘争心を引き出す。
仙台の勢いは開幕から衰えを知らない。前節はF東京に4-0。後半に3点を奪い、抑え込むように勝負を決めた。シュートは9本と決して多くはないが、相手を追い詰めた形で効果的に放つ。コンパクトな陣形から素早くつなぐ攻撃は新潟の守備陣にとっても脅威だ。
唯一の不安は赤嶺の不在。太田吉彰と並ぶ4得点はチーム最多。得点源の1枚が離脱した形だ。ただ、いい流れの中、チームのやるべきことにブレはない。不在を埋めて新たな戦力が台頭してくる可能性もある。序盤から圧力をかけることで、一気に自分たちのペースに持ち込む。
チーム状態が真逆ともいえる対戦。それだけに新潟にはメンタル面の強さが求められる。立ち上がりからアグレッシブさを出し、90分間続けることが必須になる。仙台は冷静さと大胆さを組み合わせて、新潟の気迫をはね返すことが必要。
細かいプレーの精度が試合の流れ、メンタルの両方に影響を与える。
以上
2012.04.27 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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