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【J2:第19節 水戸 vs 甲府】プレビュー:「自分たちの目指す場所」はどこだ!? 両チームの本気度が問われる一戦。(12.06.12)

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それは危機感ゆえの行動であった。

オフ明けの6月9日。練習時間は当初10時開始と予定されていたが、前日に15時に変更となった。それを受け、キャプテンの本間幸司と市川大祐が音頭を取り、午前9時に選手全員を集めて、前節熊本戦の試合の映像を90分間見ることとしたのだ。

「スタッフが編集した映像はチーム全体の気になるところを切り取ったもの。でも、選手個々が見るべき点は異なる。なので、全選手に90分間試合を見てもらいたい」という柱谷哲二監督の考えをもとに、前々節栃木戦前から前の試合の映像を90分間見ることを選手たちに義務付けている。それはレギュラー組だけでなく、サブ組も同じ。練習試合だろうと90分間映像を見ることとなったのだ。ただ、「全員で見る必要はない。家で見てもいいので、全員が90分間試合を見るようにという話をしました」と柱谷監督が言うように、映像の見方は選手たちの自主性に任せてある。だが、本間と市川は前節出場した選手だけでなく、試合に出ていない選手たちも集めて見ることを決断した。そこには覚悟が込められていた。

市川は言う。
「これから上位との対戦が続く。この数試合で自分たちの目指す場所が決まる。その重要性を選手全員に感じてほしかった。今こそ、チームとしての力が試される時。そのためにも、ここからもう一度全選手で戦って行くんだということを確認しないといけないと思ったんです」

ここ数試合で今季の水戸の運命が決まる。そう言っても過言でないほど、重要な戦いがはじまろうとしている。本当に「J1昇格を目指す」覚悟があるのか。今節、選手たちの本気度が試される試合となるのだ。

残念ながら前節熊本戦はその思いを感じることができなかった。相手の勢いに押され、わずか2分で先制点を許してしまう。それにより「リズムが狂った」(柱谷監督)水戸は立て直すことができずに防戦一方の展開を強いられ、28分に追加点を奪われてしまう。ハーフタイムに動き方を修正して、後半は猛攻を仕掛けたものの、88分に決めた岡本達也の1点に終わり、勝点1すら手にすることができなかった。

特に相手の前線に簡単に起点を作らせたことが痛かった。「それがすべて。責任を感じています」と塩谷司が振り返るように、センターバック同士で役割が曖昧となり、相手のFWに強く潰しに行けなかったことが後手に回った大きな原因となった。今節対戦する甲府はダヴィと高崎寛之という「J2で一番いい2トップ」(塩谷)を擁している。前節のような守備では簡単にゴールを割られてしまうことだろう。だからこそ、「もっと前に強く守備をしないといけない」と塩谷は気合いを込める。彼らを食い止めることができるかが今節の勝負のカギを握っている。守備陣の奮起に期待したい。

ただ、それは守備陣だけの問題ではない。「全体でしっかり守備をすることが大事。クオリティーの高いプレスが大事になる。きれいにトップにボールを入れさせないようにしたい」と柱谷監督が言うように、チーム全体で連動した守備を見せることが大事になる。また、攻撃面の改善も求められる。悪い流れの時は足元でボールを受けようとする意識が強すぎてスペースを効果的に突けなくなる傾向がある。もっとシンプルに裏のスペースを狙って、相手のDFを下げることも重要だ。それにより、最終ラインとFWの間が空くこととなれば、中盤の空いたスペースを使って自慢のパスワークを見せることができるようになるし、甲府2トップへの配給を減らすこともできる。いい攻撃といい守備は表裏一体。すなわち、チーム一丸となって戦うことが最も重要なことなのである。全員で気持ちを一つにして戦えるか。今節のポイントはそこしかないだろう。

甲府にとっても同じ心境で迎える一戦だと思われる。前々節松本と引き分け、前節千葉にホームで0対2の敗戦を喫し、順位は7位となった。1年でのJ1復帰を目指すチームとしてこれ以上順位を下げることはできない。アウェイといえどもなんとしても勝点3がほしい一戦である。ただ、今節は守備の要であるドウグラスが出場停止。守備に不安を抱えての一戦となる。それだけに水戸同様チーム一丸となって戦う意識を強めて試合に入ってくるに違いない。ピッチの各所で個々の激しいしのぎ合いが見られることだろう。「集中力とメンタリティーを高めて試合に臨む。1人でもそれらが欠けていたら勝てない」と柱谷監督が言うように、個々の強さが求められる一戦となる。

9位水戸と7位甲府。お互いに満足できる立ち位置にはいない。「このままではいけない」という強い危機感を抱き、「自分たちの目指す場所」への強い渇望と執念を見せたチームが勝点3を手にすることだろう。むき出しとなった本気が、激しくぶつかり合う。

以上

2012.06.12 Reported by 佐藤拓也
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