アウェイ連戦を終えた愛媛にとっては、3試合ぶりに迎えるホームゲーム。水曜の夜は、前節から中3日で京都との対戦に臨む。現在、愛媛は前回のホーム初黒星を喫した富山戦から2分1敗と3試合勝利から遠ざかっており、一方の京都も5連勝のあと2試合続けてのドロー。混戦が続くJ2とはいえ、どちらも足踏みの状況から脱してそろそろ勝点3を手にしたいところだ。今節は前節からの準備時間が短い中で、どれだけ90分間戦い抜ける体制を整えられるか。平日ナイトゲームはまず、両チームのコンディションが試合の行方を左右するひとつの鍵となる。
その点で、愛媛はホームで戦うことがアドバンテージにはなるが、出場停止や故障者に苦しむ状況でもある。今節は有田光希と園田拓也、アライールの3選手が累積警告による出場停止となる。前節は出場停止だったトミッチと内田健太が復帰してくることはプラスだが、それでも単純に計算するとマイナス1。特にチーム得点王の有田と守備の中心選手2人という、センターラインの選手を同時に欠くのは痛手だ。さらに、ディフェンスラインは右サイドバックの関根永悟が負傷で長期離脱をしたばかり。愛媛は日曜日をオフにし、月曜も遠征組は軽めの調整で終わり、連戦に向けてコンディションを整えることを優先。したがって京都戦の最終ラインがどのようなメンバーで構成されるのかは読みづらいが、必然的に前節から大幅にスタメンが変わることになる。相手が京都ということを考えても、立ち上がりは慎重なスタートにならざるを得ないだろう。
逆に言えば、その立ち上がりで京都はしっかりと主導権を握り、先制点まで奪うことができれば試合を優位に進めることができる。対する愛媛は「割り切って我慢をすればチャンスはある」と赤井秀一が語るように、まずは焦れずに京都の攻撃に対処できるかがポイント。ただし、引いて守るだけでは90分間耐え抜くことは難しい。それに、それでは勝点3を奪うこともできない。「京都だからといって受身になるのではなく、勝つことを意識しなければ勝利は見えない」と小笠原侑生が気を吐くように、常にゴールを狙う意識を忘れないことも肝心だ。そのためには、チャンスが訪れればしっかりとフィニッシュまでやりきるプレーが必要。中途半端な攻撃で終われば京都の速い攻守の切り替えの餌食になってしまう。愛媛はアウェイの2試合で追いつかれてドローに終わっているが、いずれもカウンターを受けたもの。今節はその失点パターンを繰り返してはならない。その上で慎重にスコアをゼロのままゲームを進めながら、なおかつ守備でも攻撃でもアグレッシブさを忘れないこと。高い集中力を保ちつつ、90分間を戦い抜くことが求められる。
ただ、それは愛媛にとってできない注文ではなく、シーズン序盤のサッカーを思い出すことでもある。このアウェイ連戦では、特に前半に関してはそのサッカーを思い出しつつあるが、まだまだ90分間続けることができていない。その意味では、京都という気を抜くことができない相手を前に、1試合を通じてしっかりと前線からプレスをかけて、最終ラインまでをコンパクトにできるか。「みんな、ホームで連敗するわけにはいかないと思っている」と高杉亮太が語るように、気持ちの上でも高いモチベーションを保つことができるのが今節の京都戦でもある。ホームで湘南を破り、アウェイの山形戦でドローに持ち込んだのはゴールデンウィークの連戦。その時のように、今回は京都、そして週末は徳島との四国ダービーという厳しい戦いの中ではあるが、ここで勝点3をつかむ戦いができれば愛媛は自信を取り戻し、今の停滞した状況を脱することもできるはずだ。
以上
2012.06.12 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
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