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【J2:第29節 栃木 vs 草津】プレビュー:堅守を誇る栃木が草津のポゼッションを封殺。北関東ダービー連覇のシナリオは、既に出来上がっている。(12.08.19)

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今週末、真夏のタイトな3連戦が幕を開ける。その初戦、栃木はライバル草津との“北関東ダービー”に挑む。過密日程に加え、手強い相手を迎え撃つハードな試合になるが、ここ2試合は思うような結果が残せず、前節は熊本に0‐3とまさかの完敗を喫しただけに負けるわけにはいかない。上位追撃に向けてややペースが落ちた今、誰もがここが踏ん張り所だと捉えている。チームメイトの気持ちを廣瀬浩二が代弁する。
「ああいう負け方は悔しい。熊本に負けて栃木らしさが戻ったな、と言われるゲームをしなければいけない」
敗戦は真摯に受け止めるべきだが、深刻になり過ぎることはない。大事なことはぶれないこと、つまり自分達のサッカーを見失わないことだ。ダービー4連覇の偉業に挑む大和田真史は言う。
「マイナス思考になることはない。(栃木のサッカーで)結果が付いて来たのだから、もう一度そこへ戻ればいい。全く違うことをやる必要はない」
ダービー連覇、連敗阻止。2つのプレッシャーが伸し掛かるが、それに押し潰されることなく、引き締まった栃木本来の戦い方でライバルを打ち破る。

栃木が主導権を握って試合を推し進めるために、3つのポイントが挙げられる。まずは、序盤の試合運びだ。前節は熊本の勢いに押し切られ、今季初めて開始15分までに失点し、その後はペースが乱れた。松田浩監督が「うちの生命線」と語る立ち上がりは、守備からリズムを構築する栃木にとって極めて重要度が高い。「最初はしんどいけど、そこで頑張れば楽になるプレーが多い。逆にこっちが楽をすると相手がきついことをしてくる」と廣瀬が言うように出し惜しみなく、キックオフからフルパワーでぶつかりたい。でなければ、激しさが身上の草津に食われてしまう。前節と同じ過ちは繰り返せない。

次に、守備の厳しさが求められる。熊本戦では寄せの甘さが目立ち、そのため開始早々にピンチを招いた。そこで今週は守備における厳しさをテーマにトレーニングを行い、「絶対に連敗できないという意識が一人ひとり強く、自然とそうなった」と話す大和田を中心に、守備陣は最後の最後まで諦めずに体を張り、厳しい対応で後ろから盛り立てようと心掛けていた。いい守備が、いいリズムを生み、いい攻撃に繋がる。その感覚は体に染みついているはずだ。無くさないように、ここで思い出しておきたい。

最後は、的確な状況判断だ。草津は前から果敢にプレスをかけてくる。「その中でしっかりスペースを見付けることが大切になる」(パウリーニョ)。ひとつ飛ばしてパスを出すのか、間で受けて運び出すのか、それとも無理に繋がずにDFラインの背後を狙って蹴るのか。刻一刻と変わる状況にアラートに反応し、その場その場で最善の選択をする必要がある。トレーニングでは最適な判断が出来ていた。あとは試合でその成果を出すだけだ。

本来のポゼッションが影を潜め、しかし辛くも前節の岐阜戦ではアディショナルタイムに勝点1を拾った草津。栃木がそうであるように、草津も持ち味を取り戻すことが今節の鍵になるだろう。ボールを動かしながら機を伺い、熊林親吾がスイッチを入れ、それを合図にゴール前へと殺到し、フィニッシャーのアレックス・ラファエルを活かしたい。

「よく点を取る嫌らしい選手」と松田監督が警戒を払うアレックス・ラファエルは加入して間もないが、熊林とは息の合ったプレーを披露。J1へ引き抜かれたラフィーニャと同様、優良外国人と認められるかどうかは、ダービーでの成績が大きく左右する。果たして、北関東を震撼させるパフォーマンスを見せられるのか。堅守を誇る栃木の守備陣とのバトルに注目したい。

草津、愛媛、そして湘南。難しい相手との連戦がスタートするが、やるべきことはシンプルだ。目の前の相手を確実に叩けばいい。クラブ新記録となる6連勝を遂げた時のように。
「1試合終わって次の試合で動けなくても他に選手はいる。選手層も厚くなった。3連戦を気にすることなく、目の前の1試合を勝ち切ることだけにこだわりたい」(廣瀬)
惜しみなく、全てを振り絞り、今年も栃木がダービーカップを頭上に掲げる。水戸にも草津にも、あの歓喜は渡さない。

以上

2012.08.18 Reported by 大塚秀毅
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