今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第22節 名古屋 vs G大阪】プレビュー:窮地で迎える名古屋の20周年記念試合に、2人のエースが帰還!G大阪とのオリジナル10対決を制すべく、総力戦で臨む。(12.08.17)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
1992年に結団し、同年8月1日にブラジルの名門・コリンチャンスとの親善試合でお披露目をした名古屋グランパスは、それにちなんで今節を「The Match 〜Grampus 20th Anniversary 2012.8.18 supported by le coq sportif〜」と銘打ち、20周年記念試合として開催することになった。当日には様々なイベントが行われるほか、選手たちはこの日のために用意された記念ユニフォームを身にまとい、戦う。相手はJリーグ設立当初から存在する“オリジナル10”の盟友、G大阪だ。今季は思わぬ低迷にあえいでいるが、8月に入ってからの成績は1勝1分とまずまずであり、夏の新戦力も日に日にフィットしてきており決して侮れる相手ではない。先の日本代表の試合で得点を挙げた遠藤保仁はじめ、多士済々の顔ぶれが揃う、記念試合にふさわしい歴史も備える強豪である。

だが、大切な記念試合を前に、名古屋のチーム状態が未知数なのが気がかりだ。ここ3年で5勝1分と相性の良さが際立つG大阪戦にも、決して楽観視できないマイナス要因が散見される。ひとつは前週に行われた2試合での惨敗ぶりだ。水曜日のヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦では、清水に後半終了間際に逆転され、3-4で惜敗。アウェイでの第1戦を1-0と勝利しながらホームで崩れ大会から姿を消すと、中2日で迎えたアウェイでの清水とのリーグ戦も2-3で敗北した。2試合で5得点を奪いながら、7失点を喫したことで指揮官の矛先は守備陣に向かい、木曜日の練習では30分ほどの軽いトレーニングのあとに、30分のミーティングが行われたほど。その内容は明かされなかったが、GK楢崎正剛は「意見のすり合わせ。大したことは言ってない。ただ守備はちょっと考え直さないといけない。というかもう一度確認しないといけない。集中してないことはないやろし、気持ちが入ってないこともない。でもやられたということは、何かがうまくいってないということ」と語り、個人の判断力の問題と気を引き締めていた。G大阪には二川孝広や倉田秋、そして大阪に帰ってきた家長昭博など個人能力の高い中盤の選手が多い。名古屋のゾーンディフェンスにとっては天敵ともいえるタレントたちに対して、カギとなるのはまさしく個人の判断力だ。どこまでゾーンを順守し、それを崩してまでも勝負に行くタイミングを見極める作業には、集中力と勇気、そして試合を読む力が必要になってくる。そのことに最も長ける選手が田中マルクス闘莉王だが、今節は出場停止ということで、ダニエルと増川隆洋の両CBにかかる期待と重圧は相当のものだろう。

マイナス要因のもうひとつは、前述した闘莉王の出場停止だ。いまだ復帰時期の見えないケネディに代わり、ここ1ヵ月の名古屋の前線をけん引してきた急造FWが今節は不在。名古屋の代名詞であるサイド攻撃には中央で陣取るフィニッシャーが必要不可欠なのだが、現状では同タイプの選手は巻佑樹しかいない。しかしここには光明も出てきている。

それが玉田圭司と永井謙佑の帰還だ。6月に左足首の手術をし、全治2ヵ月の診断を受けていた玉田は「最近はスタンドから見ていて少し退屈な時もあって、そういう風にサッカーを見るのはもういいやと思った。あんなにドキドキするぐらいなら、少しぐらい痛くても試合に出ている方がいい」と、自ら復帰時期を早めてきた。昨今の個人技頼みの攻撃陣に最も必要な選手だ、と問いかけると「まあね」と不敵に笑う。試合勘などは鈍っているに違いないが、攻撃にリズムを生み出す貴重な選手の復帰は、必ずや良い影響をもたらすはずだ。

そして永井である。ロンドンオリンピックでもその俊足を存分に生かし、スペインはじめ世界を驚かせてきた自慢のスピードは、名古屋の起爆剤として大きな期待がかけられる。「オリンピックでは得点も決められたし、プレスをかけると相手もビビっていた。それはこっちでもやりたいと思いますし、スピードが通用したことも自信になりましたね。」と本人も手応えをつかんでの帰国。スペイン戦での負傷も問題ないようで、「監督には大丈夫ですと伝えました」と、この“The Match”での出場も示唆した。玉田と永井、そして今節では金崎夢生も戻ってくるため、前線の駒は数の上では一応揃った。ケネディ、闘莉王不在の前線は、テクニックとスピードを持つ彼らが代わってけん引する。

とはいえ玉田も永井も金崎も、コンディションや試合勘の面では過度の期待は禁物。日本代表帰りの藤本淳吾や進境著しい田口泰士など、現状で使える戦力全てをもって挑む一戦になる。言えることはただひとつ、自ら定めた20周年記念試合に負けは許されないということ。名古屋は今いる総力を挙げ、メモリアルに華を添えるべく、果敢に挑む。

以上

2012.08.17 Reported by 今井雄一朗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着