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【J2:第29節 富山 vs 甲府】プレビュー:的を射抜く1本の矢になれ。チーム一丸の富山が首位・甲府から金星奪取を狙う。(12.08.19)

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21位の富山が首位の甲府を迎える一戦だ。ちょうど1年前、富山は首位・F東京を1−0で破った。「今年も勝ちます」という選手の声が頼もしい。クラブワースト12戦未勝利(5分7敗)の富山、一方の甲府はクラブ初の6連勝中。J2に注目するサッカーファンの多くが勝敗の行方を決めつけていることだろう。だが選手たちは虎視眈々と勝利を狙っている。サポーターの声援を背に自らのスタイルで真っ向から勝負する構えだ。

前節の松本戦は「どの試合よりもチームには熱があった」とMF木本敬介。その通りに開始3分に先制点を挙げた。だが後半に立て続けに失点して1−2で逆転負け。突発的なミスが失点につながってしまう今季の悪癖がまたでてしまった。
粘り強くは戦えている。これは前節だけでなく勝ちなしの最近12試合に共通している。勝っていてもおかしくない試合はいくつもあった。コインの裏ばかりが出続けるような息苦しさがある。自分なら投げ出したくなるし、誰かのせいにもしたくなる。だが、カターレ富山というチームはそうはならない。苦境にあっても全員が歯をくいしばって今週も集中してトレーニングに励んだ。
どんな世界にあっても困難に遭遇して内部から瓦解する組織は少なくない。そう考えると、一期一会の選手とスタッフたちが築き上げている富山のチームワークは間違いなくある種の強さだ。他クラブとの比較は難しいが、誇らしくさえ思う。サポーターやファンもそれを感じている。だからこそ、這い上がる姿を見たいし、今回も信じて応援する。

「流れの悪さは感じる。だが、ミスが起こるのには必ず理由がある。突き詰めてやるしかない」。そんな言葉が前節ベンチを外れたベテラン選手から聞かれた。もっと強くなる。もっと上手くなる。そういう戦うための気力が失われてはいない。安間貴義監督はミスを防止するために「自分たちのやってきたこと、やるべきことをやろう」と伝えたという。「苦しい時だが、わたしの言葉に選手たちがしっかり反応してくれる。ここを乗り切りたい」と話した。古巣である甲府にひと泡吹かせるためのプランはすでに頭の中でできあがっている。前節から若干のメンバー変更もありそうだ。
鳥栖からの移籍で15日にチームに合流したばかりのMF國吉貴博もベンチ入りが濃厚。奇しくもプロとしてのスタートを切った甲府との一戦が初陣になる。「安間さんの考え方は(甲府時代に)理解している。あとは足がついてくるかどうか。残り試合すべてで得点に絡みたい」と決意を語った。甲府サポーターも同期のルーキーだった國吉とMF木村勝太がそろってプレーする姿を敵ながら楽しみにしていることだろう。

甲府は10戦負けなしでクラブ初の6連勝中。総得点41のうち20点を挙げているFWダヴィが前節に続いて出場停止のため、どう攻撃を組み立ててゴールを奪うかがポイントになる。チームにとって真価を問われる機会であり、選手のモチベーションは高いだろう。
前節の水戸戦はシュート3本に終わったように苦しい試合展開だったが、前半8分に19歳のMF堀米勇輝が挙げたJリーグ初得点を守り切って1−0で勝利を収めた。ボールをテンポ良く動かす攻撃的なサッカーだけではなく、状況に応じて堅守速攻のスタイルでも戦える柔軟性を身につけている。
6月の前回対戦で富山は1−4で敗れたが、木村のミドルシュートで同点に追い付き後半20分過ぎまで接戦を演じた。当時のように前からのプレスで相手の攻撃陣を危ないエリアに侵入させず忍耐強く守らなければならない。防戦一方になっては疲労がたまる終盤につけがまわってくる。奪ったボールを失わずに敵陣に運び、攻撃の機会を増やしたい。

以上

2012.08.18 Reported by 赤壁逸朗
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