前半戦を終えた成績は、3勝4分10敗、勝点13で17位。この数字を受けG大阪は、立ち上がり、これまでとは全く違う試合の入りをみせる。ディフェンスラインから繋ぐ、自慢のパスサッカーは封印し、ボールを受けるとシンプルに相手のDFラインの裏へ。守備的に、というよりは全体的なコンパクトさを失わないように意識しながら手堅く試合を進めていく。
「ここ数試合、立ち上がりにやられる試合が続いていたので、その流れだけは止めようと、シンプルに裏に蹴ってリスクを背負わないようにしようという共通理解のもとで試合に入りました」(明神智和)
そうしてここ数試合で見られた“魔の時間帯”である20分を無失点で進めて以降は、機を見ていつものガンバ大阪らしい攻撃がみられるシーンも。その中では2列目のMF二川孝広や開幕戦以来の先発出場となるMF佐々木勇人がドリブルやパスで相手DFラインを切り崩そうと試みるが、横浜FMの守備も堅く、跳ね返されるシーンも多く見られる。
これに対して3試合ぶりにMF中村俊輔が戦列復帰を果たした横浜FMもG大阪と同様にコンパクトにラインを保った立ち上がり。いつもと違う入りをみせたG大阪のロングボールへもうまく対応しながら落ち着いて試合を運ぶ。だがG大阪がコンパクトに布陣を敷いてきたこともあり、スペースをうまく見つけ出せない。リーグ最少失点を誇る守備力は相変わらず光るものの、『いかにゴールをこじあけるか』という部分では物足りない前半となる。いや、だからこそ、前半終了間際の43分にMF富澤清太郎がセットプレーから奪った先制点は、試合の流れだけではなく、気持ち的にもずいぶんと横浜FMイレブンを楽にしたと言えるだろう。実際、その効果は、後半スタートから表れる。
1点のリードを奪った横浜FMは後半、前半以上にオフェンシブな姿勢を強めた立ち上がりに。8分にはFW小野裕二が相手DFと競り合い、こぼしたボールをMF富澤が右足でミドルシュートを放つなど『攻撃』への意識が伺える。だが15分を過ぎたあたりからシステムを3バックに変えて攻勢な布陣を敷いたことで徐々にG大阪が試合の流れを手にし、勢いを増す。ただし、横浜FMの堅守を前に攻撃のアイデアが乏しく、前線にボールを放り込んでも、DF中澤佑二やDF栗原勇蔵の安定した守備力に跳ね返され、セカンドボールも拾えず…という展開が続く。
ようやく試合が動き始めたのは79分にFWパウリーニョが投入されてから。先に投入されたMF倉田秋らと共に前線を動き回りながら好機を伺うシーンが増え、ようやくゴールの匂いが感じられるようになる。そして87分にはゴール前中央で粘ったMF明神のパスを受けたFWパウリーニョがドリブルでエリア内に侵入し、左足でゴール。G大阪サポーターの目の前のゴールに強烈な一撃を突き刺す。これでようやく試合を振り出しに戻したG大阪は、ホームでの勝点3を狙いにいこうと前がかりに試合を展開。5分と表示されたアディショナルタイムに、より「逆転できる」という意識が強まったのか、ゴールへの意識が明らかに高く感じられる。
だが、そうしたG大阪の『勝点3』への執念は、逆に横浜FMのカウンターを受ける結果に。アディショナルタイムも4分を過ぎたあたり、FW松本怜のパスが相手DFをかすめてFW大黒将志のもとへ。そのFW大黒が鋭い切り返しから相手DFのマークを振り切ってシュート。一度はGK藤ヶ谷陽介が弾いたものの、こぼれ球にMF齋藤学が詰めてゴールを奪い、横浜FMが勝利を引き寄せた。
これでG大阪は今季2度目の3連敗。横浜FMはこの試合をもって五輪へと旅立つMF齋藤の7試合ぶりのゴールで、4試合ぶりの白星を手にした。
以上
2012.07.15 Reported by 高村美砂
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